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夏の雨 8


優輝の家の最寄りの駅。

待ち合わせの10分前に着くと、優輝ももう着いていた。


改札を抜けて優輝に駆け寄る。



久しぶりに見る優輝の顔。

なかなか言葉が出てこない。




「……おかえりなさい」

私は上手く笑えているだろうか?


「…ただいま」

ゆるく口角を上げると私の手を取った。


繋がれた手に力を込めると体が傾いた。

目の前に優輝の胸があった。腕に包まれると泣きそうになった。


優輝の胸に顔を(うず)めて、背中に手を回した。しばらくそのままでいたけど、すれ違う人の視線が気になり出した。



「優輝…その、視線が…気になるんだけど…」


「…行こうか」


手を繋いで歩き出した。


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