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嫉妬 11
「…私と新井くんが付き合うことはありません。そんなくだらないこと考える暇があるなら、もっと練習に身を入れたらどうなのよ」
努めて冷静に、深呼吸しながら告げる。
「今のは…聞かなかった事にします。私、これから優輝と待ち合わせだから」
踵を返して校舎へと向かった。
「亜樹…!」
「明日の練習メニュー、覚悟しておいてね」
振り返って可能な限り冷たい視線を送ってやった。
階段を駆け上がると息が切れた。
あまりの怒りに、呼吸を忘れていたらしい。
図書館のドアの窓越しに、優輝が机に向かって勉強しているのが見えた。
遠くから彼の横顔を見て、ささくれ立った心が落ち着いていくのがわかった。




