第32話・発表会の費用
おけいこ事、特に舞踊系には発表会というものがついてまわります。
ということは月謝とは別の金額が発生してきます。今回はちょっとあけすけにお金の話をします。いいよね? 普段こういうことをしゃべるとはしたないという雰囲気ですが。ちょっと親しい人とひそひそ話をするくらいですね。お金の話になると…。
でも、バレエに限らず何事でもおけいこ事はお金がかかります。「おけいこ事はお金がかからないものはない」 と割り切ったほうがいいです。というのは日本だけの慣習と言うか不透明なことが本当に多いので。
それが嫌だったら最初からおけいこ事はしないと決めるか、テレビかどこかのDVDを買って独学で習得するか、ですね。それかどこかの公民館でバレエを習う。週1回で月謝が2000円と言うバレエ教室もあるらしいし。そういうのが一番お安いですよ。
私もまたバレエの発表会で小さいころはわからなかったけど、大人バレエでもこれってなんかヘンじゃないかと思うこともありました。でもよほどのことがない限り言わないのがマナーというのもあります。
バレエでお金がかかるというイメージは実はこの発表会でこれ納得いかない金額だ、これも払わないといけないのか! という皆さんの思いが広まったものだといっても過言ではないと思う。そしてそう思った人は少なくない。だから広まった。そのスパイラルでバレエってお金かかるんでしょ? バレエやってるってお金持ちなんですね? というイメージが定着してしまったと思う。
もちろん発表会に出たら金銭的なことを除けば、いいことずくめだ。それはもう断言できる。
ハレとケという言葉がありますが、普段は基礎固めのためにバーやセンターで地道にレッスンする。だけど発表会に出ると決めた途端にレッスン以外の努力が必要になってくるのだ。皆にみていただくためにはより上手にならないと恥ずかしい、できるだけきれいに踊る自分を見てもらいたい、そういう原動力もあって発表会に出ると決めたらより上手になっていくのだ、みんなが。
だから舞台に出るチャンスがあるならば、出ないよりは出たほうがいいと思うのだ。
さて、実地に出ると決めたとしよう。
先生から申込書と申込金が提示される。この時点ではまだそんなに高いことは言われない。まあそんなものだろうという金額だ。
発表会の日が近付くにつれて実は貸衣装代やレッスン日以外の振り付けの日や練習の日が提示され、先生がレッスン日以外にも振り付けに時間をとってくださったから、と御礼の意味を兼ねてお金を渡す。
あとだしあとだし、でお金が取られていくのもあるし、男性ダンサーを呼んだ場合一緒に踊らなくともみんなで頭割でお金を出すというので、彼の交通費、遠方なら宿泊費、当日の御礼(持ち上げ料? という意味合いからパートナーの生徒もしくはその親がお金を全額出す場合もある。相手が有る程度名の通ったソリストだと当然高価だ。) も支払い請求がくる。
発表会が終わったら終わったで先生のねぎらいの意味をこめて御礼をまたまた徴収されたりもする。
忘れてはならないのがチケットの割り当て。1人20枚とか、私のところはそうだった。知り合いは誰でも知っているホールで公演したので、チケット代が高く1人20万円の割り当てがきたそうだ。みんなバレエを観客としてチケット代を払ってまで見てくれる知り合いに顔がひろいわけでもない。
彼女も来ていただけるなら、と無料でチケットを譲り、自腹をきったそうだ。
発表会に出る人も出ない人も、パンフレットを作成するために広告料をとってくるか、自分で払うかのところもある。これも最低2,3万円から、とかある。らしい。(これはまた聞きです)
バレエ教室によって多少の違いは当然あるものの、大体似たり寄ったりではないだろうか。
やっぱり動けばお金がかかるもんです。そういうもの、と割り切らないと何もできない。
生徒は、出演依頼がくるわけない、出させていただくために先生の時間を買って指導していただいているのです。慣習もでてくるのも仕方のないことなのかもしれない。明朗会計じゃないし…。
お金がないと苦しいので発表会貯金とかパートしたりする人もいるのもよくわかる。現に私だってそうです。まあ仕方ないですね。




