彩雲への飛翔
翡翠の穿つ
水面に 崩れる
蒼穹
瞬膜の鎖す
瞳孔に 留まる
刹那
秒刻の詰る
断章に そよぐ
湲潺
波間に沈む
一片の雲
銀鱗は 散乱し
飛沫に煌く
かの両翼
彩雲へ 飛翔し
樹上に咲くは
白桃の花
囀りは 木霊して
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後書き
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Archibald MacLeish「一瞬の永遠」
及び
Paul Celan「声たち」
から影響をうけています。(ただし断章取義に近いですが)
主催者である 蠍座の黒猫 さん の
「今感じていることは、次の瞬間に変化します。
時の流れの中で、全ては移り行くものですから。
わたしたちのこの空のように。
一瞬の彩雲。これこそが詩の真実だとわたしは感じています。」
という言葉に、上記の二つの詩が頭にはじけた次第です。
三連目は時間という連続なものから、一瞬を「断章」し見て居ることに、詰られているとかんじたことがあるから、そのまま表現しました。
全体としては、シーンごとに区切って、跳びこんだ物が、また飛び込む前のもとの場所に戻り、そしてその後、という経過を書きました。これは、雲が「巡るもの」であるという認識から来ているのだと考えます。