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嫉妬 5
DVDの内容は面白いはずだった。
ちゃんと観てれば、面白いはずだった。
優輝の家は今日も優輝しかいなくて。お母さんがいらっしゃる日は大人しく2人してDVDとか動画とか観てるのだけど。
お笑いのDVDを観ている最中、優輝は私の色んな箇所に触れる。うっかり出そうになる声を何とか堪える。最早彼は全くDVD観てないと思う。
「ねぇ、優輝…」
「うん?」
私の身体中の色んな箇所にちょっかいをかけてるくせに。私が止めようとすると無垢な子どもの笑顔のような表情でにこにこしている。優輝はちょっとSっ気がある。
「全っ然、頭に入ってこないんだけど…」
軽く睨むと私のうなじに顔を埋めた。
「頭に入らなくてもいいって」そのままうなじに口づける。
「俺、お笑いより亜樹を補給したい」
そんなの、耳元で囁かれたら断れない。




