はずすなよ[るかの視点]
「どうして、るかがやってきたの?」
星は、俺に服を着せてくれていた。
「ずっと、あいつは俺を呼んでた。俺を繋ぎ合わせたのは、ルルだ。死ぬ気だったよ。あいつは…。星とやったって、死んでたよ。」
「どうして?」
「こっちにもどってきた瞬間、絶望が俺の胸を締め付けた。すぐにわかった。これが、終わったら死ぬつもりだったって。だけど、星があいつが嫌がる事してくれたから俺はもどれた。感謝してる。」
「嫌がるって、最悪だね。」
「いい事だろ?月が死んだら、もう二度と会えないんだから」
俺は、星の頭を撫でた。
「そうだけど、嫌だ嫌だって思われてたのは悲しいよ。」
「風呂一緒にはいるか?指輪もないぞ。俺とお前は、結婚してんだからよ」
俺は、星の顔を引き寄せてキスをした。
「沸かしてくる。」
星は、そう言って部屋を出た。
ブー、ブー
「宇宙君」
「るかか?るかなのか?」
「うん、ありがとう。嫌な事をしたのは、宇宙君だろ?」
「やっぱり、生きてたんだな。」
「信じてくれて、ありがとう」
宇宙君は、泣いてる。
「星さんと寝たんだな」
「ハハハ、何でだよ」
「それが、トドメだな。るかがやってきた」
「ハハハ、言わせようとしたって言わないからな。」
「知ってるよ。女が好きだもんな」
「ああ、そうだ。」
宇宙君は、笑ってくれてる。
「明日にでも、婆さんと爺さんに会いに来てくれないか?」
「よくないんだな?」
「担当医には、2、3日以内に家族に会わせた方がいいって言われてるんだ。」
「俺で、いいのかな?」
「前のよりましだろ?るかが、会ってやってくれ。」
「わかった。明日、行けたら連絡する」
「ああ、じゃあ、星さんによろしくな」
「ありがとう、宇宙君」
電話を切ったタイミングで、星は扉を開けた。
「お風呂沸いたよ。」
「嬉しそうだな。俺の事、嫌いな癖に」
「嫌いだっただよ。行こう」
星に連れられて、お風呂にやってきた。
お風呂にはいる。
「丁寧に洗うんだな。そんな仕事してたのか?」
「ば、馬鹿な事言わないでよ。自分を洗うみたいにしてるだけだよ」
「星は、月が本当に好きなんだな。会わせてやれなくてごめんな。」
俺は、星の髪を撫でる。
「はいろ」
二人で入っても、湯船は狭くなかった。
「明日、栞さんの所に連れてくから」
「その後、宇宙君の病院に行きたいんだけど。」
「よくないの?」
「ああ、そうらしい」
星は、俺の手を握りしめた。
「養子縁組してくれるの?」
「それは、月を待っとけ」
俺は、星の頬をつねった。
「月が現れなかったら、るかが責任とってよ。」
「わかった。そん時は、とってやるよ」
「頭の中で、頑張ってるの?月は?」
「頑張ってるよ。すごく頑張ってる。ルルが特に頑張ってる。でも、なかなか難しいみたいなんだよな。容量オーバーしちゃったんだろうな。」
「そっか。ゆっくりでいいよ。生きててくれるなら。先、あがるね」
「待って、一緒にあがる」
星と一緒にあがる。
体を流して、頭を洗ってあげた。
星にも、同じ事をされた。
タオルで、ふきあいをしてリビングにやってきた。
「お水、どうぞ」
「ありがとう」
水を飲みながら、絵を見ていた。
俺は、描けないのにあいつは描けるんだな。
指輪の箱を開けた。
星は、ワインを持って俺の向かいに座った。
「指、貸せ」
「あっ、うん」
手を掴んで、星を引き寄せた。
「あのな、何があってもはずすなよ。わかったか?」
俺は、指輪をはめた。
星は、涙をポロポロ流し始めた。
「記憶失くすまでは、飲まないぞ」
ワインを指差して言った。
「わかってる。るかも、指だして」
「はい」
星は、優しく指にはめてくれた。
「これで、俺は星のもんだ」
頬に、キスをした。




