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2章:作図編


■買おう! ファンタジー世界の地図を描く

 ここでは地図作図の具体的な方法やら手順について説明していきます。

 ちなみに地図の描き方は「ファンタジー世界の地図を描く 著:Jared Blando」をかなりメチャクチャパク……参考にしています。あちらは作図ソフトなんて使ってませんが、ファンタジーな地図書きたい方にはオススメです。全128ページ。日本語訳版もあります。値段は見ずに買おう! いまamazonみたら日本語訳版が新品4,000円程でしたよ。




■グループとレイヤの説明

 まず作画画面のグループとレイヤについて説明しておきます。フォトショップやSai使ってる人なら察してもらえる機能かと。

 JWWを現実の紙で表現すると透明の紙を複数枚重ね合わせて描いていく……といった感じのものです。その紙がグループとレイヤー。一枚一枚を非表示、あるいは抜き取りする事で一時的に非表示に出来ます。非表示にする事で範囲選択による消去、修正が楽になるのでモノによってわけておく事を推奨です。


挿絵(By みてみん)


 とにかく種別ごとにレイヤは一々変えていってください。

 変えなくてもいいんですが、本当にこれやってるかやってないかで修正が面倒になるか楽になるかが決まります。とはいえ、ひとまずは練習用なので気にせずやってもらっても大丈夫です。




■スケールを変えましょう

 縮尺の設定です。

 細かな大きさとかどうでもいい、という方は次項まで飛ばしてください。


 設定しておくと現実の建物の大きさ、現実の都市の大きさを参考に図面に落とし込んだり、距離を測定したり面積測定するのに大変便利です。設定せずに現実に即した大きさで書こうとすると、画面をかなり拡大しないといけなくなります。


 具体的にどれぐらいのスケールにすればいいかと言うと描くものによりけりなんですが、世界地図なら1/1000000、都市の地図なら1/2500ぐらいでいいと思います。特に深い理由はありません。

 とはいえ、役所に提出するもんでもないのでお好みの大きさでどうぞ。


 また、既に何か描いているグループのスケールを変える場合、スケール変更場所の「図寸固定」のチェックをいれておかないとスケールに応じた大きさに拡大縮小される事になります。図の大きさを変えたくない場合は図寸固定を使いましょう。


挿絵(By みてみん)


 ちなみにグループ一つごとにスケールを設定する事が出来ます。逆にグループ変わると縮尺も変わるので、揃えてない場合は注意。

 グループもレイヤもそれぞれ名称をつけておく事が出来ます。スケール設定ボタンの横をクリックしてください。




■線の引き方練習

 基本的な線の引き方を解説します。

 線引きの基礎を抑えておけば基本無敵です。


 線をひくうえで使うのは角度・寸法指定で線のひける「/」ボタンと、「連線」ボタンの「手書き線」です。手書きの方はチェック入れて使ってください。

 手書き連線の方を主な境界線として使います。マウスで引くとイイ感じに手ブレが入って自然な海岸線等が描けます。「/」は建物等の人工物を描く用、もしくは修正等に使ってください。連線もまた直線の集合体なので。


 ただ、「/」の方は「水平・垂直」にチェックをいれば90度ずつに線を引けます。さらなる傾きの指定も可能で、建物図面とか描く時は非常に便利。定規みたいなもんと思ってください。

 また、寸法に値を入力するとその数字の線をピッタリ引けます。初期設定でm単位にチェック入れていると1=1メートルです。それをスケール事の大きさで引いています。キッチリ5mの建物を描きたい時などに便利です。

 1メートルより小さい線を指定して引きたい場合は「0.1」など小数点指定で描いてください。



 線は作図画面でマウスを左クリックする事で描き始めます。

 引きたいとこまで線を引いてから左クリックを押すと描き終わります。


 右クリックでも引けます。

 また、右クリックは近くにある交点等を自動で拾ってくれるので、超便利。

 線の終端まで拾ってくれます。


 線の引き方基本は以上です。これで基本無敵!




