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夢の中でドラゴンに「ギャルのパンティおくれーーーーっ!!!!!」と願ったらギャルごと付いてきた  作者: 九傷


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もう一つの可能性



「ほぅ? 貴様、今ので理解したのか。意外と察しがいいな?」



 ゴッちんは大物ぶった反応をするが、この程度であれば日本男児の多くが察することができるだろう。

 しかし、ゴッちんはこの発想をどこで得たのだろうか?

 無論自ら答えに辿り着いたという可能性はあるが、夢幻界の成り立ちを考えるとそうではない可能性の方が高い気がする。



「え? えぇぇ~? ね、ねぇねぇ龍ちん、どういうことなの~?」



 ダー子はそういった知見を得ていないのか、全く思い当たらないようである。

 やはり神との差ということなのだろうか?

 ……いやしかし、ダー子なら知らなくても不思議じゃない気はする。



「これはとある世界の話だが、その世界の神の座につくには一つの条件をクリアする必要があったのだ」


「一つの条件?」


「ああ。それを教える前に一つ確認するが、ダー子は何か(よこしま)な感情や思想を持っていたりするか?」


「え、えぇ~? なんでそんなこと聞くの?」


「大事なことなんだ」



 別に嘘ではないので真摯な目で訴えかける。

 ドラゴンと人間とでは邪という概念が異なる可能性も高いが、それはそれで気になるところだ。



「う~ん……、あーしってホラ、一応ダークドラゴンだから~、存在的にどっちかってゆーと邪な考えの方が多かったり~?」


「たとえば?」


「えっと~、サボりたいとか、ずっと寝てたい……、とか?」


「つまり怠惰か。他には?」


「他……っ! えっと、たとえば、その、ア、アレとか……」



 ダー子が言いづらそうにモジモジしながら顔を赤くする。

 実にわかりやすい。



「つまり色欲、エロイことか」


「そ、そうだけど~、これはそもそも全部龍ちんのせいなんだからねぇ~!?」


「それは、俺がエロイことばかり考えているから、感化されたと言いたいのか?」


「そうだよ~! だってあーし、夢幻界にいたときはこんな、その……、アレなことなんて、ほとんど考えなかったんだよ~?」


「存在そのものがエロスでできているようなダー子が言っても説得力ないぞ」


「そ、存在そのものがエロス~!?」



 先程のダー子の発言から生まれた推論だが、ダー子達のこっちの世界での姿は、恐らく自身の性質を色濃く引き継いでいるのだと思われる。

 そしてダー子はドラゴンのくせに、アレなことはほとんど(・・・・)考えなかったと言った。

 つまり、少しは考えていたと白状したようなものである。

 恐らく生殖機能のないと思われるドラゴンがそんなことを考えるというのは、元々そういう素質があったからと思って間違いないだろう(断定)。



「そ、そんなことないよ~! ほ、本当に少ししか考えたことなくって! す、少しならゴッちんだって考えたことあるでしょ~?」


「そ、そこで我にふるな! ノーコメントだ!」



 幼女とエロかわギャルが戯れているというのは、中々に趣が深いな。

 このままずっと見ていたいところだが、昼休みの時間は短いので話を戻すとしよう。



「少し話が逸れてしまったが、本題に戻ろう。その神になる条件とは、言ってしまえば善良な心であることだったのだ」


「え~、なんか普通だね~?」


「そう、当たり前と言えば当たり前の話だ。しかし、ダー子やゴッちんのようなドラゴンですら邪な心があるように――」


「待て! 我にはそんなもの――むぐぅ!?」



 面倒なので、俺のソーセージを口に突っ込んで黙らせる。



「話の腰を折るな。まあ誰にだって少なからず邪な心や悪癖があるのが普通だが、それを完全に無くすことは難しいと思わないか?」


「あ~、それは厳しいかも~。あーしは多分無理かな~」


「もちろん俺も無理だ。そしてその世界の神の座を目指した男もまた、同じ壁にぶち当たった。……しかし、その男は最終的に神の座に着くことができたのだ。その方法が――」


「あ、なる~、ゴッちんは良いゴッちんと悪いゴッちんに分かれたんだ~」



 ダー子が急に「アッナル~」、などと言い出したので少し焦る。

 まさか、「ヤッハロ~」と同種の新手の挨拶かと一瞬思ったが、会話の流れから考えれば「なる~」は成程のことなのだろう。

 少なくとも俺の周囲に成程のことを「なる~」などと言う者はほぼないため、恐らく古い言い回しかスラングのようなものだと思われる。

 ダー子のギャル語は新旧入り混じったものが多いので、恐らくは前者か?



「そういうことだ。恐らくアナルゴッちんもその神と同様、自分の悪い部分を切り離したのだろう」


「ちょっと待て貴様!? アナルゴッちんってなんだ!? それにさっきも言おうとしたが、我に悪い部分など――」


「まあ、見てもわかる通り人畜無害なので、実際悪い部分などあまりなかったのだろう。ただ、元々のゴッちんはもう少し落ち着いていたのに比べ、今はこの通りのチンチクリンだし、若干だが口も悪くなっている」


「チンチクリン言うな! ……って、何ぃ!? 我、口悪くなってるのか!?」


「自分でも気づいていなかったのか? 少なくとも夢幻界のゴッちんは俺のことを「お前」と呼んでいたが、今は「貴様」になっているだろう」


「っ!?」



 まあ、近年ではお前呼ばわりされたからという理由で会社を辞める新人がいたという事例もあったし、人によっては同じくらいのニュアンスに感じるかもしれないが、現代のイメージ的には貴様呼ばわりの方が悪意を強く感じる者が多いと思われる。

 ただ、貴様という言葉も元々は目上の人に対して用いられていたことを考えると、なんとも微妙なラインだ。


 つまり、ゴッちんの悪い部分というのは所詮その程度ということで、これくらいであればむしろ可愛いに転じてしまうレベルである。

 ……いや待てよ?

 幼児性と口の悪さ、そして色欲などを切り離したのであれば、それはもうメスガキなのではないだろうか?

 文学少女(の黒タイツ)を注文したのにメスガキが現れたというのには若干詐欺感を覚えるが、これはこれで楽しめそうだぞ……?








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[一言] メスガキわからせキターーー!!!!(大歓喜)
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