65/168
流星群 27
「願い事、叶え放題だね」
空を見上げながら呟いた。
「…亜樹の願い事は?」
「私?うーん…インターハイ出たいな。優輝は?」
優輝の顔を見ると、「うーん…」と考え込んだ。
「俺は…何かまた、極めたいな」
「釣りは?結構やってるでしょ?」
「釣りも楽しいけど…やっぱり体動かしたいんだよな。体が鈍ってるのがわかるんだよ」
「それは…わかる気がする。落ち着かないよね」
「じっくり探してみるよ。亜樹、願い事は他に無いの?」
あるけど…優輝とずっと一緒にいられますようにとか、本人目の前にして言えるわけない。
「んー…優輝は?」
「亜樹とずっと一緒にいられますように、かな」
ふわっと笑って紡ぐから、亜樹は心臓を射抜かれた気がした。
あっさり言いおった。この人。
私が言いたくても照れて言えなかった言葉を。
「私も…」
「ん?」
「優輝と、ずっと一緒にいられますように…」
消え入りそうな声で呟いた。




