第6話・オーラの話
某バレエ教室で他のクラスのレッスンを見たとする。
もしくは某バレエ教室の発表会で普段めったに会えない友人たちの踊りを観たとする。
こういうのは1人で踊らない。たいてい10人以上同時に同じ踊りをする群舞だ。で、見学しているとどうも1人の生徒もしくは出演者に目がいくことがある。みんな同じ踊りをしていて彼女(もしくは彼)はどうみても主役ではない。
でも同じ振りで踊っている中、目を追ってしまうのだ。美人とか女性陣の中の男性一人という理由もあったりするときもある。だが今回はそうでない場合の話しです。
なぜだろうと思っているが…、以下の文章、これは私の全くの個人的な感想です。
あるとき突然私の脳裏に「わかった、オーラだ! 」とひらめいた。
「オーラ」
何となく目を追ってしまう人って、彼女(彼)に独特のオーラがあるんだって納得することがありました。そう、オーラを持っていたのです。これは万人がそう感じるものではないので説明が微妙ではある。その上、あまり声高にいうと確実に変人扱いされるでしょう。だからここで匿名の状態でしかいえないです。
これがそうですとはいえないし、はっきりしたことも誰もいえないでしょう。だけど「オーラ」としかいえない。
まったく同じ踊りでレベルも一緒。容姿も特に際立っていない。なのに、ついつい彼女(彼)の踊りを見つめてしまう。
もちろん上手な人は上手なオーラがある。主役の人は主役のオーラ。
だがそういいきれないこともあるのがとても不思議。ただ私だけかな、と思っていたら翌年の発表会には先生もわかってきたのか、ど真ん中で踊らせていた。もちろんぐっと上手になって上手のオーラも加わってもっともっと目をひく存在になっていたのだ。
その気になる彼女、今度は子供ばっかりの発表会でミニ2幕ものだけど主役をやるらしいから(実はまだ小学生です。)楽しみにしている。でもレッスンの行き帰りではごくごく普通の学生さんでオーラが全くない。
レッスンでもそんなに目立たない。なのに発表会ではこの差。勝負に強い性質なのかなあ???
今の時点ではよくわからないが、まだまだ先が長いので私は彼女にひそかに注目しているのだ。
オーラの話しだがオーラがまったくないのに、一緒にレッスン場で踊っているうちにあれ? この人すごい、キレイ、光ってるよ! と思ってびっくりしたことがある。どちらかというと目立たない容貌、容姿なのに、ポワントをはいているうちになんというか王女みたいな風格が出てきて、すごいすごい、と思えてくるのだ。
もちろん上手なことは上手なんだが、このぐらい上手な人はいくらだっているさ、のレベルの上手さ。なのに、目をついつい追ってしまうこの不思議。
この人の踊りが好き、というわけではない。だからその人のオーラが私のとがあっているのか? 相性っていうのかな?
今回は万民向きの話しではないので、このあたりで話を終えましょう。
こういう話はあまり声高にいうと確実に変人扱いされるということです。