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卯月雲 5
「いつも、ドアをガラッと大きな音を立てて開けて。結構大きな声で友達を呼ぶ人なんだけどね。」
「うん」
「いつか、私の真横のドアを開けてしまうんじゃないか?って思ってたんだけど…」
「え…?もしや…?」
「そう、ついに私の真横のドア開けちゃったのよ。それも、私が座ってる時に」
「あらららら…」
「もう私、固まっちゃって」
「でしょうね」
「なのにドア開けちゃった桐生くんも固まってて」
「マジか」
「で、何とかして私、我に返っていつもつるんでる人達を探してるのかな?的なことを言ったんだけど」
「うん」
「何を思ったか、このクラスで嫌いなやついる?とか聞かれて」
「へ?どゆこと?」
「でしょ?そういう反応になるでしょ?もう、会話成り立たなくて。その後桐生くんはいなくなったんだけど、私はそのまま呆然としててさ。」
「へえ…だから掛かり稽古…?」
「いや掛かり稽古は別にしてもいいでしょ」