親のいいなりになってたまるか
書き溜めてた分放出します!
流石に菜園の手入ればかりしていたら勇者である親が黙っているはずもない。私は今、絶賛魔法練習中だ。糞!野菜だ!野菜はどこだ!!などと考えながら、火の魔法を父親から学ぶ。
「いいか!アリサ、魔法はイメージだ!明確に火が出てくる未来をイメージするんだ!!」
そんなのわかるわけねぇだろ!こちとら日本出身じゃボケェ!!その時だった。
ボッ
!!!嘘でしょ...手から火が...そんな...魔法が使えたら戦わなきゃいけないじゃないか...
「アリサ!凄いぞ!!やっぱり俺の娘だな!」
私の気持ちとは裏腹に父親は有頂天だ、少しは親バカを直そう...?
「勇者になるためには最上位魔法まで覚えなきゃいけないからな!」
え...?まだあんの?もう今日は十分なんですけど...嫌だ...勇者は嫌だ...
「あの...お父さん...私...勇者には」
「ようし!今日は四属性魔法全て覚えるぞ!」
聞いてねぇ、聞いてねぇよこの人...あと四属性とは火、水、風、土だ、この基本の四属性は程度の違いはあれど誰でも扱える。この四属性を組み合わせ、合成させることにより自分だけの魔法を作ることができる。
「ゆくゆくは俺の雷属性を受け継いで貰うぞ!」
え...?何それは...私の平穏な日々とは正反対な単語なんですけど...
「あの...?農業に役に立つ魔法とかは...?」
「農業?ああ....アリサが手伝ってる家庭菜園のことか?あるのはあるが...」
あるのか!よしよし!そういうの教えてプリーズ!!
「アリサは勇者になるんだからそんな魔法いらないだろう?」
あ?この父親なんて言った?今...農業の魔法がいらないと?いいだろう...そこまで言うなら私にも考えがある...ギリギリまで勇者になるフリをして直前になってからこの家を出る!散々期待させておいて裏切ってやるからなぁああ!!
「はい!そうですね!私はお父さんの後を継いで勇者になりますから!」
今はこの笑顔に騙されていろ...糞親父がぁあ!
「アリサは偉いなぁ!ご褒美に鍛錬用の木刀を買ってあげよう!」
「ありがとうございます!」
ふざけんな!木刀なんかいるかボケェ!もっと耕すための道具とか寄越せ!あぁ...初っ端からくじけそうです...やっぱり前世に帰りたい...