新たなる好きとの邂逅2
「僕をあなたのクランに入れもらえませんか?」
「へ?」
「やはりだめですか」
「いや別に入れないとは言ってないけど。てか、いつから俺の後ろにいた?全然気がつかなかったんだけど」
「冒険者ギルドでランダムスクロースゲットチャレンジのことを話し終わった後くらいですかね」
「まじか、結構な時間後ろにいたのに気がつかなかったのか。シーフの専用スキルか?」
「確かに僕はシーフですがスキルは使っていません。普通に自力で気配を消していただけです」
「スキル使わないであんなに気配を消せるのかすごいな」
「いえ、スキル使うのは甘えだと思っているので」
「じゃあこんな路地裏っぽい場所だけど確認したいことを聞いてくな」
「はい」
「まずはじめに俺のクランのことは広場の掲示板で知ったのか?」
「それもありますが、ネット掲示板を見て内情とかも少し知ってます」
「それでよく俺のクランに入ろうと思ったな」
「?皆さんが好きなことをしているだけですし別に敬遠する意味が分かりませんけど」
「じゃあシノのこともなんとも思ってないのか?まぁあれはその場で目撃しないとやばさがわかないからな」
「そうですね。ネットの情報だけでは別になんとも思いませんでしたね」
「まぁそこらへんは合格点かな。じゃあ次は名前とジョブは?」
「名前はカクレです。ジョブはシーフです」
「おーけーカクレね。次は何でそのジョブにしたんだ?」
「えっと、僕は他のゲームでも暗殺を得意としているというか暗殺が好きでできそうだとついついやってしまうんですよね」
「な、なるほど次聞こうとしてたことをもう言われたな。他のゲームだとやっぱfpsとかか?」
「はい。基本はそうですね。とあるゲームでは音のない死神なんて名前で呼ばれていましたね」
「まじか。デスアイランドだよなその呼ばれ方してたの」
「そうですがカニヨシさんもやってたんですか」
「あぁ俺は必中必殺の殺人鬼って呼ばれてたかな」
「あれってあなたでしたか。ずっと動き回ってたから狙えなかったんですよね」
「あの時はとりあえず倒すことしか考えてなかったからなって、今はそんなことはいいんだとりあえず合格かな」
「ありがとうございます!あ、そうだ。あなたがデスアイランド出身ならまた後日僕の友人をクランに誘ってもいいですか?」
「だれだ?」
「最凶の罠使い(トラッパー)です」
「マジか。お前あいつと知り合いなのかよ。どうりで一時期あったイベントでのタッグ戦で息ぴったりだったのかよ。あのイベントの時世紀末て言われてたの懐かしいな」
「そうですね。動いていたら罠か殺人鬼に会い、潜んでいたらいつの間にか暗殺されているっていうやつですね。あの時はネットの騒ぎようはすごかったですね。神ゲーがクソゲーに成り代わる瞬間って」
「な、俺らは楽しかったからなんとも思わなかったけどな。てかあいつが友人ならシノにやばさを感じないのは納得だな。あいつも結構狂っているからな」
「そうですね。あれを間近で見てるので感覚がおかしくなってるなって少しは思います」
「少しって時点でもうおかしくなってるな」
「そうですかね」
「あれを間近で見といて少ししか感じないのは普通じゃない」
「シノさんがどれほどなのか見てみたいですね」
「じゃあ呼ぶか。いまオンライン中だし。俺もさっきゲットしたスキル試してみたいし」
「そうしますか」