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妙な学園生活  作者: rouge
4/20

マイケル?

ん〜……

今日はなんだか、目覚ましが鳴ってないのに目が覚めた。

そうか、学校へ行きたくないからだ…

くっそぉーミクめ……

下へ降りると、昨日と同様、朝食が出来ていた。

なんとも朝がよく感じられる…

いやいや、今はそれどころではない。

「おはよ!使途っ!」

俺にジャンプで飛びついてきたミク…

しがみ付いたミクを、無理やり剥がす。

「いいか、朝から過激なのはやめてくれ」

「朝じゃなかったらいいのねっ!?じゃあ今日の放課後、学校の体育か……」

「死ね」

さっさと朝食を食べ始める。

ミクも、俺の隣に楽しそうに座って食べる。

なんでこんなに元気なんだ……

そりゃそうか…コイツには何にも関係ないもんな…

俺は同級生じゃなく、ただの世話してくれるお兄さん的な……

ん?俺のほうが世話してもらってないか?

ミクは自分の食器を片付けている。

なんて世話しない子だ。

ちょっと見直した。

「ミクは使途のお嫁さん〜今は違ってもそうなるよ〜♪」

スマン。さっきの撤回だ。

鼻歌がおかしいだろ…

「なぁ。お前、今の俺の心境分かってる?」

「早く彼女がほしい」

く…痛いところをついてきやがる。

「お前、危機感なさすぎ…」

「なんであたしが危機を感じなきゃいけないの?」

「俺とお前が一緒に生活してるとおかしいだろ」

やっぱりガキはガキだ…

許して、ごめんなさい、で済むと思ってやがる…

そんなんで済めば警察(いるが)いらないんだよ!

でも、今回の場合はどちらかと言うと弁護士がほしい。

俺のフォローをしていただきたい。

「大丈夫よ〜あたし昨日、神様にお願いしたからっ!」

おぉ!なぜ俺は気づかなかった!

「じゃあ光は忘れてるのか?」

「ううん。忘れさせるのは無理だから、お友達ってことにしておいた」

それはそれでまずいのでは…

しかし、状況はマシになった。

学校への足取りが軽くなる。

おっと、時間がない。

「ミク!学校行くぞ!」

ミクがびっくりした顔をしている。

「別々じゃないとまずいんじゃないの?」

あぁそうだった。

「スマン、先に行く」

先に家を飛び出す。

そういやアイツ、どこに制服とか置いてあるんだ?

いやいや、望めばすぐに出てくるか…

よっしゃー学校ギリギリセーフ!

教室へ勢いおく飛び込む。

男子の視線が、昨日に増して痛い…

席につくと、数人の男子に囲まれる。

「使途くぅ〜ん?君、もうミクちゃんと仲良くなったってねぇ〜本当かぁ〜い?」

「あ……あぁ、分からないこと教えてあげたら…そうなった」

バコン!

ひやぁ〜机を思いっきり叩かれた。

「君は何もしなくていいんだよ〜僕たちが教えるから〜」

俺は事情聴取される犯人かよぉ…

男子たちの後ろで、光が笑ってやがる。

あとでコロス。

ガラガラガラ

やったぁ〜先生だぁ…助かったぁ!

「コラコ〜ラ!この人〜ハ悪くないです〜ヨ」

は?

