表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者召喚!かと思ったら転生!?こうなったら精一杯生きてやる!!  作者: 冷星 夜姫
勇者召喚~勇者としての日々~
2/25

第1話 召喚成功!


 それから数十分後。

 俺達は全員がスキルを決め終わり、女神様の前に集まっていた。

 これから、勇者召喚されるのだ。

 女神様が話し始める。


 「貴方達に伝えておく事があります。今回の勇者召喚の術式に奴隷化の術式が仕込まれていました。既にその術式は取り消したので、その点については安心です。ですが、貴方達を召喚した国には、それを仕込んだ者がまだいる筈です。気をつけて行動して下さい」


 奴隷化の術式か。

 だが、問題は………。


 「女神様、それは国がやったのですか?それとも一人が?」


 人気者君が俺の気になっている事を聞いてくれた。


 「やったのは国ではありません。術式を仕込んだのは一人です。召喚した国は、良い国なので安心して大丈夫です」


 そうか。

 国を相手にするのと、一人を相手にするのでは、違うからな。

 と、もう召喚される様だ。

 下に教室の時と同じ魔法陣が現れ、光出している。


 「皆さんを勇者召喚の術式に戻します。どうか頑張って下さい」


 女神様がそう言うと、魔法陣が強い光を放ち、視界が白く塗り潰された。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ん、んー、ここは?

 どうやら、俺は寝ていたみたいだ。

 他の皆も起き出している。

 周りを見てみると、ここは結構広い部屋で俺達はその中心に居るらしい。

 天井は高すぎてよく見えない。

 下を見ると、あの魔法陣があった。

 召喚は成功したみたいだな。

 俺達がお互いの安全を確認していると、部屋の扉がゆっくりと開いた。

 そこから、高そうな法衣っぽい服を着て高そうな杖を持った美少女と、王冠を被った高そうな服を着たおじさんが入ってきた。

 二人は、俺達の前に来て止まる。

 人気者君が二人に話しかける。


 「あの、貴方達は誰なんですか?それにここは?俺達は教室に居た筈なのに………」


 あ、俺達は気がついたらここに居た、と言うことで口裏を合わせてある。

 俺達を奴隷にしようとした奴に怪しまれない為だ。

 そして、人気者君の言葉を聞いた二人は、申し訳無さそうな顔をして、質問に答える。


 「私はこのテークラン王国の31代国王、ギルスガ・ヴェン・テークランだ。ここはテークラン王国の王都、シバルスにある王城の一室である召喚の間だ」

 「私はテークラン王国第一王女、ミラム・ヴィン・テークランです。私が貴方達を、この世界に召喚しました」


 この二人の言葉に、人気者君が言う。


 「待ってくれ、テークラン王国?そんな国、聞いた事が無い。それにこの世界ってどういう事なんだ?」

 「ここは貴方達が居た世界とは別の世界なんです。この世界を救う為に、貴方達を勇者として召喚しました」


 王女様はそう答えると、王様と一緒に頭を下げる。


 「「お願いします、勇者様!邪神を倒す為に、力をお貸し下さい!」」


 この言葉に、人気者君が振り返る。

 俺達は、顔を見合わせ、頷く。

 俺以外は。


 「はあ!?そんな事、出来る訳無いだろ!俺達は普通の学生だぞ!何の力も無いんだ。戦える訳無いだろ!」


 俺の言葉に、皆が何を言ってるんだ、と言う様に俺を見て、そして、はっ、とする。

 そうだよ、俺達は突然ここに来たんだぞ?

 力を持ってるなんて、知ってる訳が無い。

 まあ、人気者君は気づいていたみたいだが。

 王様も俺の演技に気がついたみたいで、俺の方を見ている。

 そして、王女様が俺の言葉に答える。


 「その事ですが、皆さんは勇者召喚の術式によって、向こうの世界よりも強いステータスが与えられている筈です」


 ステータスは、頭でそう念じれば出てくるそうなので、王女様の言葉を聞いた俺達は、それぞれステータスを確認する。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【鏡 満月】【種族・人間】

【職業・暗殺者(アサシン)

【Lv1】

体力 ∞

魔力 600

筋力 700

耐久 300

敏捷 1000

【固有スキル・吸収/不屈】

【特殊スキル・無音歩行/天駆/二刀流/闇化】

【通常スキル・小太刀術/気配察知/魔力感知/魔力操作/偽装】

【称号・勇者/闇の化身】


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 職業は暗殺者かー。

 敏捷が高いな。

 体力なんか無限になってるし。

 まあ、細かい確認は後だな。

 一足先にステータスを確認し終わった俺は、さりげなく王様に近づいていく。


 「なぁ、王様」

 「!お前は、確かさっきの。なんだ?質問でもあるのか?」

 「いや、そうじゃなくてね?今日中に、誰にもばれない様に話がしたいんだけど、出来るかな?」

 「っ!分かった、夜中に私の部屋に来い。勇者の能力があれば、出来る筈だ」

 「了解………」


 王様と密会の約束をした俺は、元の位置に戻る。

 丁度その時、王女様が注意をしてきた。


 「勇者様方!ステータスは他の人には、絶対に見せないで下さい。ステータスが知られてしまっては、対策が取られてしまい、死んでしまうので」


 俺達は、その言葉に頷く。

 それを見た王様が、言った。


 「では、これから各自の部屋に案内させて頂く。今日はその後は自由時間になる。城の中を自由に歩いてもらって結構だが、王族以外立ち入り禁止の場所には入らない様にしてくれ」


