59/168
流星群 21
「サッカー部だったんだ。優輝、中学どこだっけ?」
「旭中」
「え、旭ヶ丘中ってサッカー強いとこじゃん。高校は部活入らなかったんだ?」
「膝やっちゃってさ。遊びでやる分には問題無いけど、部活で本気出すには厳しいから諦めたんだ」
「そっか…」
無意識に、優輝の頭を撫でていた。
優輝が目を見開いている。
「あ、ごめん、つい…。私、剣道やめろって言われたらすごく辛くなると思うから…」
「ありがと」
彼はふわりと笑った。
「でも、抱き締めたくなるから電車内は遠慮してな?」
自分の頬が紅く染まっていくのがわかった。
「亜樹は中学どこだっけ?」
「星中」
「星ヶ丘か。藤井先生っていなかった?」
「数学の?学年主任だったよ」




