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勇者召喚!かと思ったら転生!?こうなったら精一杯生きてやる!!  作者: 冷星 夜姫
勇者召喚~勇者としての日々~
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第3話 お披露目と勉強と訓練


 現在、俺達は謁見の間の扉の前にいた。

 昨日王様が言った通り、大変だった。

 すんげぇー朝早くに起こされたんだよ。

 それから直ぐに朝食を食べて、今までずっとメイド長にお披露目のやり方を、教え込まれたのだ。

 お陰でスキルに礼儀作法が加わったよ。

 たった数時間でな!

 それに、今着てる高そうな服も、緊張しちゃうし。


 「はぁー、これからお披露目か。こんなに疲れてるのに……」

 「大丈夫、鏡君?」


 雅が心配して声をかけてくれた。

 この娘、俺には普通に話せるみたいなんだよな。

 なんでだろうか?


 「ああ、大丈夫だよ、雅。ちょっと文句言いたくなっただけだから」

 「そう、なら良いんだけど……」

 「じゃあ、俺は御夏の方に行くから」


 雅に一言言ってから、御夏の隣に移動して話しかける。


 「おい、御夏」

 「ん?何だ、満月?」

 「このお披露目でも代表は任せたぞ。はっきり言って、俺はあまり寝ていないから、判断力が鈍ってるんだ」

 「ああ、任せろ。ちゃんと、やりきってみせるさ」


 御夏は胸を張ってそう言った。

 これなら大丈夫そうだな。

 お、扉が開く。

 始まるみたいだ。


 「勇者様、ご入場致します!」


 俺達は、御夏を先頭にして、謁見の間に入っていく。

 謁見の間は、奥に階段があり、その上に玉座がある。

 今は玉座に王様が座っていて、階段の下に居るのは王族らしい。

 扉から階段までは、多くの貴族が整列している。

 俺達は階段の前まで進み、一斉に跪く。


 「面を上げよ」


 王様の言葉に、俺達は顔を上げ、玉座を見る。


 「勇者達よ、この度は、邪神を倒す事に協力して頂けて、感謝する。そなた達の名前を教えてくれ」


 王様の言葉に俺達は、教えられた通り、答えていく。


 「私は勇者のまとめ役、ミカ・ラクリと言います」

 「私は勇者のミアキ・カラクサです」

 「同じく、ミフユ・トミサイ」

 「同じく、ミハル・レンジョウ」

 「同じく、リュウセイ・エタチ」

 「同じく、チヨ・ミヤビ」

 「同じく、マンゲツ・カガミ」


 よし、ここまではOKだな。

 次は…………


 「では、ミカ・ラクリを始めとした勇者7名に、邪神を倒す為に、ご協力頂きたい」

 「喜んで協力させて頂きます、ギルスガ王よ」


 そして、また頭を下げる。


 「うむ、協力感謝する。では、これからも訓練に励んでくれ」

 「はい、ではこれで失礼させて頂きます」


 そして、一斉に立ち上がり、俺達は左右に割れて、また御夏を先頭にして扉から出ていく。


 「はぁー、終わったー。王様が気遣って、短くしてくれたから良かったー」

 「でも、柳静も結構出来てたじゃないか?」

 「そうだよ、上手かったよ!」

 「皆、良く出来てたと、思う」

 「そうね、良かったんじゃない?」


 扉が閉まった途端、皆が一気に気がする抜けた様に、一斉に喋り出した。

 だが、それよりも俺が気になるのは……。

 扉を見ている俺に気づいた御夏が話しかけてきた。


 「満月?どうかしたのか?」

 「いや、謁見の間に入った時に、何か視線を感じた気がするんだ」

 「貴族じゃないのか?あんなに居たし」

 「いや………うん、そうかもな」


 それとは違う感じだったんだけどな。

 わざわざ心配させ無くても良いだろう。


 「ところで、この後は何かあったっけ?夜のパーティーは、王様が出なくても良い、って言ってたから、午後は訓練なんだろ?でも、それまで、まだ時間があるよな」


 いつの間にか、皆が俺達の会話を聞いていた。

 俺の質問には、深冬が答えてくれた。


 「満月、それならもう決まってるよ。昼食までは、勉強の時間らしい。この世界の常識について、教えてくれるんだって」

 「じゃあ、もう移動した方が良いのか?」

 「そうだな、皆、行くぞ!」


 俺達は騎士さんに連れられて、一つの部屋に入った。

 そこで待っているように、と言われたので、数分待っていると、先生と思われる人物が部屋に入って来た。

 その人は、部屋の前の方に立って、話し始めた。


 「勇者様方、初めまして。私は、テークラン王国の宮廷魔導師団の団長、キュシア・リー・レチアンと申します。この度、皆様にご指導する事になりました。宜しくお願いします」


