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東方秘封活動記  作者: 紅き蠍
第一章 アカイキリ
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第十五話 fell vampire queen

※fell vampire queen

堕ちたヴァンパイアクイーン

引かずに、左手に構えたフレアガンの引き金を丁度ベッドの上をめがけて放つ。



「ッ!!」


至近距離で光を見てしまった為に、視界が白く染まる。

が、真っ白になる直前にベッドの壁側のレミリアの全身にノイズのようなものが走るのが見えた。



「クソが!!」


ベッドが軋む音がしたかと思うと、何かに押し倒される。

その頃には視界も大方戻っていて、後ろ姿だけは捉えた。


着ている、いや、かかっている布は辛うじて服であったとわからない程裂け、破れ、穴が開いている。

色は青っぽいが、所々、赤い斑点が付いている、それが血であるということを理解するのには時間はいらなかった。


まさに【布がかかっただけの】半裸の女性だ。

肌も見える限りでは血色は良くなく、所々壊死していて黒く、また傷だらけだ。


観察しながら、左腕をレミリアの近くに突きつけ、「飲め」と小声で指示する。

しばらくすると鋭い痛みと舐めるような冷たい感覚が腕を支配する。




血を吸わせていたが、そいつは窓辺にいたメリー先輩を吹き飛ばそうと突進をしかけていた。


そいつに向かって逆に突進をしかけて、そいつと共に窓から飛び出す。



「亮君!」



窓ガラスは衝撃で粉々に砕け散り、細かい破片が腕に傷を作る。

そのまま地面に叩きつけられゴロゴロと中庭を転がる。

腕の傷と落ちた時の衝撃で体のすべての部分が痛い、ARが各体の部分がダメージを受けて応答しなくなったことを示すエラーを吐き出し続ける。

だが、問題なく動けることから、ARが故障したようだ。



痛みを堪えながら立ち上がると、道ずれに落としたそいつはこちらを睨みつけてきた。



睨まれることでようやく奴の顔を見ることができた。

顔も醜い。

右半分は焼けただれ、右目は完全に閉ざされていて、左の鼻は何かにそぎ落とされたように存在しない。

頬も目頭も傷がない所は無く、重い熱せられた鉄の塊でもぶつけられない限りあんなに崩れることは無いだろう。



『貴様……我の計画を邪魔するつもりか?!』



耳に届くのではなく、脳に直接送りつけるような声を鳴らしてそいつはいった。



「一応聞いとくが、何でレミリアなんかに化けたんだ?咲夜に化ければ警戒されないまま殺せたのに」



『貴様のような凡人に我の秀逸な計画の何がわかる、貴様のような人間は……』



そいつは右手を天にかざすと、赤い煙が腕を包み込み、そのまま腕ごと一本の赤黒い禍々しい槍となった。



『ここで朽ち果てるがいい!』



槍を下に振るうと、そいつの周りに赤黒い雷のようなものが落ちた。



「ちくしょう……まさかこんなことに巻き込まれるとはな……今年は悪運が誰よりも強そうだ……」



そういって亮は、腕に滴る血を舐め、傷口が閉じたことを確認して、カバメントを構えなおし、スライドを引いた。


ARが応答しなくなったために、一度ARの電源を落としてもう一度電源を入れる。



【AR再起動プログラムを開始

受信部……OK

送信部……OK

視界認識システム……OK

体調管理プログラム……一部損傷あり、修復可能

マイクロコンピューティング……OK


AR、再起動を開始】



その文面と共にARのシステムが次々と起動する。


先ずは牽制も兼ねてマガジン一つ撃ち切る。


放たれた7発の弾丸は奴に真っ直ぐ飛び、命中する寸前で動きを止めた。

一瞬驚いた後、よく見てみると青いバリアのような物が奴の前に現れている。



『無駄だ!貴様の攻撃など我には通用しないわ!』


相変わらず頭に直接響く声で語りかけてくる。

ハンドガンのマガジンを交換しながら考える。

相手の前面にだけバリアが張られているなら後ろに回り込めばいい。


左手を銃から離し、素早く奴の後ろに回り込む。


ガラスの割れるような音を立てて移動し、すぐに振り返って7発。


4発命中。だが、効いた様子はない。



『目に焼き付けよ!これが我の力の一部である!』



奴がそう言った瞬間、全方位に小さな光弾が飛んでくる。が、弾速は遅く、避けやすい。



そうしている間に咲夜がやってきた。


咲夜はナイフをどこからともなく出し、奴に向かって投げ始めるが、バリアによって弾かれる。



「咲夜!後ろに回り込め!挟み撃ちだ!」



聞こえているかわからないが、叫び、マガジンを交換する。


ついでに無理矢理ポケットに差し込んであるP220の残弾を確認する。

あと一発。絶対仕留めきれない。

咲夜のナイフでダメージを与え、トドメに弾丸の方がいいだろう。


偶然落ちていた咲夜のナイフの一本を拾って、背中を見せている奴に向かって投げた。



ナイフは回転しながらも真っ直ぐ飛び、奴の背中に命中した。



『グオッ!?』



怯んだのをチャンスと見て220のスライドを引き、接近して奴の頭に直接2発発砲した。



