第68話・狭い教室と広い教室
狭くて踊りにくい教室でレッスンを受けたことがあります。
某オープンレッスンでしたが、ものすごいぎゅーぎゅー詰め! なので記憶に残っている。最初の最初から大変だった。着替える部屋の前にはくつがびっしり。ロッカーはまあとれたけど。
レッスン前は誰だってトイレ行きたい…で長蛇の列。
いくら人気のある先生でもこれはちょっと、あんまりだ。さっさと思い切って帰るかその先生のレッスンは見学に徹したらよかったのだが、すでにお金も払ってしまったし、受付に申し出るのも着替えてからだともう面倒だし、もし返金で嫌な顔されたら今後はもっと行きづらくなっちゃうし。というわけでそのままレッスン場にGO.
レッスン前から思う通りに柔軟もできないし、先に並んで先生のいるだろう音響の場にはすでに古参? らしき生徒さんが待機中。これはもう順番だからね、仕方ないや。
でも案の定先生が出てこられてお手本を見せられても見えない…全く見えない。私は何のために来たんだろう? そう思いつつバーを順番にこなしていったのだけど先生も生徒が多すぎてこっちの方にはみまわれない。
グランバットマンはさすがに2回に分けたけどそれでも狭い。あれは3回ぐらいに分けるべきだったと思う。それぐらいぎゅーぎゅーだったのです。
センターも前の方は慣れている人がさっと場をとったけれど、不慣れな人は並ぶのもばらんばらんでごちゃごちゃ。
私もその先生がはじめてだったので大体何列に分ける人か、自分で場所をとるべき人か、先生の指示を受けずに場をとっていいやらわからずまごまごしていました。何とか3列目ぐらいとりましたけどセンターもわからない。(超初心者らしき人達は後ろに下げられたバーにかたまってしまっていた)
前に陣取った人は、後ろの生徒さんにも見えるように先生のお手本や説明中は「配慮」 するのが当たり前だと思うがそこは前の人は遠慮なく先生のふりつけをついていってもいいらしく全然見えない。
古参の前の人をさけつつ、首を左右にふりつつ先生の踊りを見ようとする後ろの生徒達。私はもう途中でイヤになって放棄したくなった。
先生は著名な人だから人が押し寄せるから仕方ないが、こういう芋の子洗い状態でレッスンなんかまともに受けたことにならない。
がっかりしたことはいうまでもない。
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逆の場合も遭遇したことがある。どういうわけか生徒が超少なく、ヒトケタだった。当然レッスン場は広々。
バーも後ろや前の人に気づかいなく足をあげられる。いやさ、私は超短い大根タイプの足だがやはり解放感アリで踊れるのってうれしいのものです。
思い切り踊れてうれしい反面、先生の視線とまともにぶつかりちゃんと踊れるかな、と冷汗をかく。
「ちゃんとバッチュもきちんと入れて」
「今度は裏返しで踊る」
練習する間もなく音楽が鳴る。
左足前今間違えた、
足反対に置いた、
手も反対にあげた。
後ろに行かなきゃ受けないのに前にすすんでしまった、とか。
瞬時に脳裏に己のミスを4つ5つもあげてしまう私。
先生のコメント皆無で「さ次行きましょか」 であせりつつ踊る。
せ、せんせ、足をもつれさせつつ、いちおーおどりましたが目をそらされましよね? 私の踊り見たくなかったですか? それとも一応見たけどコメントのしようがないぐらいひどい踊りぶりだったのでしょーか…? たぶんそのどれかでこの仕打ちになったのでしょう。
人数少ないのに私だけコメントなしだと落ち込みます。
それでもその時は格別に上手な人がいらしてその人を勝手にお手本にしつつこなしましたが、最後のレヴェランスで先生にあいさつしたときの達成感は半端なかった。きっと先生とマンツーマンの個人レッスンも充実してたらこうなんだろうと思います。
でもこういうのは本当に運、です。
たくさん人がいてもレッスンが気持ちよく踊れる時もあるし、まあこっちの体調も多少関与していると思う。
でも充実度が高い確率が多いのもバレエレッスン。だからこそハマル人が続出する。本当に深みにはまった人は毎日レッスンをうけないとかえって体調が悪くなるという。いわゆるバレエレッスン中毒ですね。
身体によいことは確かだがバレエにはまりすぎると、お金もなくなる…知人はは発表会にもはまり、なんと別々の教室とかけもちで出た。上には上がいます。すごいですね。




