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流星群 2
手を繋いだまま電車に乗る。
この駅はまだ、西高生は少ない。
車内はまあまあ混んでいて、ドアの近くで優輝と並んで立っていた。
「…そういえば、釣りの本はもう読んだの?」
「昨日熟読してたよ。もう俺8割ぐらい完璧かも」
「優輝…今テスト前だって知ってる…?」
苦笑いで問う。
「…生物に釣りの問題が出たら最高なんだけどな」
「……たぶん出ないと思うよ」
「亜樹、今日も放課後図書室行かないか?」
「テスト勉強?」
「うん。たぶん、亜樹と一緒にじゃないと俺テスト勉強しないかも」
「それ、家ではテスト勉強しない宣言…?」
「いやする気はあるけど。実際するかどうかは別っていう…」