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嫉妬 15
「優輝、行こう」
彼の手を引いて足早に門を目指す。
「あ、ああ…」
戸惑い気味の声を出しつつ、一緒に足を早めてくれる。
松田さん達を振り返る事なく、無言で門を抜けると優輝が口を開いた。
「亜樹」
口を一文字に結んだまましかめっ面の私。
何からどうやって話すべきか…言葉が見つからない。
「…亜樹?」
数歩歩いて立ち止まる。
同じく立ち止まったけど、やはり言葉が見つからず何も言えない。
「何があったんだ…?」
心配そうに私の顔を覗き込む彼の顔を見ると、何も言わない訳にはいかなかった。
「うまく言葉が…見つからなくて」
視線を逸らすと、また彼は歩き出した。
「ゆっくりでいいよ。今はここを離れようか」




