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東方秘封活動記  作者: 紅き蠍
第一章 アカイキリ
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第十九話 夏の始まり

…本当に遅れてしまい申し訳ありません。

いや、別に特殊部隊のテロ対策ユニットに配属されてテロリストと戦っていたり、世界を救うためにヒーローの内輪揉めに参加していたりしたわけじゃないですよ…?












一ヶ月後…

京都府内の自動車学校にて








7月中旬。


自動車学校から出てきた亮は、太陽を恨めしそうに睨む。


定期テストと、レポートの提出の済んだ彼は、すぐに自動車学校へ通い、車の免許を取るために連絡した。


試験はすんなり合格し、実地試験も突破。

予定通り、一ヶ月での免許取得に成功した。


車は中古車ではあるものの、かなり格安で有澤から買い取った、安いのに状態は悪くない。最高の買い物だ。


ここで、携帯に電話がかかる。


ARは携帯とリンクしてあるため携帯に連絡が入ると自動的にARでも受け取れる。


ARのスイッチを入れて電話をうける。

かけたのは母親だ。


「もしもし、亮です」


《もしもし?亮?元気にしてるかしら?亮が向こうに行ってから家がずいぶん静かになったわ、いつになったら帰ってこられるかしら?》


「母さんか、今は夏休みだから、こっちがひと段落したら一度帰るよ」


《よかったわ、優璃が『お兄様に会いたい!!』ってうるさいのよ、あの子いつの間にお兄様なんて言うようになったのかしら?》


「俺に言われても困るなぁ……」


そんな他愛もない会話をしつつ、彼は歩いて家に帰る。


《それと亮、早苗おばさんが会いたがってるわ、会いにいったらどうかしら?》


早苗おばさんはうちの母親の姉で、長野県の都市部に住んでいる。

数年前までは、正月には毎年車を走らせて家にやってきていたが、最近はもう歳で前のように車を運転することができなくなった。


「早苗おばさんが?珍しいな、何かあったのかな」


早苗おばさんは滅多に俺を呼ばない。


《何でも渡したいものがあるそうよ》


「渡したいもの?何だろうそれ」


《私たちは8月初旬頃になるけど、亮は早く行ってあげて、何でも、そろそろまずいって……》


「わかった、なんとか空きを見つけて行ってみるよ」


《それじゃあ、行く時は気を付けてね、電気消すのよ》


「わかったよ、じゃあね」


通話が終わると同時に家に着いた。

彼はポケットから家の鍵を取り出すと、鍵を開けて部屋に入った。

















「へぇー、亮君車の免許取ったんだ、どこに行くの?」


ここは秘封倶楽部の部室……と言う名の空き部屋。元々は岡崎教授の研究室だったらしい、何でも、新しく校舎を建てたときに古い校舎をサークルの部室用にとっておいたらしい……逆じゃないのか?


長机にパイプ椅子が4つ……最近、チルノと大妖精の為に2つの新しいパイプ椅子が追加された。


「あー、長野のおばさんのところに行く予定です」


「長野かぁー、いいなぁ、諏訪湖見にいきたいわ、あそこの近くの諏訪神社には伝説があるのよ」


蓮子が興奮した口調で諏訪神社の伝説を解説し始めた。


「明治時代、諏訪神社には3人の巫女がいたらしいのよ……あった!これよ!」


彼女は本棚から一冊の厚い本を取り出すと、机の上に置き、本を開く。


「どうやら、その人たちは裏の世界から来たと言っていたのよ、当然だけど地元の人たちは怪しんでいたようね、でも、そのうちの一人が、村で疫病が流行ったとき、天に祈っただけで疫病を治したらしいわ」


「なるほど、特殊能力者ですか」


「だから、もし諏訪神社に行くことになったらなにか関連する資料持ってきてほしいな」


「わかりました、行ったらもらってきます」


そんな訳で。



早速今日から長野へ向かう。

現在午前九時。昨日のうちに用意した荷物はすでに車に積み込んでいる。


「これからどこに行くの?」


チルノが車の準備をしている彼の後ろから問いかける。


「長野だ、着くまではいいが、着いたら小さくなってくれよ、身内にはチルノ達のことを知らせてないからな」


身内には京都に親戚はいないことを知っている。だから、今のところいい言い訳が思いつかないので、放置したままだ、いつかは説明しないとならないだろう。


「よし、準備完了、乗ってくれ、行くぞ」


運転席に座った彼はエンジンを始動し、ハンドルを握り、アクセルを踏んで車を発進させた。


その背後。アパートの屋上でそれを見ていた人影があった。

それは発進した亮の車を一瞥すると、背を向けて、どこかへ行ってしまった。


彼は、当然そんなことに気がつかない。



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