 そう言うと、王様は王女様と一緒に部屋を出ていく。

 俺達もその後をついていき、少し歩いたところにある、城の一角にある、それぞれの部屋に入れられた。

 部屋は豪華だが、センスは悪くない。

 部屋に入った俺は、もう一度ステータスを出して考える。


 「これ、もっと詳しい情報が見れないのかなー。触ってみるか。お!当たりみたいだな」


 職業に触れてみたら、別のウィンドウが出てきて、そこに詳しく書いてあった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【職業・暗殺者】

【殺す事に特化した職業。敏捷が上がり易く、耐久が上がり難い。】


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 「敏捷か…。速さで敵を翻弄しながら戦う事になりそうだな。耐久が上がり難いのが心配だが、攻撃を避ければ大丈夫だろう」


 次は固有スキルだな。

 吸収がお願いしたスキルで、不屈が勇者召喚の術式でついたやつだ。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【固有スキル・吸収】

【殺したものから、ステータスを一部、スキル を三つ取り込む。盗るスキルは自由に選べる。】


【固有スキル・不屈】

【体力が無限になり、疲れなくなる。精神的にも打たれ強くなる。】


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 「吸収はお願いした通りになってるみたいだな。あと、体力が無限とかのあり得ない感じになってるのは、不屈のせいか」


 まあ、疲れないってのは、持久戦ではかなり役に立つだろうけど。

 次は、特殊スキルか。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【特殊スキル・無音歩行】

【どんな場所で、どんな歩き方でも、無音で歩 ける様になる。体力も魔力も使用しない。】


【特殊スキル・天駆】

【空中を蹴って移動したり、空中に立ったり出 来る様になる。体力も魔力も使用しない。】


【特殊スキル・二刀流】

【同種の武器を同時に操り易くなる。】


【特殊スキル・闇化】

【空気中にある、闇の魔素を一気に自分の身体 に集めて、ステータスを上昇させる。使用時は、髪が真っ黒で長くなり、肌は褐色 に、瞳は紅く、白眼の部分は黒になる。】


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 これがあればかなり戦闘に便利だな。

 無音歩行は戦闘以外でも役に立つし。

 これはいつも使っとくか。


 「てか、闇化ってヤバくね?髪とか肌はまだしも、白眼が黒になるって…」


 闇化はあまり人に見せない様にしよう。

 さて、次は通常スキルだ。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【通常スキル・小太刀術】

【小太刀を使い易くなる。小太刀の技能を使える様になる。技能には体力、ものによっては魔力を使用する。】


【通常スキル・気配察知】

【周囲の気配を察知出来る。体力も魔力も使用しない。】


【通常スキル・魔力感知】

【周囲の魔力を感知出来る。体力も魔力も使用しない。】


【通常スキル・魔力操作】

【自分の魔力を操作しやすくなる。】


【通常スキル・偽装】

【ステータスを隠す事が出来る。体力も魔力も使用しない。】


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 「小太刀が俺の武器になりそうだな。あればだけど。気配察知と魔力感知は常に使っておくか。あとは、偽装でステータスを全部隠してっと。これで良いかな」


 じゃあ、次は称号か。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【称号・勇者】

【世界を救う為、異世界から召喚された者。世界を越えた時に、強力な力を与えられる。その力は様々である。】


【称号・闇の化身】

【闇化のスキルを持つ者。闇属性に対する親和度、耐性が上がる。】


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 「勇者はまあ、良いが、闇の化身の効果を見る限り、こっちの世界にあるだろう魔法で俺が使うのは闇魔法になるかもな。ん?」


 気配が一つこの部屋に近づいて来ている。

気配がこの部屋の前で止まり、扉からノックの音が聞こえて来た。

 俺が扉を開けると、人気者君が立っていた。


 「なんだ、お前か。なんか用か?」

 「いや、よく考えたら、まだ自己紹介して無いって気づいてな。まだクラスが変わったばっかで、名前覚えて無いだろ?だから、俺の部屋に集める事にしたんだ」

 「ふーん、分かった。何か持ってくか?」

 「こっちに来た時に持ってたやつは持って来てくれ」

 「了解、ちょっと待ってな。……………よし、行こうぜ。」


 俺達は人気者君の部屋に向かった。

 部屋の前に来た。

 部屋の中に五つの気配を感じる。

 もう全員集まってるみたいだな。

 中に入り、適当な場所に座ると、人気者君が話出した。


 「皆集まったから、始めるぞ。今回集まったのは自己紹介する為だ。俺の名前は楽莉(らくり) 御夏(みか)。向こうの世界では、社長の息子だからって、色んな教育をされた。だから、武術を習った事もある」


