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第28話・テーマパークのダンサー

 今のチャコット。どこの店舗も改装を何度もして本当に洗練された店内になっていますね。

 昔のチャコット某店。親に手をひかれて連れられていくチャコット。狭くて商品がぎゅーぎゅー詰めの店内。客が何組もいるとかわいいマネキンも邪魔になるくらいせまい。そして狭い階段。

 この状態を知っている人はどんなに若づくりしたってもう確実にオバサン。(私も、です。そのくらい昔の話)


 その階段の途中によく張り紙がしてあった。のを覚えていらっしゃいますか? 発表会や生徒募集のちらしが常時張ってありましたね。

 その中でいわゆるテーマパークのダンサーも募集してあったと記憶しています。


 どうして今回そんな話から? と思われた方。

 私は若い時に「落ちてもいいから1回ぐらい応募しておけばよかったなー」って今になってとても後悔しているからです。

 TDLやUSJなど、他地方のテーマパークでもパレードはお約束。パレード、見ているだけで楽しいもの。パレードの音楽も必ずうきうきしてくる楽しい曲ばかり!

 それにあわせて踊る。沿道に集うゲストさんたちに笑顔で手をふる。ああ、いいなあ! やってみたいなあ。若い時はそんなことを思わなかった。年齢制限にひっかかる今、思うのだ。だが今ダンサーになりたいっていってもパレードのキャストさん達、どうみても20代前半ぐらい! 年取るのってイヤですね。可能性がだんだんせばまってくる。

 愚痴はこのへんにして、先日も子連れで行きました。子供が大好きなパレード、振り付けなどは基本的にはあまり変わってはいない。ダンサーはかぶりものをしている人は顔がわからないが背の高い人がおおいような。顔をさらしているダンサーたちはにこにこ笑顔で踊る合間にゲストに手をふってくれる。写真撮影もOK! 

 夜のパレードは暗いので電飾ビカビカのお衣装だ。頭も体もどうかすると靴にまで電飾付き。綺麗だけどアレ、重いだろうなあ。重労働ですね、きっと。


 人づてに聞いた話。パレードの振り付けや着ぐるみのダンスの稽古はお仕事になるので結構きついらしいです。ゲスト(客のこと)の前に出させてもらうまではただひたすら練習。キャラクターやテーマパークのイメージを損ねるのは絶対にご法度。特にぬいぐるみは子供たちの夢をこわしてはならない。手の振り方や感情の表し方、みんな事細かく決められているそうです。その厳しさにせっかく合格しても落後者も多いとか。

 無事パークに出れてゲストたちとの触れ合いをお仕事として楽しめるかというと、そうでもなく暑いときはすごく暑いし、でも倒れるわけにはいかないし。着ぐるみへのいたずらや喧嘩をしかけたり噴水や川、湖の中につきおとそうとされたりはしょっちゅうあるとか。(一応はカメラやキャストがさりげなく見張っていたりはするらしい) 小さい子供ならいいけれど、突っ込むゲストに対して怒らずにまた怒らせずにおどけてかわしたりするのも結構技術がいるしとんでもない重労働になるとか。聞くだけでも疲れる話でしたよー。

 どの仕事も楽なものってないですね。

 みてるのが一番いいのかも。

 でもパレードって1回はしてみたかったなあ…しみじみと思う秋の夜更け。



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