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記憶 4
降って沸いたこの追加業務。さっさと終わらせてしまおう。
電話に出てくれる人が多く、順調に伝えることが出来た。留守番電話に切り替わる方にはメッセージを残す。
さて、次で最後だ。
その名を見た瞬間、私は固まってしまった。
『桐生 優輝』
いやいや、まさかね。同姓同名でしょ。
その『桐生さん』が貸出予約した本に目を移す。
釣りの本だ。
いや偶然でしょ。
大好きだった彼と同姓同名の『桐生優輝』さんが彼が好んだ釣りの本を貸出予約してるとか。
ただの偶然だ。
偶然だろうが何であろうが、私はこの『桐生優輝』さんに電話をかけなければならない。




