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東方秘封活動記  作者: 紅き蠍
第一章 アカイキリ
18/20

Extra story 01四月〜七月編

この章では、本編では描かれない日常や、秘封倶楽部の二人がいちゃいちゃしたり、主人公以外の視点を試験的に書いたりする物です。(いちゃいちゃが書けるとは言っていない)

ルール

・本編と関係あるなしに関わらず、一回で三本書く。

・最後にしっかりオチをつけて終わる。

・ギャク要素も可能な限り取り入れる。

・リクエストされたら頑張って書く。


(リクエストは作者の活動報告にお願いします)

では、始めます。


ふむ、平和な日常はいいねぇ~


え、平和に見えない?


気にするな!



~不詳~





[見てないの?!]



さて、現実から逃れるために気絶した亮だが、チルノ達は未だに部屋に入っていない。



「おや、大丈夫でしょうか、亮様、……亮様?」



咲夜は目の前で突然倒れた亮を起こそうと身体を揺さぶった、彼女は悪気は無いのだが、

気絶した彼の頭は割れるように痛み、少し動かすだけでも激しい痛みが走るので、それはまさに傷口に塩を塗った後焼けた鉄串で引っ掻き回す。

ゲームで倒れた味方に助けるのでは無く死体撃ちをしているような極悪非道な行為を取っている。やめよう死体撃ち。



それに気づいたチルノ達は、咲夜に向かって話しかけた。



「あのね、亮は今風邪なの」


「なので、あまり動かさない方が良いかと……」



上からチルノ、大妖精は亮の体を案じて咲夜の行為を止めさせる。


少なくとも、亮は明日から家なしで(レミリアが引き取ると申し出たが)生活しなければならない自分たちを、彼もこれから大変になるにもかかわらず、たった一回の恩義で引き取ると決めた彼には感謝の意を感じている。


それどころか自分たちには布団をかけて、なにも掛けるものがない彼はソファーで寝た。

結局彼は風邪をひいてしまったが。



そんなことがあり、彼は今、二人に一定以上の評価がある、ついでに言うと、彼が倒れていると家のことが一切できないのだ、さっさと寝かせておかなければならない



「そうですか、なら、少しお待ちください」


そう咲夜は断ると、赤髪の女性が持っている荷物をひったくるように取ると、その中から小さな黒い壺を取り出した。



「この中に入っているのは特別製の万能薬です、起きた時にひと瓶飲ませてください、そうすればすぐに良くなるはずです、ですが、これは後1日しか持ちません、なるべく早くお使いください、……足が早いので」



渡されたチルノはよくわからないと顔に出ているが、隣に立つ大妖精が「はい、わかりました」と返事したことで咲夜は納得して隣の部屋に戻っていった。



さて、チルノと大妖精の二人はまだ鍵を持っていない、スペアキーが一つしかないのもそうだが、亮が「小さな子どもに鍵を渡すと落とされるからな……」と、頭痛でろくに回らない頭を使って親のような考えをだした。


