子の心親知らず
私は今の状況を冷静に分析してみることにした。
今の私の名前はアリサ=ロムルート。
何故か前世と同じ名前だ、前世...お父さんとお母さんはどうしているだろうか...?もう会えないんだろうか...ならば!!お父さんから受け継いだ農業の技術とお母さんの料理を使ってこの世界の人々に美味しい野菜を届けよう!!
「アダゥー!!(頑張るぞー!!)」
「どうしたんですかーお嬢様ー」
今、私のお世話を甲斐甲斐しくしてくれているこの銀髪メイドは、リリス=フォーグナー。フォーグナー伯爵家のご令嬢の筈なのに何故か私のお世話をしてくれている。
「まぁまぁ...アリサは元気ねぇ」
私達のやり取りを見ていた金髪美女はマリア=ロムルート、私の母親である。物凄い驚異の胸囲をお持ちの女性で気品溢れる女性だ、父親が勇者ということはもしかしたらどこかの姫なのかもしれない。
「アリサー!お父さんが帰ったぞー!!」
そして、この金髪碧眼キラキライケメンはソーマ=ロムルートといい、今の私の父親で歴代最強勇者と言われているチート系主人公である、そして親バカで今も私の気をひこうと頑張っている。
「アリサは物凄い魔力量だからな!俺の跡を継いでもらいたいんだ!」
「あらあら...気が早いですよ?私としては勇者を支える聖女もいいと思います」
「嫌だ!アリサがどこの馬の骨とも知らない奴に回復魔法をかけるところなど想像したくない!」
今初めて知ったが、この世界魔法があるのか!中には農業に使えるものもあるかもしれない...というか娘の将来勇者パーティ確定ですか...?そんなの嫌だぁぁぁ!!私は野菜を育てたいんだぁぁぁ!
「ビエエエエエエエエエエ!」
「おお!アリサは元気だなぁ!!」
「将来が楽しみだわぁ」
もうヤダぁ...