第40話・ポワント修行
ああ、ポワント。悩みの種のポワント。
小さい時は足があってないのに、ポワント履いて踊っていました。無理やり。
ポワントは先生に足のサイズを報告して買ってきてもらうというものだと思っていたから、フィッティングという言葉も知らなかった。
その状態で怖いという感情もなく平気でピルエットも回ってた。そして足の指の皮をしゅっちゅう、はがしていた。痛かったですよ。でもまわりのお友達もみんな足の指の皮がめくれていた。
小指の爪がない子もいた。それで普通だとおもっていた。
めくれたところにバンドエイド(カットバンのこと)をはってがんばって踊っていた。脱脂綿も使ったら楽なのでみなで分け合ったりした。当時の脱脂綿って1回分ずつのパッケージとかなくて大きな袋入りしかなかったから、薬屋さんに買いに行く。今みたいにゼリー状の楽なトウパッドは存在していなかったです。(小さいピンクの布でできたのだったら昔からチャコットで売っていた。今も売っている。懐かしいですね)
ポワントのフィッティング、大人になってから行きました。某チャコットへGO.いつも履いている足のサイズを告げるとまずはベロネーゼを出す。
あ、これこれ、小さいころに先生が買ってきたやつだわー…素直にそれをはくと店員さんはこれでいけますね、という。
「他のブランドも試してみたい」と思いましたが、それしか出してくれない。そこにスワンやアロンジェもあるのに、どうしてだろうか? 私が大人だからか?
もっと出して、といいたかったが、彼女は後から来た親子の接客にいった。勝手に他のポワントを出して試着もできず、結局買わずじまいでやめた。わざわざ行ったのに…。がっくりしつつ帰宅。(多分すぐやめてしまいそうな大人バレエの初心者に見えたのだろうと思う。それよりは親付きで小さい子供のポワント売ったほうがあとあとサイズの買い替えとかもあるし、いいお客さんになるからであろう…)
でも私は今では子供ではないし、ネットという強い武器がある。
グリシコ、メルレ、アビニョン、レペットなんだって購入できる!
試着もできないうえに、送料がもったいないけど、ネット通販でいろいろためしました。実は今でもこれとは決めてない。お試しポワント巡業は永遠に続くと思われる。
先に一種類しかも自社ブランドしか試着させてくれなかったチャコットだが友人に聞いてみるとそれは悪い店員にあたったという。(丁寧な接客でポワント事情に超明るい良い店員さんもいるらしい) 予約してからいけば指名も可能だという。最初からそうすりゃよかったが、仕事の都合もあるしそうそういけないし、というわけでそのままだです。
そして数年…インターバルが長いとはいえ。産後バレエでまたまた再開。でも年を経てもなお踊っていくうちに足が窮屈で痛くなる私。
思い切ってポワント専門に教えていただいている先生に相談しました。
するとその先生はおっしゃった。
「あなたは、見ていると一見足は高くあがっているけどね…あがっているようにみえているだけで実は膝が全部曲がっている。自分でわかってないだけね。それが1つ。
それとね、バーレッスンの時でもちゃんと足指立ててないよ、それが2つめかな。体重? そんなの関係ないです。その2つをクリアすればポワントなんか何時間履いていても平気なはずよ」
貴重なご忠告をいただきました。
そんな大事なこと言われたことない。私が聞くまで教えてくださらなかった。傷付くと思われたのかな? よくぞ言ってくださった。だけどそのアドバイスは基礎の中の基礎…それができてないっちゅうことね。
でもやっぱり、ちょっと傷付いて絶句していると先生はやさしく「あなたは基礎は一応できているのよ…だからもっとできるようになる、がんばってね」とおっしゃいました。
帰りの道中、ため息をつきながら歩く私。どうすりゃいいんだ…私の目指すものは一体何だろう。万年生徒、出来が悪いけど永遠に生徒。
でもこれでもバレエの神様に一応は招待されているんだろう。それでなきゃ、バレエにこんなにのめりこむことはない。そう自分で自分をなぐさめています。




