1〜10
@shinen0708
寒空の下に咲いた花を手折る。きっと君は少しだけ悲しそうな顔をして、それでも喜んでくれるだろう。そんな風にして僕は君のことを少しずつ狂わせていくのだ。今までも、これからも。わざと悲しいことをして、それを嬉しいことに変化させて、心を塗り替えていく。君が気付かないように。
@liuhIr_34
最後の夜だもの、愉しく過ごしたいわ。
君の言葉が胸をざわりと撫で回している。分かっているよ、と辛うじて返事をしたが僕の決意は変わらない。君を、今夜、亡者に、変える。それを知っているかのように君は妖艶に微笑んでいる。いいのか、これで。結末は最期まで見当たらない。
@Sirius59688850
時が刻まれる。あなたとの距離も遠ざかる。少しずつ、砂時計の三角から砂粒が落ちていくのと同じように、私からあなたの欠片は少しずつ墜ちていく。訪れる欠落は私の内側も少しずつ削り出す。剥き身の「私」は一体何を愛せばいいのですか。あなたを失った世界の隅で。
@yu_psychedelic
一つ撫でる度に一つ潰れていく。私の夢、あなたの願い。一つ掻き毟る度に一つ安らいだまま溶けていく。私の想い、あなたの悲鳴。もう終わりだと分かっていても、まだ終わりたくないと足掻こうとする。醜いでしょう?それでもあなたを失いたくないと私は今日も眠る背中を一つ撫でる。
@rio_create
もぉいいかい。まぁだだよ。幼い頃の思い出はいつだってセピア色。感傷に浸るのは君の悪い癖だと何度言われてきたか分からない。だけども仕方ないじゃないか。君との記憶は過去にしか存在しない。私を置いて逝ってしまった君には私を責める権利などない。私が未だに君を愛することすら。
@narisokonai_
恋の本質はきっと炎だ。私もあの人も熱く熱く燃えあげて、きっといつか溶かしてしまうだろう。どろどろに混ざり合って、その後に残るのは何?それが後悔じゃなければいい。恋の証が目に見えるのならそっと花になって欲しい。大きくて立派じゃなくていい。小さくても可憐な花を恋、願う。
@hnssk_izayoi
悲しみに翼が生えてくれたら、君は孤独になどならなかったのだろうか。私の心はもう少しまともに育ってくれたのだろうか。全ては過去の産物。私と君のこれからはそういうものが生み出すの。互いの胸の内に深く深く哀を埋めて、愛になっていくのをゆっくりと待ちましょう。人生を賭けて。
@hoshiutakorori
空に手を伸ばすことを辞めたのは僕だった。いくら努力したって僕の背中に羽根は育たない。空を飛ぶことも叶わない。なら焦がれるなんて無駄なこと。なのに君は違うんだね。無駄だと分かっていても、無理だと知っていても、憧れを追い求める姿は滑稽で、何処までも美しかった。
@2kaido1du
一つ腕を差し出して、一つ脚を貰い受ける。一つ目玉を抜き出して、一つ唇を引きちぎる。あなたを僕で飾って、僕をあなたで飾って、そうしていけばいつかひとりの人間になれるのだろうか。血も肉もぐちゃりと混ざり合って、夢も希望も悲しみも恐怖も、君のか僕のか分からなくなるまで。
@DN_09A
燃えるテールランプを何処までも追いかけていく。抜きつ抜かれつ互いに後ろは振り返らない。道の続く限り、マシンが走り続ける限り、俺達は競い合うことを辞めないだろう。勝ち負けなどどうでもいい。お前と共にこの世の果てを目指すのもいいさ。今はただ、夜の風に身を任せていよう。