そんな訳で、彼のポケットから鍵を取り出し、家の鍵を開け、チルノは頭を、大妖精は足を持って家に入れる。


彼をベッドに放り投げた後、布団をかけて休ませ、チルノ達はソファーでテレビを見ながらダラダラしていると、突然扉のチャイムが鳴る。



「誰かいますか?」



その声に大妖精が反応した。

大妖精は扉を開けると、相手の顔を見上げた。

大家だ。



「あら、亮君はもう寝たのかしら、これを渡して欲しいの、できる?」



彼女から渡されたものは回覧板だ、二階の一番端の隣にいる亮は、回ってくるのがかなり早いのだ。



しかも今回はかなり重要なことが書いてあるので、必読と回覧板に貼ってある。


大妖精はお礼を言うと回覧板をリビングのテーブルの上に置いた。



そして、6時間経過。


「知っている天井だ……」



夕日が彼の寝ていたベッドに差し込み、彼は目を覚ます。

目を覚ました亮は確か外で気絶したはずだったが、きっとチルノ達や咲夜が運んでくれたのだろうと思い、特に気にしなかった。



先ほどよりも頭痛は収まり、周りを見る余裕もできた、チルノと大妖精はソファーで肩を並べてスヤスヤと寝ていた。その寝顔は少し幸せそうに見えた。



それを見ると同時に彼は腹が減っていることに気がついた、病人が料理を作るのは少し衛生的にはよろしくないのだが、調理できるのは実質彼のみだ。

それを彼は台所のシンク周りに濡れた食器がないことで察した。あの2人のうち、どちらかが料理を作っていたのなら昼食を取っているはずだ。


「まあ、本当は作っていて皿を片付けたのなら話は別だけどね」と、 彼は呟いて思考を中断、料理を作るために行動する。



冷めても温め直せるチャーハンを作ることにした、これなら実家から持ってきたチャーシューも使える、最後に見た賞味期限が正しければ。



そういえば親が風邪で寝込んだ時、妹にこうやってチャーハンを作ったなぁ、と彼は思い出した、優璃だったかな、美佳だったっけ、あれ、確かどちらでもなかった気がする、友達に作ってやったんだっけ?と、思い出しながら、長ネギを慣れた手つきで刻んでいく、冷凍ご飯を電子レンジで温めるのも忘れない。


「そういえば、なんでチルノ達を連れてきたんだっけ」

と、彼は呟いた、実際のところ、彼はあのシーン、最後の触手の攻撃のせいで思考がほぼ停止していた、つまり、あの2人を引き取るという発言は、


完全に後のことを考えていなかった発言であった。


もしかしたらあの二人の姿が妹のように見えたからかな?と、考えながら、温めたフライパンにラードを流し、卵を入れ、半熟くらいでご飯を投入。


フライパンを器用に振り、ご飯と卵をかき混ぜていく。



最後にネギとチャーシュー、冷凍野菜を解凍した物を投入し、盛り付け、出来上がった。




「なるほど、ごみ捨て場の解放時間が変わるのか」



回覧板を見ながらチャーハンを食べている彼は呟いた。

どうやら市のゴミ収集車のルートが変更されたらしく時間が変更されている。

それでも10分くらいしか変わらない。



チャーハンを食べ終わると、急に眠気が襲ってきた。

まだ治りきってないようだ。



とにかく、チルノ達の為のチャーハンをダイニングのテーブルの上に置き、手紙を書いて、また布団の中に戻り、目を瞑る。



なお、彼は机の上の薬瓶に最後まで気がつかなかった。



翌日。



起きてきた亮は寝ぼけたまま顔を洗い、拭いてから机の上にある物を退かそうとして気づいた。

正確にはそれまでそっちを見てはいけないという脅迫概念にとらわれていたのだ。



机の上には昨日のチャーハンの入った大皿二つと、謎の黒い小瓶があった。

しかも、黒い小瓶からは凄まじい黒いオーラが溢れ出ている。

一応、瓶の蓋を開けると黒い液体が入っている。



『よくぞ我の封印を解いてくれた…礼を言うぞ』



突然黒い液体が喋り出したため、反射で瓶を遠ざける。



『先ずは貴様を我の下僕としよう、そしてこの世界を征服してくれるわ!!』



そこまで聞いた瞬間、キッチンへ亮は向かい電子レンジの扉を開けると、中に黒い小瓶を液体ごと入れて扉を閉める。


そして電子レンジの機能、【あたため】を起動する。



『なんだ、ここが我の城か?それにしては狭いが……なんだ?!我の体が……燃えるように熱い!?』



電子レンジのマイクロウェーブが液体の分子を微振動させ、熱を発生させる、電子レンジに入れた猫が破裂して死亡した事件のように、マイクロウェーブは生物のような水分を多く持つものに対して非常に効果的だ。


