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勇者召喚!かと思ったら転生!?こうなったら精一杯生きてやる!!  作者: 冷星 夜姫
新しい家族~新たな始まり~
17/25

15話 使える魔法


 次の日、朝に俺は庭でエチスを待っていた。

 エチスに訓練は庭でやる、と言われたのだ。

 あ、来た!


 「お待たせしました、レミア様」

 「いえ、大丈夫ですよ。それで、これから何をするんですか?」

 「はい、今日はこれを使います」


 そう言って、エチスは丸い水晶を渡してきた。


 「これって、もしかして使える魔法属性を判別する……?」

 「知っていたのですか。レミア様、使ってみて下さい」


 エチスがそう言うので、魔力を水晶に流してみる。

 すると、前とは違い水晶には、無色、黒色、灰色の光が輝いた。

 おお、増えてる。

 無色は、確か無魔法だったっけ。

 エチスは、水晶の光を見て、目を見開いている。


 「さ、三属性!?レミア様が!?」

 「あー、そう言えば、三属性ってかなり珍しいんでしたっけ」

 「珍しいどころではありませんよ!三つの属性を使えるってだけで、国が欲しがってるんですから」

 「あの、その話しは後にして、訓練は何をするんですか?」

 「あ、そうでした。すいません、レミア様。年甲斐もなく、興奮してしまって。それで、訓練でしたね。レミア様のステータスには、どの魔法が載っていますか?」

 「闇魔法と時空魔法が載ってます」

 「そうですか。では、無魔法を使ってみて下さい。魔法は、念じれば使える魔法が分かりますよ」


 使える魔法はマテリアル・スレッドと言うみたいだ。

 スレッド……糸か。

 俺は右手を誰も居ない場所に向けて、魔力を集めて、まとまった糸が飛び出るイメージをする。


 「<マテリアル・スレッド>」


 すると、右手から糸がドバッ、と飛び出た。

 …………え?終わり?


 「あの、失敗、ですか?」

 「いえ、無魔法はこういうものです。無魔法は別名、物理魔法と言います。その名の通り、一時的に物質を作る魔法なんです。なので、他の魔法の様に、飛ばしたりは出来ず、作ったものを操るには別にスキルが必要です。糸の場合は、操糸術ですね」

 「無魔法か……。本当に他の魔法と全く違うんですね。魔法はどういう風に鍛えたら良いんですか?」


 魔法の鍛え方が全く分からないんだよな。

 エチスは淡々と教えてくれる。


 「魔法は慣れとイメージですね。より明確なイメージをして、使っていくと、慣れて自然に素早く使える様になりますよ」

 「じゃあ、これからは?」

 「ええ、魔法を一杯使うだけです。私も、メイド長としての仕事があるので、訓練が出来るのは一週間に一回になりますが、宜しいでしょうか?」

 「はい、それは勿論。エチスの本職はメイドですから。それより、魔法を使い続けるだけなら、今日はもう大丈夫ですよ。次の訓練の時に、進捗具合を確認して貰えれば」

 「では、お言葉に甘えさせて頂きます。失礼します、レミア様」

 「いえ、お仕事頑張って下さいね」


 エチスは屋敷の中に戻っていった。

 さて、じゃあ訓練を始めるか。


 (何の魔法からやるかだけど、闇魔法は一応勇者の時に使ったからな。無魔法もさっき使ったし、一度も使って無いのは時空魔法だけか)


 じゃあ、時空魔法を使ってみるかな。

 時空魔法で最初に使えるのは、アイテムボックスの様だ。

 アイテムボックスか、どうイメージすれば良いんだ?

 そもそも、仕舞う物が……あった。

 俺は庭から自室に戻る。

 部屋の机の上には、見た事が無い本が置いてあった。


 (ん?この本は……『魔法辞典』か。お父様とお母様が買ってくれたんだな)


 俺は椅子に座って、その本を読んでみる事にした。


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目次 一幕<火魔法>

   二幕<水魔法>

   三幕<風魔法>

   四幕<土魔法>

   五幕<無魔法>

   六幕<雷魔法>

   七幕<氷魔法>

   八幕<光魔法>

   九幕<闇魔法>

   十幕<時空魔法>


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 俺は時空魔法のページを開く。


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十幕<時空魔法>

 初級魔法

 ・<アイテムボックス>

  『異空間を作る。そこには生物は入れる事が出来ず、空間の広さは使用者の魔力に左右される。』

 上級魔法

 ・<未来予知>

  『世界に影響を与える未来を、断片的に見る事が出来る。その影響が良いか悪いかは、判断出来ない。』

 ・<空間斬り>

  『視界に入れたものを、空間ごと斬る。空間ごと斬るので、どんなものでも断ち切る事が出来る。』


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 (あれ、随分種類が少ないな。まあ、その分強力なのかな。珍しいから、知られてない魔法もあるだろうし)


