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みんなの愛らぶyou(仮)  作者: 三愛 紫月
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約束を叶える[栞の視点]

家に送ってくれた麻美は、車から降りないまま帰ってしまった。


家に入る。


(るい)と過ごしたままの状態だった。


僕は、麻美を傷つけてしまったよね。


そうだ、忘れていた。


僕は、(ひかる)さんにもらった手紙を開いた。


この番号にかけろって事か、僕はスマホを取り出して電話をかける


『はい、誰ですか?』


「僕、藤堂栞(とうどうしおり)といいます。るかさんの知り合いなのですが…。」


『るかのですか?最近、会えてなくて』


「お話したい事が、あります。お会いできませんか?」


『構いませんよ。今日は、星の浜にいるのですか…。こられますか?』


「今からでも大丈夫でしょうか?」


『構いませんよ。夕方まで、こっちで仕事していますから』


「では、後で」


『はい、お待ちしています』


僕は、電話を切った。


家を出て、駅まで歩く。


タクシーに乗り込んだ。


僕は、星の浜にやってきた。


月の浜と星の浜の二つがあり、星の浜の海辺が一番綺麗だ。


スケッチブックもってこればよかった。


ってか、どんな服装か聞くべきだったよね。


僕は、電話を鳴らした。


『はい』


「あの、ついたのですが…」


『どこにいますか?』


「あっ、わかりました。」


電話をしてる人が、見えた。


僕は、その人に近づいていく。


「初めまして、藤堂栞(とうどうしおり)です。」


「初めまして、坂月伊吹(さきづきいぶき)です。」


そう言って、名刺を渡してくれた。


「写真家さん、なんですか?」


「そうですね。藤堂さんは?」


「絵を()いています。」


「そうなんですね。」


そう言って、坂月(さきづき)さんは笑った。


「るか君は、坂月(さきづき)さんと過ごせて、楽しかったと言っていました。後、(るい)と仲良くなって欲しいと言っていました。それと、この手紙を預かりました。」


手紙を書くから、渡して欲しいとメッセージに入っていた。


「ありがとう」


確かに、華に合いそうな気がする。


坂月(さきづき)さんは、るか君からの手紙を読んでいる。


「フフッ、藤堂さん、るからしい手紙を届けてくれてありがとう」


「よかったです。」


「夕方には、終わらせます」


「どういう意味でしょうか?」


美咲華(みさきはな)さんに会いに行ってみて欲しいと書いてありました。せっかく、藤堂さんが来てくれたので、本日行こうと思いまして」


そう言って、坂月(さきづき)さんはニコニコ笑った。


「あの、華は男ですよ。」


坂月(さきづき)さんは、笑った。


「そのような器に、何か意味がありますか?」


僕は、るか君の言った意味がわかった気がした。


[華君に、彼はとてもよく会う。きっと、華君を幸せにしてくれるから]


「男でも、女でもいいんですね」


「そうだね、私はどちらでもいいですよ。初めて会った時に、その人との未来が見えるなら付き合うようにしてる。」


「未来ですか?」


「そう、未来。何の想像も出来ない人とは、友達にもならないよ」


そう言って、坂月(さきづき)さんは笑った。


「るか君とは、未来が想像出来たんですか?」


「るかの場合は、いずれいなくなる未来を想像できた。だから、友達になった。いなくなるからこそ、優しくできる。」


そう言いながら、坂月(さきづき)さんは写真を撮っている。


「るかと私が、出会ったのは病院なんだ。私は、睡眠障害でね。毎日寝れなくて、本当に死にたかったよ」


カシャカシャと写真を撮る。


「もう、今は寝れてるんですか?」


「それなりにはね。そんな私に、るかがよく言っていた。伊吹は、恋愛をするべきだよって。23歳の時に、すごく愛した人に浮気されたんだ。若かったから、許せなかったし、彼女が私の人生の全てな気がしていた。一緒に住んでいた彼女は、夜になると相手に会いに行った。彼女と別れてから、私は、眠れなくなった。」


「それで、るか君に出会ったんですか?」


「そうだよ。るかは、私に新しい恋をするべきだと何度も言ってきたけれど…。私は、あれから恋をしていない。そんな私に、るかが美咲華(みさきはな)さんに会ってみろと言うのだから、とても素敵な人なんだろうね」


そう言って、また写真を撮る。


「るか君を信じてるんですね」


「るかは、言葉も行動も信頼できる人だよ。(るい)君も素敵なんだろうね。私は、一度も会った事はないけれど。」


(るい)は、すごくいい奴ですよ」


「仲良くなれるかもしれないね。藤堂さん、暇でしょ?帰っていいですよ」


「いえ、楽しいですよ。」


「もしよかったら、これでも見て待っていて」


そう言って、坂月(さきづき)さんは、自分の写真を見せてくれた。


素敵な写真だらけだ。


華は、この人に会って、どんな反応をするのかな?


晴海のようになったりするのだろうか?







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