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バント職人
朝。神戸市にて。
「やぁ、ジュンキ!」
「やぁ、レイカ!」
2人が決まって会う場所である。
広島と名古屋の中間だからだ。
お互いこの日は丸々休日だから、のんびり2人の時間を過ごせる。
2人が真っ先に向かったのは・・・
バッティングセンターだった・・・!
(コツン!)
「おっしゃーこれで84球連続バント・・・」
「息切らしてるぞー、大丈夫かー!」
鵜飼潤喜、地味なファッションで恋愛にオクテでヲタクの印象を与える彼は実は元高校球児である。
赤星選手に憧れて大府高校に入学し、今時珍しく県立高校から甲子園出場を成し遂げている。
控え選手だったが、代打で出場し、
インハイの豪速球を3塁方向に転がして送りバントを決めたのは、
彼の武勇伝の一つとなっている。
ちなみに左打ちである。
(コーン!)
「はい!ジュンキ君100球連続ならず!」
「くそー!なにっ、もう99球?全然実感わかなかった(笑)」
無駄にというわけでもないが、彼の凄い集中力が野球に活かされているのは確かだ。