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流星群 11
「ねぇ、優輝、待って」
そのまま無言を貫いて廊下を歩く優輝の腕をぎゅっと掴む。
「優輝!ねぇ、どうしたの⁉……私、何かした?」
「…………」
目を逸らして無言を貫く彼に不安を感じる。
どうしたんだろう?
私が何かしたのかもしれないけど、心当たりが全く無い。
「亜樹さ…」
絞り出すような優輝の声はとても低かった。
「神崎と、仲良いの…?」
「へ?神崎って…春樹のこと?」
出てきた名前に驚いて間抜けな声を出してしまう。
「…名前で呼んでんのかよ」
私を見つめる視線が鋭くなる。
「俺より神崎の方がいいわけ?」
「いいも何も…。従兄弟だし」
「そうかよ従兄弟かよ…」
「……へっ?…従兄弟?」
不機嫌で怖い顔をしていたのが一気にいつもの優輝の顔に戻る。
「そう、従兄弟」