世界を超えて
前回のあらすじ
レベマ。進化。負の感情の解放。修練の間だった世界を滅ぼす。復讐のために世界を超える。
世界を超えるとそこは洞窟のようだった。光も無く、ほとんど真っ暗で、普通の人間ならば視界を確保するために光が必要だろう。しかし、俺は魔王だ。全く問題は無い。
「それにしてもこの格好。なんか厨二心をくすぐられる」
全ての光を吸い込むような漆黒のフード付きマントを羽織っている。しかも効果で快適化や不滅やその他諸々と付与されているからエルギスレベルじゃないと傷一つ付けられないだろう。
ふと気配に気づく。かなり大きな気配で、その気配には王者の風格を感じる。どうやら向こうは既にこっちに気づいており、ここまで来ているようだ。
そろそろご対面の時間だ。
『何者だ?弱小なる人間よ。どうやってここまで辿り着いた』
「あぁ?羽のついたトカゲの脳は鳥並みか?俺が人間と同じ?はっ。寝言は死んでから言っとけ。俺は魔王だ。それとここには世界を超えてきた」
『我を馬鹿にしているのか?魔王の名を偽る人間よ』
どうやらこの白いトカゲは俺をよっぽど怒らせたいらしい。絶望のオーラを纏う。存在を悟られると困るので極少量の絶望だが、トカゲはガクブルしはじめている。
「俺に喧嘩売ったのはお前だ。覚悟しろよ?」
『ヒ、ヒェ……』
腰が引いている。その目にも涙が浮かび上がっている。
「……やはり人間じゃないと興が乗らん。さっさとどこかへ消え去れ」
しっしっと手を払い逃げろと言う意を出すと、トカゲ急に頭を垂れ出した。その格好はまるで服従の意を示している。
「あぁ?なんで行かない?俺は失せろと言ったはずだ」
『我を、貴殿の部下にしてくだされ』
急に何を言い出すと思えば部下だァ?雑魚はいらん。せめてあのくらいの絶望を耐えれないとなぁ?
『我は神龍の中でも最も力を持つ龍でして、貴殿の力になれると思うのだ。我は強き者と今まであったことないのだ。だから貴殿の下に居たいのだ。是非貴殿の名を教えてもらいたい』
「ふむ。足としては使えるか。それじゃぁお前は俺の下僕だ。俺の名はゼロ。それで、どうすればいい?」
『では血を頂いても?』
「ほらよ」
手首を切り血を適当に垂らす。すると地面に黒と赤の魔法陣が出てくる。
『我、神龍王ラグラージスはゼロを主と認め、一生を捧げることを誓う』
魔法陣がさらに輝きを増して、視界が塗りつぶされる。
しばらくして光が収まると、目の前には絶世の美女としか言いようが無いほどの美女が立っていた。かなり欲情的な体して、黒と赤を基調とした着物を着ている。なんとなく繋がりを感じるため、多分ラグラージスと思う。
「これからよろしく頼む。主殿」
なんとも眩しい良い笑顔を見せてくれた。
絶望ノ起源
ぶっちゃけ作品の中でも扱いに一番困る能力。
効果としては絶望の生成に絶望が高ければ高いほど全ステータスを上昇する。
また、相手に擬似的な不老不死を付与して絶望を増やし放題のバグ能力。
一人の絶望で核兵器100発分位のエネルギー効率を誇る。
概念的存在の為、能力の効力を奪われることは無い。たとえ消滅しようと今までのエネルギーが解放されて全てが消え去る自爆機能付き。
生成率は一秒間に100人分の絶望を生み出す。
主人公は本来優しさの塊で、基本的怒らないが、クラスメイトや強欲で傲慢な権力者、偽善者ぶってなにもしない人間がとてつもなく嫌いで、そういうのを見ると、負の感情が爆発して殺しに行きます。絶望ノ起源で恐ろしいほどの殲滅能力があります。
それにしても主人公の強さはどこに向かうのか……