表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
みんなの愛らぶyou(仮)  作者: 三愛 紫月
10/100

なんで、女といる?[流星の視点]

今日は、早く帰れる。


俺は、ロビーを抜けた。


「笹川さん、誰か待ってるの?」


「院長、お疲れ様です。マッチングアプリで出会った人を待ってまして」


「マッチングアプリ?そういうの流行ってるね。聞いた事ある」


「彼が、来たので失礼します。」


笹川さんが、走っていく。


月?


まさか、そんなはずはないよな。


(るい)は、(ひかる)さんを好きなわけでこんな場所で女性といるはずなどない。


嫌、でもよく似ている。


少しついてってみるか…。


俺は、笹川さんの後をつけた。


彼女と店に入るときに、ハッキリとわかった。


紛れもなく、(るい)だ。


どうなってる?


何が、起きてる?


誰に聞くべきだ。


俺は、連絡先を見つめる。


栞ちゃんの連絡先を知らないのだから、海の華に行けばいいのか


俺は、タクシーをひろって海の華に連れてきてもらった。


「流星さん、何してるんですか?」


ちょうど、降りたタイミングで絵を持った栞ちゃんに会った。


(るい)の事、聞きたくて」


「何か見ました?」


「うちの看護婦さんの、笹川さんとマッチングアプリで知り合ったみたいなんだけど…。そんなのしないよね?」


「今の(るい)なら、ありえますね。」


「どういう意味?」


「結婚式したんです。海の華で、(ひかる)さんと」


「そうなんだね」


「ええ、それで酔っ払って意識を失いました。」


「そうか」


「それで、現れたのはすべての記憶を失くした(るい)でした。」


その言葉に、驚いて栞ちゃんを見た。


「それって、(ひかる)さんを…」


「忘れました。」


「なんで、マッチングアプリ?」


「出会い探してるんじゃないですか?」


栞ちゃんは、悲しそうな目をした。


「月は、何かしたんだね?」


「同姓同士の恋愛に嫌悪感を示しました。(ひかる)さんに不気味だと告げたそうです。僕は、今の(るい)は嫌いです。それよりも、(ひかる)さんの心が壊れないかが心配です。」


「そんな…。俺が出来ることがあれば協力するから。連絡先教えるよ」


俺は、ポケットから名刺を取り出して栞ちゃんに渡した。


「流星さん、僕はあの(るい)に会いたいです。今の(るい)には関わりたくない」


栞ちゃんは、そう言って泣いている。


「すまない。俺が、あの日、(るい)を呼んだせいだ。」


「関係ないですよ。ただ、このまま女の人と結婚をする気がして仕方ないんです。」


「その時は、俺がちゃんと協力するから宇宙(そら)兄さんにも頼んでおくから」


「お願いします。どうか、(ひかる)さんから(るい)を奪わないでほしい」


「わかってる」


俺は、頭を下げて帰る。


どうすれば、いいんだろうか?


スマホを取り出した。


「流星、どうした?」


(るい)の記憶が、完全に消えた」


「知ってる。さっき、(ひかる)さんから連絡がはいった。」


「マッチングアプリで、婚活までしだしたようだ。」


「心配するな。そうなったら俺が検査させる」


「頼むよ。どうか、彼と月を離さないであげたい」


「兄貴としてか?」


「そうだ。兄貴としてだ」


「わかった。」


宇宙(そら)兄さんは、電話を切った。


兄貴として、幸せを願った。


(ひかる)さんとなら、大丈夫だと安心した。


なのに、なぜ…。


こんな事になった?


誰かを呼び戻す方法は、ないのか?


全部消えたわけじゃないよな。


「はい」


「桐生です。お迎えに伺いましたがおられませんでしたので…。」


「ああ、海の華にきていた。今から、タクシーでもどるよ」


「はい、奥様がお待ちです。」


「わかった。すぐに行く」


今日は、里美への奉仕の日だ。


今は、忘れて帰ろう。


リュリュ、るか君、(るい)、必ず誰かを連れ戻してみせるから…


だから、(ひかる)さん待っていてほしい。


兄として、出来るだけの事を俺はやってみせるから…。


タクシーに乗って、星城病院までと伝えた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