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第38話・おうちでレッスン

 雑誌クララなんかでみると時折私のお部屋紹介みたいなコーナーで、自分だけのレッスン室を持っておられるお嬢様がでてくる。いいな、お金持ちで。

 踊れるスペースがあって、バーもちゃんとある。さぞや上手になるであろう。いいな、お金持ちで(←しつこい)


 だがあこがれはしても私の場合、1人ではレッスンできない。一応ストレッチだけは毎日してはいるが、いざ踊る段にはやはり1人ではレッスンできない。今週できなかったアレグロ、がんばろと思ってはいても家に帰るとさらに忘れて踊るどころか、あ、もういいや。来週がんばろっと思う始末。そういう怠け者気質が上手になれない所以だろう。

 けどこれではいけないと奮起して去年、廊下にバレエ専用の床を買ったのです。シート状。TMフロアとかいうもの。それの最小単位を購入。ただし、フロア用の粘着シートとかは買わなかった。だって、家が狭いため敷きっぱなしと言うわけにはいかないから。

 そ、バレエのストレッチやポーズ確認のために購入したけど、使うときだけシートを広げて使い終わったらシートをまるめて部屋の隅にたてておくのです。

 そしたらまあこれが同居の彼に不評で…。シートがきちんと丸められないため変に広がりつまずきそうになる。シートを広げるときにどうしても近くの壁やふすまをこするため、傷がつく。実際このこすれはこのシートを買ってからこうなった。買う前にはこんな傷はなかった! とかいう。

 彼がすごい怒ったのでケンカになった。売り言葉に書い言葉で「じゃ、もっと大きい家を買って! この家狭すぎる!」 と私。

 彼が言うには美容と健康のため趣味と実技を兼ねてバレエが好きなのは理解できるが、家をこわしてまで(私はこわしてない、知らずにふすまをこすってしまっただけ)1人でドタンバタンとしたいものか? だ。

 等身大を映してくれる鏡も正直すぎて足を高く映してくれないし…。

 私、キレイ? って自信たっぷりと鏡にも聞けないし…。 

 (白雪姫の継母って偉いと思います。)

 

 バレエレッスン室つきの豪邸に住まわせてくれる旦那さんと結婚したかったけど、相手間違えたかもしれません…いや、他力本願はだめですね。

 でも金運がないのは確かなので仕事、がんばります。






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