奴はしばらくすると崩れ落ちて動かなくなった。




「やったか?」



そう口にした。



『……潰す』


その瞬間、呟く声が頭に響く。



『潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰すゥ!』



狂ったように連呼した奴は起き上がると同時に衝撃波を周囲に展開した。

それをモロにくらい、地面を転がる。


何度目かわからない頭痛を抑えながら相手を観察する。

体の周囲に黒いオーラを纏っている。

元の姿が確認できないほどだ。


だが、銀の弾丸はもう無い、ここからは通常の弾丸でなんとかするしかない。



すると、突然俺が落ちてきた二階の執務室から落ちてくる人影を見た。


そいつはレミリアだった、口元は血で汚れ、背中の羽は心なしか大きくなっている。

右手には槍を持っている。形状はどこでも見たことがない液体が集まったような槍だ。



「あら、誰かしら、この変なものを纏っている奴は、私が倒した敵は多いから誰だか忘れたわ。

さて、あんたね、私に病原菌を持つワインを飲ませたのは、ただじゃおかないわよ。


こんなにも月が紅いから、楽しい夜になりそうね」



そう言ってレミリアは右手に持つ槍をおもいっきり奴に向かって投げた。

その槍は普通の人間の少女が投げた速度を軽く超え、奴の胸に突き刺さるように見えた。



しかし、槍はオーラによって弾かれた。凄まじい防御力だ。



「後ろだ!後ろに回り込め!奴は得体の知れないシールドて身を守ってる!」


大声でレミリアに忠告する。


「亮といったかしら?中々使えるじゃない、援護しなさい」



そう言ってレミリアは奴に向かって突撃し、一気に打ち合いになった。

いや、打合いといえるものなのか。 レミリアが一方的に槍で斬り伏せようとしているが、奴はオーラで完全に守りきっている。


レミリアがこのままではらちがあかないと判断したのか、一回下がる。


レミリアに追撃されないよう、奴に向かって3発発砲した。


若干効果あり、どうやらオーラによるガードはスタミナを使ってしまう様だ。


4発撃ってリロードに入ると、レミリアが駆け出して奴に向かって槍を振る。



槍は見事に奴の首元に命中、奴はそのまま力が抜けたように倒れた。


「意外とあっさり終わったわね、協力に感謝するわ」


レミリアが奴の死を確認してこちらに向かってくる。


彼女は槍を振るうと槍はどこかに消えてしまった。


ARも敵性反応消失を確認している、警戒を解いて銃を下ろす。



その瞬間、地響きの様な音が鳴る。



「なんだ?……おい!下がれ!」



突如として奴の死体からどす黒い色をした人間の胴ほどの太さを持つ触手が現れ、レミリアを吹き飛ばそうと襲いかかった。



レミリアは反応できずに、ただ呆然としている。



銃を抜くよりも早く、レミリアに駆け寄り、押し倒し、触手の攻撃からかばう。



触手は腹に直撃し、俺を軽々と吹き飛ばす。

2秒空中に跳ばされ、地面を五回も転がり、ようやく止まった。


________

AR、エラー

各部位からの反応取得不可。

網膜投影システム一部破損。


AR、自己診断プログラム、及び自己修復プログラム起動、システム停止します。

_________


警告表示と共にARが停止していく、立ち上がれない、腹も足も腕も全てが痛む。



朦朧とする視界に、レミリアが触手に捕まり締め上げられているのが見える。

ダメだ、間に合わない、咲夜も最初の衝撃波で気絶している。


この後起こるであろう出来事に目をつぶった。


「亮君!受け取って!」



突然、上から蓮子先輩の声が響く。

手には何か黒い箱状の物が握られている。

それをこっちに向かって投げた。


空中にあるものに焦点を合わせ、確実に掴みとるために精神を集中させる、

それによって体感速度を遅くする。

それは空中で回転し、上の部分にあたるところが光る。



眩しい白銀色の反射光は確実に自分の元に向かうコースを取っている。


あと10メートルというところで何が飛んできているかがわかった。


【銀の弾丸が装填されている】P220のマガジンだ。



それを確認した俺は素早く左側の腰に挟んであるP220を取り出し、空のマガジンを抜き、落とす。



降下してきているマガジンに右手を伸ばす。

マガジンが手に収まるのを確認し、左手に持っているP220に装填する。



スライドストッパーを外し、左手にから右手に持ち替えて構え、奴に向かって照準を合わせる。



そして素早く二連射する。



銃口から放たれた二発の弾丸は、いつの間にか出ていた日の光を反射しながら奴に向かって飛んでいく。



そして、ついに一発、遅れて二発目が奴の胸に命中する。


弾丸は胸に当たると、穴を開け、銃弾は潰れ、内部を無茶苦茶にかき回す。


「■■■■■■■■■■■!?」



もはや人間の声でない音が脳に直接響き、レミリアを拘束していた触手が崩れ落ちると、次第と静かになり、完全に沈黙した。


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