■その他、線関係で使えると便利な機能

 線の引き方については「複線」「コーナー」「伸縮」「中心線」と、「線角」「属取」などを覚えるとさらに便利になります。

 複線はあとで説明するんですが、それ以外はネットで使い方調べてください。使えると便利ですが全てを説明するのははめんど……面倒くさいんです。


 ただ、簡単に触りだけ解説しておくと、複線は既にある線を指定した間隔だけ離してコピー描画、コーナーは既に引いている2つの直線をつなぎ合わせすのを手伝ってくれて、伸縮は読んで字の如く線を伸ばしたり縮めたりしてくれます。中心線は直線の両端等を選択するとその中央に線を引いてくれます。線角は線の角度を調べてくれて直線引く時に便利です。


 属取はクリックした線や図形が描画されているグループ・レイヤに移動してくれて、「どこに描いたか」が直ぐわかるようになります。

 その上、クリックした線や図形を描画した時の設定を読み込んでくれるため、一々設定する手間が省けます。これ無いと困るほど便利。




■戻ると消去

 作図に便利なボタンを紹介します。

 「戻る」と「消去」ボタンです。戻るはブラウザや一般的なソフトと同じ、先の描画に戻るボタンです。


 戻るはさておき、消去については説明しておきます。

 消去ボタンを選択中、消したい線を「右」クリックするとその線が消えます。左でも消えますが個人的には右クリックばかり使ってます。

 左クリックは一本の線を二分割するのに便利。




■地図の描き方へ~まず海岸線を描く

 では、いい加減実際の描き方に移りましょう。


 まずは海と陸の境界線を描きます。

 大陸全体の地図を描くわけじゃなきゃ飛ばしてください。

 また、描くにしても河はひとまず描かなくてもいいです。


挿絵(By みてみん)


 練習として適当にブレまくりの丸でも描いてみてください。

 実際に使うものを描いていく時は現実の地図を参考にするのがオススメです。何事も資料大事。GoogleMapも画像検索もとても便利。


 ひとまずざっくりと描いて、あとから「消去」を使って湾や小島を書き込むのがオススメです。まとめて消去したい時には「範囲」ボタンで消したいところを選択し、選択状態で「消去」ボタンを押すとまとめて消せます。

 細かなところは消去で右クリックしてチマチマと消してください。




■海岸線を「複線」で増やす。

 ここで出来れば別レイヤーに変更してください。

 次はそれっぽい地図に見えるよう、海岸線を複線で増やします。

 先ほど引いていただいた線を囲う形で引きます。


 引く前に、線の色を変えましょう

 前章でもちょろっと説明していた線属性変更ボタンを使ってください。


挿絵(By みてみん)


 何色でもいいんですが、出来れば水色・青色系統の色にしてください。

 線色は設定の「色・画面」タブの各線色で変更可能です。


 次に「範囲」ボタンを押し、前項で貴方が描いた線を全て囲う形で範囲選択してください。線の色が範囲選択状態になって変わる筈です。

 選択状態のまま「複線」ボタンを押し、複線間隔の数値を入力してください。数字はおまかせ。ただ、あんまりデカい地図だと1000とか入力しないとろくに線が見えないので注意。さじ加減もおまかせ。割り箸が片方入る程度でしょうか。

 二重線に変化する筈なので、描いた大陸の外側に描画される状態に持っていき、マウスをクリックして決定してください。


挿絵(By みてみん)


 範囲選択と複線使えば一気にバーンと線が引けるのですが、海岸線引いてる時点であんまり細々と引いていると「ごちゃぁ……」とした交差しまくった複線が描かれます。特に小さな湾は酷いことに。

 その場合、そこだけ「消去」と「/」で自分で修正してください。


 水辺はこういった二重線を描いておくと見栄えがいい、と「ファンタジー世界の地図を描く」に書いてました。他にも見栄えを良くするテクニックが書かれているうえに日本語訳版もあるからみんな買おう!




■湖・島・河を付け加える

 ただの海岸線だけだと地味過ぎるので陸地内に湖、海岸線の外側などに島を描きましょう。これも海岸線レイヤー2種とはわけた方がいいかも。とにかく種類ごとでわけておく方が無難です。

 湖、島を描いた際も前項の要領で二重線を増やしておいてください。


 河についてですが、描き方が二種類ほどあります。

 一つ目は水系統の色で手書き連線で一本線を描くだけ。

 以下の例のように


挿絵(By みてみん)


 これの売りは楽な事ですが、拡大した地図で全てこれを使うと「河ちっさwwwwwww」とか言われかねません。そういう世界観なんだよ、で押す元気がある人か世界地図みたいに大きなものを描く人にオススメ。


 二つ目の方法は、河の河口部分にある海岸線を消し、大陸の内側から河の両端を地道に手書き連線で描くという方法。まあ地道にと言ってもそこまで手間ではないかと。お好みで使い分けてください。


