第91話・65歳のプリマバレリーナ
いつも見ている新聞の下部にはいつものごとく、週刊誌の見出し記事などが掲載される。普段はスッとばすが、65歳のプリマドンナ、という見出しがあって思わず手がとまった。
「65歳のプリマ! 」、
えーと、はて、どこのどなたでしたっけ……?
そんな人いたっけ…?
(ちなみにその雑誌は週間ポスト・普段読まない雑誌。平成25年1月13日現在での話です)
私は週刊誌のもくろみに見事にはまり、すぐにコンビニに行って買いに走りました。
65歳のプリマドンナは藤田紀子さんでした。私は普段テレビを見ないので誰が誰かは知りませんが実家母に言わせると女優さん、タレントさん、横綱のおかみさん、30歳年下の俳優さんと恋愛したりといういくつもの顔を持つ華やかなお人でした。
そういえばどこかで見たお顔でした。
バレエのポーズはY字バランス、スプリッツ等。
アラベスクとかポワントなし。
レオタードにバレエタイツ、黒の巻きスカートの定番レッスンファッション。ヘンにチュチュ着ないで普段通りのお顔を出されたのだろう、大好感のもてるショットでした。
さすが女優さんで身体のメンテナンスも怠りなかったのだろう。ぱっとみたら40代でも十分通じる容姿で、身なりにかまわない私の方が老けてみえるかも…。
偉いわ…思わずため息をつく私。
確かにそうですよね。毎日華やかな世界に身を置いてもバレエをしている限り、ちゃんと両手でバーをもって身体をほぐすことからはじめて、センターレッスン、曜日によってはポワントレッスンへとすすむ。
どういう立場の人であってもこれは基本中の基本で変わることは決してない。
さて、女優さんって漢字の通りに読むとまさに「女が優れる=女優」なんです。
バレエ界? 出身の女優さんでは草刈民代さんや神田うのさんが有名ですけど、この人は知らなかった。でもこのままグラビアで出続けてほしいです。私のような少し年下の世代から見てすごく励みになりますので。
このグラビアを撮った場所は一体どこでしょう?
とても雰囲気がよく、木の床が踊りやすそう、ここでストレッチするのが気持ちよさそう! と思いました。バーの取り付けなどなかったので撮影用の場所でしょうけど。ここでゆっくりアントルラセやバランセ、グランワルツなどの練習が毎日できれば上手になれそうだな。こういうところに住みたいなと思いました。
ちなみに60代でのバレエレッスンでの知り合いも顔見知り程度ですが若干います。とてもすてきな人たち! (1名だけですけどすごい意地悪な人いますけど、そんなの無視無視! 腹立っていますけどもう…ね、 彼女の引退を待っているわ! )
そして70代も1名いるんですよ。
先年ずっと励ましてくれたご主人を亡くされ、発表会を見に来てくれるひともいなくなったし、もうやめますとおっしゃられたときは私たち先生と一緒になって引きとめました。だってやさしくってバレエが大好きでいい人なんだもん!! 顔みないでいるとどうしたんだろって心配になるくらい。
ほんと、一生一緒にバレエレッスンを続けましょって!!
藤田紀子さんもどうかこのままレッスンを続けて、今度は75歳、85歳、95歳! とずっとグラビアを飾ってほしいと思いました。