 人気者君……いや、御夏は、スポーツ系のイケメンだ。

 黒い髪を短く刈り上げ、眼は少しつり目だ。

 お、次はあの気の強い女子みたいだ。


 「私は唐草(からくさ) 観秋(みあき)よ。向こうではアーチェリーをやってたわ。これから宜しくね」


 ふむ、気は強いが悪い奴では無いみたいだ。

 唐草は綺麗系の美少女だ。

 長い茶髪をポニーテールにし、スラッとしたモデル体型をしている。

 ん?ああ、次は眼鏡男子か。


 「僕は富斎(とみさい) 深冬(みふゆ)って言うんだ。向こうじゃ、御夏と一緒に武術を習ってたよ」


 深冬は爽やか系のイケメンだ。

 茶髪を長めに伸ばして、黒縁の眼鏡をかけている。

 次は、泣いてた女の子みたいだな。


 「私は煉城(れんじょう) 弥春(みはる)です。向こうでは護身術と棒術を習っていました。宜しくお願いします」


 煉城は可愛い系の美少女だ。

 黒い髪を肩辺りで切り揃え、目はクリッとしていて大きい。

 御夏が言うには、この4人は幼馴染みらしい。

 次は男子生徒が言う様だ。


 「僕は江館(えたち) 柳静(りゅうせい)。向こうで習ってたのは、ダンスかな。皆、仲良くしてね」


 柳静は所謂男の娘だ。

 黒い髪をそれなりに伸ばし、体も小さく、顔は女にしか見えない。

 次は女子生徒か。


 「わ、私は(みやび) 治予(ちよ)って言います。向こうでは、医療を勉強してました。皆さん、宜しくです」


 雅は地味な感じの女の子だな。

 黒い髪を三編みで一つに結び、前髪で顔を隠している。

 元の素材は良さそうなんだけどなー。

 ん?こっちみてる?

 あ、俺の番か。


 「俺は鏡 満月。向こうじゃ、中学までは家庭教師に色んな事を教えて貰ってた。皆、宜しくな!」

 「ちょっと待って!」


 俺が自己紹介したら唐草が待ったをかけた。


 「なんだよ?なんか質問でもあるのか?」

 「ええ、そうよ。貴方……鏡君はこんな不思議な事があっても平然としてたじゃない?それは何でなの?」

 「ああ、それは俺も気になるな。俺は社長になるために教育を受けたからだが、お前は何で冷静だったんだ?」

 「あ、僕も気になる」

 「私も!」

 「僕も!」

 「わ、私も」


 なんか、いきなり仲良くなってないか?

 まあ、それなら答えられるんだが。


 「ああ、それはだな。6歳の時に親父に戦争に連れて行かれてな。それからは、大概驚かなくなったな。だって凄かったんだぜ?俺の目の前で、人が血を出して、倒れてくんだから」

 「「「「「「…………………。」」」」」」


 皆、俺の言葉に絶句している。

 一番早く元に戻った深冬が聞いてくる。


 「な、なぁ、親父さんって何の仕事してたんだ?」

 「親父?何やってたかは知らないけど、家にはスーツを着た外国人がいっぱい来てたな。その人達は、親父の事、ボスって言ってたぞ」

 「そ、それって………。」


 深冬は、顔が青くなってないか?

 まあ、今はそれよりも。


 「なあ、御夏。この後はどうするんだ?」

 「ん?この後って、どういう事だ?」


 こいつ、分かってるくせに。


 「この後の行動の方針だよ。主に、俺達を奴隷にしようとした奴についてな」

 「ああ、それか。だが、それなら、お前がさっきやってたじゃないか」

 「え?さっき?鏡君がなんかやってたの?」


 皆、不思議そうな顔をしてるな。

 てか、こいつ聞いてたのか。


 「まあな。俺は、安全を確保するには、そいつを始末しなきゃいけないと思う。だから、そいつを探す相談をしようと思ってる」

 「いいんじゃないか?俺もそう考えていたところだ」

 「ち、ちょっと待って。さっきから、二人は何の話をしてるの?」


 ああ、こいつ等は気づいて無かったな。

 俺と御夏は、俺がさっき王様と密談の約束をした事を話した。


 「じゃあ、さっきの話は…」

 「王様にそいつを探して貰って、殺すって事だな」


 まあ、これを聞いたら、皆悩むよな。

 と、思ったんだが、そんなに悩んでないな。


 「あれ?なんか、驚いて無い?」

 「ああ、どうしてだ?結構、衝撃的な事だと思うんだが」

 「皆、女神様に言われてから、それ位は覚悟していたわよ。その時になったら、分かんないけど……」


 唐草の言葉に、皆も頷いている。

 そうだったのか。


 「じゃあ、この後は本当に自由行動か?」

 「ああ、もうやる事も無いしな」


 御夏のその言葉で、お開きになった。

 俺は、自分の部屋に戻って、考える。


 「あー、この後どうするかなー。書庫とか、あるかな?探してみるか」


 俺は部屋を出て、書庫を探して歩き始めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