01 ファーストコンタクト 中学三年 冬
01 ファーストコンタクト 中学三年 冬
「お前のライン教えてもいい?」
小学校一年生からの悪友からのラインが届いた。
不登校で生活リズムも崩れ、さらに入院と自宅療養を繰り返している少年だったから、
話し相手が増えるのはありがたかった。
付き合いは長い友人だから、こいつの紹介なら信用できる。気の置けない仲ってやつ。
「別にいいよ」
数秒で通知が鳴った。冗談だろ仕事早すぎかよ。
「はじめまして!今って彼女いるんですか?」
なんだこいつ。変な奴だな、普通一言目からそんなこと聞くかよ。
少し怪しみながらも
「いないよ~」
とだけ返した。既読も返事も一瞬だった。
「じゃあ、私と付き合ってください!!」
頭おかしいのかと思った。それか俺がおかしくなったのかと。
名乗る前から告白する人なんて人生で先も後もこの子だけだった。
笑ったのもそうだけどこの時に少しは惹かれたんだと思う。
もしくはただの気の迷いか。それでも、君に会ってみようと思えた。
これが僕の幸せの始まりだった。
そして絶望への。
「いいよ。で、名前だけ聞いてもいいかな?」
そっけなく返したのも覚えてる。
「ごめん!<元カノ>って言います!」
次の日の放課後に会う約束をした。あんなに学校が楽しみになったのは初めてだった。
ま、普通に午後から行ったんだけどね。