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11〜20

@syoyu_natane

抱き締めていたはずなのに、いつの間にか腕の内をすり抜けている君をどうやって許せばいいのだろうと思い悩む。けれど結局はそんなの一瞬のこと。柔らかな毛並みを擦り寄せてくるのは君が甘えていると分かる僕。その頬が許す前に緩むのを知っている君。君の策略にいつも嵌っているんだ。


@hal_aoyagi

あなたの声が鼓膜を震わせる。そんな小さな幸福が僕の命をまた一週間繋いでいくんだろう。今までが近過ぎたんだね、と淋しく笑うあなたにかけられる言葉が見つからない。会いに行くから、と苦し紛れに吐いた嘘。あなたはきっと見抜いている。有難う、という柔らかな声に僕は息が詰まった。


@jomasan66

雨音が満ちている。それは高く低く、何処までも静寂を伴い響いていく。霧が立ち込める草原の傍ら、高らかな喇叭の合図を待っているはずの軍勢のその気配すらしない。自分は果たして本当にここにいて良いのだろうか。別れを告げた女の泣き顔が脳裏を過ぎる。戦闘を前に揺れる面影に哭いた。


@ranloxxx

好きな色は何ですか、と訊かれて固まったままの心を解きほぐす。だって、赤も青も黄色も紫も、どんな色だって素敵なのに。それでも選択を迫られた時、私はとっさに白、と。どうして?と相手は尋ねるだろう。答えはひとつだけ。何者にもなれる白は可能性の色だから。私はまだ白色だから。


@oh_kuma_neko_

星を見よう。見る度にその表情を変える夜空に飽きることなど、きっとないから。君が隣にいてくれたならそれ以上に望むことなどないのだけど、もしもそれが叶わなくても、君の代わりに本を持って行くよ。さわさわと撫でてくれる風に君を感じよう。いつか届くかもしれない恋文を放つよ。


@Yuri_June6

あなたの瞳の中に入り込む為なら命を賭けるわ。それくらい容易いこと。怖いのはあなたの中から私の成分が消えてゆくことなのだから。お願いだから薄まらないで。あなたの中の私。一秒でも長く存在していて。あなたの心を、頭の中を、独占していて。それだけが私の存在価値なの。


@nammmmika

あなたを想えば強くなれる。それが私の武器だった。あなたを想えば弱くなる。それも私の武器だった。あなたの存在が私を左右するのが堪らなく愛おしかった。今のあなたは私をどうにもしない。今の私はあなたにどうもされない。その事実だけがどうしようもなく、悲しくて、可哀想だった。


@an02_mAss

酷い臭いのする台所に素知らぬ顔して土足で踏み込む。腐敗し腐乱した塵芥に塗れたあの人の背中にまるで勇者に抜かれるべき聖剣のように刺さったままのナイフを無造作に引き抜く。相棒はこれだけ。もうこの家にもさようなら。最後の仕上げに火を放っておこうか。燃え盛る炎はとても美しい。


@Kagiko_Mizuhara

愛したのは「何」だったのだろう。男だった、という認識だけが私を虚しくすることもなく、ただただその「何か」を愛していた頃の自分は少しでも人間らしく在れたのだと思う。「それ」を失った私はここから何処へ歩めばいいのか。はたまた歩むのなんて辞めてしまおうか。それすら。


@comico_harudesu

傷の手当だけ、のつもりだった。柔らかい皮膚を切り裂く醜い傷痕はまるで君を虐めているかのようだったから。ふいに触れる唇。飛び退く僕を見て、君はくすりと笑う。

「ねぇ、あなたのために、これ、つくってきたのよ」

自身で愛おしそうに撫でる君の傷痕ごと、僕はもう虜なのだ。

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