十分温まったのかあたためが終了する。



そのまだ熱い瓶を持ってトイレに行く。


熱さにやられたのか、液体は何も喋らない。


トイレの便座の蓋を開けた彼は、中身を全て便座に流し、水で洗い流した。



『おのれェェェェェ!!』



彼は完全に流れた後、手を洗い、朝食の準備を始めた。




なお、この後日、京都の下水道で謎のアメーバ状の生命体が発見されたが、彼は

「みんな 疲れたんでしょう」と答えた。







[一人いれば…]


5月某日。



妹の一人、 優璃が電話をかけてきた。



『お兄様、お久しぶりです、優璃です』


これを聞いた瞬間、彼は驚いて受話器を落としそうになった。

それもそのはず、彼女、優璃は出発前にはお兄ちゃんと呼んでいた筈なのに突然変わっているのだ。


因みにこの電話をチルノが取ろうとして抑えて正解だと同時に思うのであった。


「…おい、なんで呼び方が変わっているんだ?」



『そうですか?あの東京都大学ひがしきょうとだいがくに入学されているのですからこのくらいの評価は妥当ではありませんか?』


だとしても、突然敬語になる理由はどこにもないのだが。


とにかく学校でこれこれこういうことがあってどうたらという他愛もない話をしていると。



『そういえばお兄様の学科って、どんな人がいるんですか?』



おそらく、亮がいる学校に恐らく入学したいのだろう。でも多分彼女が入学する頃には大幅に変わっているはずだが。

しかし、ここで教えなければずっと言われ続けるのだろう。



「そうだな……」



彼は異変後、最初に学校へ行ったことを思い出した。



異変解決後の4月中旬。


赤い霧のせいで講義に大幅な変更が生じたため、4月の半ばになってもまだ最初の講義すら終わっていないものも出てしまっているが、それは夏休みを削れば問題なしと判断され、結局放置された。




そんなこんなで、異変後初めて講義に出る当日。



荷物の確認をしている彼にチルノが近づく。


「ねー!なにしてるの?」



あの時の凛々しいチルノは何処へやら、一転して幼児退行してしまった、さらにヤンチャになり、手に負えない程になったが、大妖精のおかげで負担はそれまでと変わらない。



「あぁ、学校だ、チルノと大妖精は留守番な」



それに対してチルノは暴れ始める。



「えぇぇぇ!やだ!チルノも学校行きたい!あっ、姿が見られなきゃいいんでしょう?」



途中でインテリチルノ(仮)が出てくる、これからもこんな調子だときついな、と彼は感じる。



「妖精化すれば、わたしの今の姿を見た人しかその姿は見えないから、その状態でカバンのポケットに入っていればいいでしょ?お願い!」



もう、反論する時間もなかったので、渋々許可した、チルノだけでなく、大妖精もきてしまったが。



「私がこの現代文学評論を担当する大塚弘だ、これからよろしく頼む、先ず最初に今配ったプリントを確認しろ」



大講義室で講義の オリエンテーションを受けている最中、プリントに目を落とすと、6人の男子、もしくは女子のグループが幾つか書いてある。



「その紙に書いてある通り、私の授業はグループ内で討論の後発表という形をとる、従って、この講義を受ける際はこのグループで固まって座ること」



そんな説明をよそに、自分の名前を探す。

だが、男子のグループには一切名前がない。



「それと、残念だが、男子女子端数ができてしまってな、一つだけ混合ができている、今日はこれで講義は殆ど終わりなので、後の時間はグループの顔合わせと交流に使うといい」



