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流星群 9
「亜樹」
昼休み。梨沙達とお弁当を食べ終えてお喋りしていると、春樹がやって来た。
「あ、春樹。…ごめん、ちょっと行ってくるね」
梨沙達に断りを入れて廊下に出る。
「びっくりしたわ。彼氏出来たとか。相手が桐生とか。アリバイ協力とか。お前いつも唐突だよな」
「わかりやすくていいでしょ?回りくどいのは嫌いなの」
「うん知ってる」
「さすが」
「で、流星群、どんな感じで行こうとしてんの?」
「まだ詰めてなくて…。学校の屋上とかどっかビルの屋上とか、いっそテント泊とか…」
「テント泊て!楽しそうだけど、あんまり現実的じゃないなあ。雪乃の友達が天文部だから、流星群見る日に便乗出来ないか聞いてみようか?」
「それが一番平和的かつ現実的かも…」
「雪乃に聞いてみるわ」
「私も、優輝に聞いてみる」
「もう名前呼びかよ」
「春樹だって、栗原さんのこと名前呼びじゃん。このラブラブカップルめ」
「亜樹もだろ」
へへ、と笑うと休み時間の終わりを知らせるチャイムが鳴った。