番外編 ジュンキチガイ 前編
どうも、鵜飼潤喜です。
実はこの間、作者と飲みに行きまして。
いっぱいざっくばらんに色んなこと話してきました。
やっぱり僕より坂上君のことよう知っていると思います。
坂上君もなんで自分がここまで頑張ってこれたんやろって疑問に思ってまして。
それは作者のおかげなんです。
坂上君は作者に感謝すべきなんです。
ところがそんな偉大な作者に僕は茶々入れてしもうた。
そこは申し訳ないなと。
でも坂上君は作者以上に感謝すべき人間がおります。
坂上君の両親です。おじいちゃんです。妹です。先輩、同期、後輩です。
みんなひっくるめて仲間なんです。
彼の体験談から作者の伝えたいことっていうのもよう理解できますわ。
にしてもいきなり事細かにストーリー進めるってしんどいと思いません?
僕は作者に他にやることあるからと、配慮していたつもりです。
決して陥れようとか、存在を書き消すつもり全くありませんでした。
でも僕のせいで作者の心を折ってしまった。
紛れもない事実から逃れることはできへんし、大変責任を感じています。
そんな僕が罰として、高校時代の恥を晒していきたいと思います。
ちなみに全国放送です。
その前に長い前振りを用意しました。
それは僕が高校3年夏、球児として最後の大会を前にキャプテンに就任した。
元々僕は副キャプテンでした。キャプテンが非業の死を遂げてしまったから。
その死の前日、僕がキャプテンと交わした最後の会話。
「なぁ、潤喜、明日俺死んだら、どうする?」
最初はいつものジョークやと思ってました。
でもその翌日、本当にあの世へ逝ってしまうなんて。
死んだらどうする、ってのは俺にしか言わんかった。
なんでみんなに黙っていたんや。
本当にそんな気持ちでした。
僕一人だけがキャプテンの気持ちを抱えていたようでした。
滅多に感情的にならない僕が、葬式会場で人目はばかることなく大泣きしてしまいました。
「〇〇、冗談にならん冗談は言わんといて。生きてたら、いつものように野球できるのに。」
彼の本心はわかりませんでした。
だから、僕は単純に、キャプテンのいないチームに違和感を持っていました。
しかし、僕はいつも彼に言い聞かせられてきたことを思い出していきました。
「潤喜、お前は真面目すぎるんだ。バカになったらどうだ。」
本気で自分の真面目さ、直向きさ、本当なら煙たがられてるはずでしたが、
幸いにもチームメートは僕の練習態度を見習ってくれていたんでしょうね。
みんな頼もしい存在でした。
実力的にも、人間的にも。
このチームなら行ける、と。
走攻守において完成度が高く、強豪の壁を破れば愛知激戦区を勝ち上れる、と。
確信がありました。
で、本当に行きました。甲子園に。
愛知で一番になりました。
まだまだ先を見ていました。今度は全国で一番になろう、と。
そうなんです。甲子園での恥です。自分でもこんなこと全国放送で言えたな、と。
選手宣誓もしたけどそれはまた今度にでも。
アナウンサー「初戦が滋賀県代表の彦根東に決まりました。鵜飼主将、今の心境、どうですか?」
鵜飼「えー・・・僕の父親の母校なので、複雑な思いはありますけど、」
(どうでもいいわーという雰囲気)
鵜飼「まぁ、正々堂々と戦ってお互い甲子園来て良かったなって思える試合にしていきたいです」
一言余計やろ?
僕昔っからいらんこと言う性格で嫌気さすんねん・・・。
でもな、ちゃんとフォローはしとるやろ?
世間を意識した発言も同時にできる高校生って大人やと思いません?
我ながら(笑)
ばれちゃったんでどうにもならんのですけど、
実は僕の両親は滋賀県出身で、
父の仕事の関係で名古屋に移住したんです。
父は先述の通り、彦根東という有名進学校を卒業して
名古屋大学を卒業し、国語の教師になったもののしくじって、
それから色々あって、予備校で社会の講師を務めております。
結構人気が高いみたいなんで、僕の父の授業聞いてる方々はありがとうございます。
母は八幡商業という滋賀県ナンバーワンの商業高校を出て、
OL、販売員、様々な職業を経験して、今はお店を経営しています。
実はそれを知ったのはつい最近のことで、
たまたま寄ってたキャバクラで話していた人がすごい自分の母に似ていたと思ったら、
自分の母親でした。
特に気まずくなく、頭の回転が良く腹黒い以外は普通にどこにでもいるようなキャバ嬢でした。
そもそも多くのキャバ嬢がそうかもしれませんが。
もし彼女に人生相談に乗ってもらいたかったら、
酒を飲むこと、飯を頼むこと前提でお店に来て欲しいと思います。
へへっ、自分で言うてて噴き出しそうになりましたわ。
では続きは後半で。