そういって早足に帰っていった、講義は投げ捨てるものではない。



そして、恐る恐るプリントの裏側、一番左下のグループを見ると。



下谷亮の字が、あともう一人は男子、あとは全部女子。



「どうしてこうなった」


とりあえず、同じグループのメンバーを探すことに、とにかく同じグループになった以上、友好関係は良好にしなければ、今後の活動に影響し、卒業できなくなるかもしれない。



「おう、お前がハズレくじを引いた同類か?」



隣の席から男性が話しかけてくる。

どうやら《同類》のようだ。



「ああ、そうだ、これからよろしく頼む、俺は下谷亮だ、あんたは?」



「俺は川瀬祐也だ、こちらこそよろしく頼むぜ、それにしてもいきなり貧乏くじ引いちまったな、こっちだ、俺たちの班員が集まってる」



彼の後を追っていくと、四人の女性が話し合っていた。



その内の黒い長い髪をした凛々しい女性がじっとこちらの顔を見て、たった一言放った。



「あなた、死相が出ているわ、気をつけなさい」




「………え、俺?」



今までこんなにあっさりとした死亡宣告があっただろうか、いや、無い。


突然のことに思考が完全に停止している。


言った本人はそれだけ言うと、もう興味がないと言いたいのか、椅子に座って本を読み始めた。



「ねぇねぇ、名前なんていうの?」



呆然としていると、横から150センチくらいの女性が話しかけてくる。



「あ、あぁ、俺の名前は川瀬拓也だ、こっちの呆然としてんのは下谷亮だ」



紹介の仕方に悪意を感じるが、それに気がつかない。



「じゃあ、たっくんとりょーやんだね!私の名前は赤城詩音!よろしくね!」



まるで小学生の少女だ。



詩音の奥にさらに2人女性が椅子に座っている。



「あ、あのー……」



とりあえず声をかけなければと思い、自己紹介をするために呼びかけた。



その瞬間、瓶底メガネをかけた気の弱そうな女性が反応した。



「ひっ!お、男の人!こっ、こっちに来ないでください!!」



その大声のせいで講義室にいる全員がこっちを向く。



そしてその隣にいる女性が。



「ちょっと!優香が怖がっているじゃない!謝りなさいよ!」



その瞬間、亮の思考は停止した。



「おーい、大丈夫か?聞いてないな…こりゃ」





「それで、お兄様、東京都大学はどんなかんじなのですか?」






「そうだな、変人が多いかな?」




「それ遠回しに私も変人っていってませんか?」










[DAY DREAM]


6月のある日。深夜2時。



チルノ達がテレビにハマってしまった為、こんな時間帯になるまで放っておいたらテレビの前で寝てしまった。



結局、一人で二人を寝床に連れて行く。



この日はバイトでいつもとは思えないほど客が来たせいで凄まじい程疲労がたまっている。



そして、布団に横になった瞬間、急に眠気が襲ってきて、結局寝てしまった。



いつもは外すARを耳につけたまま。











街の中の大きな道路を通っている。



人通りは少なく、いや、誰もいない。

近くのコンビニには臨時休業と書かれた張り紙が貼ってある。



普段人で賑わう商店街も、すべての店がシャッターを下ろし、いつもの活気はなく、寒々しい風が吹き抜ける。



それを眺めた後、歩くスピードを速めた。




人のいない商店街を抜け、次に見えてきたのは大きな公園だ。

いつもなら今日のような晴れた日には、レジャーシートを広げて弁当を食べているが、今は誰もいない。


鳥のさえずりも、子どもの騒ぎ声も、ランナーの短い呼吸音も、何もかも……



まるでゴーストタウンに迷い込んだような錯覚を引き起こす。

唯一、人がいるとわかるのは、信号と、家から漏れ出す蛍光灯の光だけ。


公園から離れ、しばらく歩くと、川崎市総合病院。


この付近では最大の大きさを誇る最先端医療の現場でもある。



その病院も、今はライトも切られ、入り口には、コンビニと同じように臨時休業の張り紙が貼ってある。



きっと病院に入院している彼は大丈夫だろうと思い、病院の敷地内から出た。




そこで視界は暗転した。




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次の日。


彼は急に目が覚めた。


夢は目がさめると大抵忘れてしまう。


が、彼は明確に覚えていた。



夢であると決めつけるにはいささか現実味のある夢だった。


彼はどうするか考えた。

この夢をさっぱり忘れるか、それとも…



結果、覚えておくことにした。



もしかしたら、後で必要になるかもしれない。


4月から7月までと言ったな?



あれは嘘だ



次から本編です。


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