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記憶 3
「…はい、西村です。えっ…はい、すぐ行きます…」
隣の席の西村さんが電話をしながら、何やら慌てた様子だ。
「新城さん」西村さんが申し訳なさそうな顔で私に声を掛ける。
「はい。どうされました?」
「息子が熱出したみたいで…。すぐ保育園にお迎えに行く事になっちゃって。私今から早退させて貰うんだけど、この貸出予約のリスト、今日中に連絡しないといけなくって…」
ざっと見た感じ12〜3人ぐらいだ。
「…電話しておけば良いですね?」
「ありがとう!じゃあ、お願いします」
パタパタと慌ただしく西村さんが早退していく。
西村さんは双子のお母さんで。まだ2人とも保育園児で、よく熱を出す。
大変そうだなと思いつつ、自分もいつかあんな感じで働くのだろうか…と思いを馳せる。
…まあ、子どもを産む前にまず結婚、その前に彼氏を作らないといけないのだけど。




