50/168
流星群 12
「私のお母さんの弟の息子が春樹なの」
「従兄弟で同じ高校で同じ学年とか…あるんだ」
「うん、偶然ね」
大きな溜息を吐いて壁にもたれた優輝は天を仰いだ。
「なんだ従兄弟か…。昼休み、廊下で親しげに話してたから、よっぽど仲良いのかと…」
「仲は悪くはないとは思うけどね。そっか、昼休みか…。声掛けてくれれば良かったのに」
「何となく、声掛けられなかったんだよ…」
拗ねたように目を逸らす彼がおかしくて、ついクスクス笑ってしまう。
「笑うなよ」
頬を長い指で摘まれる。
「らって…」
頬を摘まれてもまだ笑ってしまう。
「そうら、優輝…。ねぇ、もう頬っぺた、離してもらいたいんだけど…」
「ああ、何?」
やっと頬が解放される。