 大きな地図なら河はもう描かないのも手です。




■山・森・丘等の自然アイコンを描く

 次は場所を示すアイコンを描いていきましょう。

 順序としては山、森、その他ぐらいの順番で描くといいと思います。というか河も山の後で描いていった方がいいかもです。山の水が集まっていって河になっていってたりしますし。


 問題は山や森、丘や岩石地帯を描くのはJWWだけだと難しい事です。

 始まったと思ったら頓挫する地図作成講座。


 何故、難しいかというとそういった自然物を描くとなると色もつけないと淡白なものになってしまい、言われないとそれとわからないのです。人工物、町であれば直線だけでも表現しやすいのですがー。


 以下、一応の対策。



①中学生ぐらいの色分け世界地図ぐらいで我慢する

 つまり、もう国境とかわかる程度で妥協するという対策になってない案。


②地道に連線で描く

 ある程度描いたらコピペすると多少楽に。見栄えはともかく。


③手書き連線で山岳領域を囲い、場所の名前を描く

 線で区分けして地名を描く。「マリモッコリ山岳地帯」とか「樹海」とか。


④アイコンを置く

 山や森を示すアイコンを置く。プラス場所の名前を書く、とか。

 アイコンの例は以下のものなど


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 山に限らず場所を表すものはシンプルなアイコンで表現しておくのも手です。

 例えば以下のようなものとか。


挿絵(By みてみん)


 例を外部ダウンローダーに上げようかと思ったんですが、アドレス書いたらまずいかなという事で書いてません。参考程度にしてね!

 また、アイコンに関してはGoogleあたりで「ファンタジー アイコン」とか描きたい種類のシンプルアイコンを画像検索すると参考になるものがゴロゴロあります。Googleは情報社会の神になろうとしている……。


⑤色で山と示す

 Jw-cadとは別のツールで色を塗る。FireAlpacaでの塗り方を簡単に後述します。




■町や人工物のアイコンを描く

 町は規模によって何軒かの建物を描いたりもしくは主要な都市以外は全て「点」ボタンで点を打って名前だけ添えておくのもラクチン。




■その他、描くといいかもしれないモノ

①国境や領域を示す境界

 国境など描く必要がある領域があれば手書き連線で描く。


②街道

 街道も必要であれば手書き連線、あるいはそこそこ拡大した地図なら街道の両端を描いておく。線種を変えて点線で描くのも手かと。


③橋

 河あるいは海や谷を渡るのに。


④滝

 表現するのがやや難しいですが、通常の河とは少し違うものを描いたり岩を添えたりして滝の名前を添えとくとかで。




■覚えておくと便利な「範囲・複写・移動」機能

 ちょろっと説明はした「範囲」ボタンですが、消去だけではなく複写や移動にも使う事が出来ます。複写はコピー、移動はそのまんま選択した部分を移動です。


 複写も移動も選択した時点で「基準点変更」のメニューボタンを押す事で、複写・移動する際にカーソルする部分を変更する事が出来ます。これの良いところは移動させる基準となる場所を移動先にピタリとつける事が出来る点です。線と線を繋げる移動が出来るという事です。

 また、複写は「連続」を押すと複写した結果と同じ距離同じ角度でコピペし続ける事が可能です。複線等に関しても同様の事が可能です。

 複写・移動元となった図形の倍率や回転角に関しても変える事が出来ます。


 複写・移動の複写先、移動先については「任意方向」「X方向」「Y方向」「XY方向」の四種類があります。任意方向以外は複写移動元のものを基準にXY座標だけで動かす事が可能です。




■JWWで簡単な色塗り

 FireAlpacaでの色付けを後で説明するのですが、Jw-cadでも色塗りは可能です。ただし色塗りというより色分け程度のもの。

 「多角形」ボタンの「任意」を押し、「ソリッド図形」と「任意色」にチェックを入れ、塗りたい色を「任意」ボタンを押して選択してください。

 「円・連続線指示」を押し、塗りたい図形をクリックするとその内側を一気に塗る事が出来ます、隣接したとこを色分けしたい場合はつながっている線を一時的に消したりしないといけません。

 JWWだけで色塗りすると最初に例示したようなものになります。


挿絵(By みてみん)




 JWW関係の操作はひとまず以上です。お疲れ様でした。

 次はJWWで作った地図の外部ツール加工、具体的には色付けなどについて説明していきます。


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