 その後は、順調に勉強は進んだ。

 キュシアさんが言うには、この世界には、大陸が一つしか無いらしい。

 その大陸の名前が、マシリア大陸。

 この世界には五つの種族が居て、その内の一つが俺達、人間。

 人間は秀でた能力は無いが、その代わり、色んな事に手を伸ばせるらしい。

 次に獣人。

 獣人は身体能力に秀でた種族らしい。

 ただ、その代わりに魔力が少なくなっているらしい。

 次がエルフ。

 エルフは森で暮らしていて、森の外で見かける事は少ないらしい。

 獣人とは逆で、魔力に優れた種族で、身体能力は低いらしい。

 あとはドワーフ。

 力が強く、手先が器用らしい。

 鍛冶の技術が発展していて、凄い武器や防具を作るらしい。

 最後が魔族。

 魔族は、戦闘力が群を抜いて高いらしい。

 ただ、器用さが限りなく低いらしく、武器や防具を作れる人は貴重らしい。

 この世界にも魔王はいるが、別に敵対はしていないみたいだ。


 あと、国は種族ごとに分かれていて、人間の国がテークラン王国。

 獣人の国がシュリバラク王国。

 エルフの国がアーチノム森国。

 ドワーフの国がガウフィス帝国。

 魔族の国がエンヒルツ魔国。

 と、なっているみたいだ。


 「では、これで一応教え終わりましたので、終わりにしましょう。次からは魔法について教えるので、楽しみにしていて下さい」


 キュシアさんは、意外と気さくな人だった。

 あ、キュシアさんは20代位の金髪碧眼の美人だ。

 それより、次からは魔法かー!

 どんななのかな。

 その後は皆で昼食をとり、一旦部屋に戻って訓練服に着替えてから、騎士さんに案内されて訓練場に向かった。

 訓練場には、既に先生が来ていたみたいだ。

 俺達が近づくと、笑いながら自己紹介をしてきた。


 「よう、勇者共!よく来たな!俺はテークラン王国近衛騎士団団長のアグマスだ。言葉遣いは今のままで勘弁して貰うぞ」


 アグマスさんか。

 元気な人だなー。

 皆も、驚いているし。

 皆が落ち着いたところで、アグマスさんが俺達を訓練場の端にある建物の前に連れて行って言い出した。


 「最初は武器を選んで貰う。勇者が与えられる武器スキルは、本人が一番才能のあるものらしいから、それを選ぶと良い。」


 ほう、そんな風になっているのか。

 じゃあ、俺は小太刀だな。

 皆もそれぞれ自分の武器を探しているみたいだ。

 俺は薄暗い武器庫を探した。

 が、なかなか見つからない。


 「ないなー。やっぱりこの世界じゃ、少ないのかなー、小太刀って。仕方ない、もっと奥に行ってみるか。」


 で、奥に向かったのだが………。


 「これしかなかった……。」


 武器庫を探してやっと一本、鉄の小太刀が見つかったのだ。

 そう、一本……。

 これじゃあ、二刀流が出来ない。

 しかし、俺の気持ちなど関係なしに訓練は進んでいく。

 俺達はアグマスさんと手合わせする事になった。

 アグマスさんが言うには、一回やりあった方が、訓練の内容を決めやすいらしい。

 て事で、最初は御夏がやるみたいだ。


 「ミカが最初か。遠慮せずにかかってこいよ!」

 「はい、行きます!」


 やはりと言うか、なんと言うか。

 御夏の武器はやっぱり剣だった。

 あれは、ロングソードかな。

 御夏は勢いよく走り出し、剣を降り被った。

 アグマスさんはまだ動いていない。


 「もらった…っ!?」


 あー、カウンターか。

 がら空きの腹に一発喰らった御夏は、こっちに吹き飛ばされて来た、……って。


 「あぶなっ!」


 ふー、ギリギリよけれたな。

 お、御夏が動いた。

 大丈夫なのか?


 「おい、御夏、大丈夫か?随分派手に吹き飛ばされたが」

 「あ、ああ、大丈夫だ。それほど痛くない。………まだまだ未熟だったな」


 御夏が立ち上がったら、アグマスさんが近づいて来て、言った。


 「御夏、お前は相手に注意を向け過ぎて、自分に対しての注意力が散漫になってるな。そこを直せば、かなり良くなる筈だ」

 「はい、ありがとうございます!」

 「じゃあ次はお前だ、マンゲツ。行くぞ」


 えー、二番手、俺?


 「仕方ないか、じゃあやるかな」


 俺は訓練場の真ん中に移動して、武器を構える。

 それと同時に意識を切り替えた。

 その身からアグマスに向けて、未熟だが、確かに殺気が向けられた。


 「じゃあ、行くか。」



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