 じゃあ、アイテムボックスを使ってみるか。

 俺はベッドの下から木箱を取りだし、蓋を開けて中の物を持ち上げる。

 そう、俺が仕舞おうと思ったのは、銀閃だ。

 小さい小太刀はこれから使うが、銀閃は暫く使え無いからな。

 俺は魔法名を唱える。

 魔力をとんでもなく使うが、イメージしなくても魔法は使えるのだ。


 「<アイテムボックス>」


 すると、ゆっくりと目の前に真っ黒な渦の様なものが現れた。

 試しに、銀閃を渦の中に入れてみる。

 すると、銀閃はすんなりと渦の中に入った。

 このままだと魔力の消費がきついので、一旦魔法を解く。

 渦は消え、そこには銀閃の姿は跡形も無い。

 今度は先程の渦の向こうに空間があるイメージをして、魔法名を唱える。

 今回は魔力もそれほど消費しなかった。

 どうやら、多くの魔力と維持する為の魔力が必要なのは、最初だけみたいだ。

 俺は渦の中に手を入れて、銀閃をイメージする。

 すると、確かに手に何かを握った感触がした。

 手を抜いてみると、銀閃が俺の手に握られた状態で出てきた。

 俺は銀閃をもう一度アイテムボックスに仕舞い、考える。


 (成功か。渦の展開速度も意外と速いけど、戦闘中には使えそうにないな)


 まあ、便利そうだし良いか。

 時空魔法は今のところこれしか使え無いから、違う魔法を使ってみるかな。

 だとしたら、やっぱり無魔法かな。

 俺は椅子に座り直し、また本を読む。


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五幕<無魔法>

 初級魔法

 ・<マテリアル・スレッド>

  『魔力で糸を造り出す。強度は使用者の魔力に左右される。魔力を送っている間は維持が出来て、長さも伸ばせる。』

 ・<マテリアル・シールド>

  『魔力で盾を造り出す。強度は使用者の魔力に左右される。使用中は宙に浮いていて、魔力を送っている間は維持出来る。』


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 (あれ?これは初級魔法しかない。無魔法はそんなに詳しく調べられてないのか?まあ、使える魔法の説明が読めて、助かったけど)


 じゃあ、次は闇魔法かな。


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九幕<闇魔法>

 初級魔法

 ・<ダークボール>

  『闇の球を造り出す。込めた魔力が切れるまでは、自由に動かせる。範囲は中距離。』

 ・<ダークランス>

  『闇の槍を造り出す。込めた魔力が切れるまでは、自由に動かせる。範囲は中距離。』

 ・<ダークアロー>

  『闇の矢を造り出す。込めた魔力が切れるまでは、自由に動かせる。範囲は遠距離。』

 中級魔法

 ・<ダーク・エンチャント>

  『闇の魔力を付与する。込めた魔力が切れるまで効果は持続する。触れているものに限る。』

 ・<ダークウェーブ>

  『闇の波動を放つ。込めた魔力により、効果範囲が変化する。』

 ・<ダークチェーン>

  『闇の鎖を造り出す。込めた魔力が切れるまでは、自由に動かせる。範囲は中距離。』

 ・<ダークレイン>

  『闇の雨を降らす。込めた魔力により、効果範囲が変化する。』

 ・<ダークファング>

  『闇の牙を放つ。放たれた牙は、目の前のものを噛みちぎる。範囲は近距離。』

 上級魔法

 ・<ダークドール>

  『闇の人形を造り出す。込めた魔力が切れるまでは自由に動かせる。視覚を共有する。込めた魔力により、効果範囲が変化する。』


〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆


 (多いな。まあ、まだ使えるのはダークボールだけだが。いつかは使ってみたいな)


 窓の外を見ると、既に太陽が真ん中まで上がっていた。


 (ヤベッ、そろそろ昼食の時間だ。ちょっと集中し過ぎたな)


 俺は本を閉じ、急いで昼食に向かった。



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