「お前、誰だ!?」

男子達の間を通って、俺の真横に立つ。

「ワタクシ〜ハこの人の弁護士〜で、あるのデ〜ス」

「誰?」

「マイケル=インチキ、デ〜ス」

確かにインチキだ。

なんでこんなやつが学校にいるんだ…

「あぁー!!!」

そうだ…俺が弁護士に来てほしいと思ったんだ…

「おい、使途!お前知り合いか?」

「いや、まったく知らん。つか、知りたくない」

みんな一斉に頷く。

「それ〜は、それ〜は、ヒッド〜イんじゃ、あ〜りませ〜んカ!?」

みんなの顔がやつれ始めた…

「使途、許してやるからコイツどうにかしろ…」

「ワタクシ〜はこの人〜の弁護士〜だって、言ってる〜じゃないです〜カ」

うぜぇ…

ガラガラガラ

「みんな早く席に………誰だ!?お前は!?」

「おやお〜や、見つかってしま〜いましたネ」

「不審者だぁーーーー!!!!!」

大声で怒鳴った先生…

「ホッホッホ。ワタクシ〜はこれにてさら〜ばでゴザル〜」

おい、ホントにインチキだな。

最後に日本の文化盗んで行きやがったぞ。

教室から一目散に逃げていった。

「なんだったんだ……アイツ…」

みんな俺のことなど目もくれず、席についた。

なんだかんだと言って、俺助かったじゃん!

いつの間にか後ろには、ミクが来ていた。


その後は、不審者が現れたときの対処法を学ぶため、全校集会が行われた。

めんどくさいとは思ったが、ミクとのことがばれるよりマシだ。

それにアイツ(マイケル)のおかげで若干、助かったしな。

今日も一日が終わり、光と一緒に帰る。

「なぁお前、俺のこと…」

「ゴメンっ!誤るから許してっ!」

先に手を打たれた。

「……………………………うん」

すげぇ思い空気だ……

「じゃあな」

すっげー気まずかった。

別れ道に、こんなにも喜びを感じるとは…

「あ…今日は俺、お前ん家行くのやめとくよ」

「よろこんで」

そりゃ君も来づらいでしょうね。

しかし、こっちにもそれ以上に来てほしくない理由があるのだよ。

「ん、じゃあな」

光と別れた。

あぁ…今日は凛と喋ってないな…

それどころか、光ともまともに喋ってないんじゃないのか?

まぁばれなかっただけよしとしよう。

家へ着いた。

ん?灯が点いていない。ミクいないんじゃないか?

「ただいま…」

シ〜ン

「いないじゃん」

家の隅々まで探したが、見当たらない。

まさか、変な人に捕まったり?

だが、あんなガキ捕まえてもねぇ…

いや、万が一と言うこともあり得る。

「ぷっ」

何真剣に考えてるんだ俺は……

あんなやつ、いなくなっても別に…………よくない。

アイツのおかげで、飯とか作ってもらえてるしなぁ。

でもそんな理由じゃ馬鹿みたいだし、一応俺がめんどうを見る役になってる(気がする)から、探したほうがいいって理由はどうだ?

しかし探しに行ってどうもなかったら、俺馬鹿じゃんか。

どうするべきかなぁ…

ふと、ミクの笑顔が頭を過ぎる。

……………

……あぁ、もう!

家を飛び出す。

俺、相当馬鹿だ。俺のおせっかいめ!

「あ、帰ってたの!?」

ぶはっ…

まさか玄関を飛び出て即、会うとは…

「ゴメン、もうお前のことは心配しない」

あぁ…ストレート投げてくると見せかけて、変化球が実は来る、と思ったが裏の裏をかいて、ストレートを投げてくると想定してバットを振ったら、変化球で合ってて、空振り三振した感じの気分だ。

(まったく意味が分からないかも知れないが、なんとか理解してくれ)

「もしかして、心配してくれてたの!?」

一応、ガキのお守りってことでな…

「なんて優しい人なの!?胸が高鳴る、どきどきする。そう、これこそが恋…恋なのねー!?」

やめてほしい…

「お前、演劇部か?」

「違うわよ。なんで?」

もういい……

家へ入り、テレビをつける。

ニュースが始まるところだった。

「こんにちは、視聴率が低いニュースです」

認めてるんだ……

「速報です。今日午前、都内の学校に不法侵入した、マイケル=インチキ容疑者が捕まったとのことです。彼は、インチキな日本語で、事情聴取を受け答えてます。」

「ぶ……捕まったのかよ」

夕飯の準備をしていたミクがこちらを見る。

「あぁ、朝いた人?」

「そう」

マイケルどうなったんだろう…

「以上で、視聴率が低いニュースを終わります」

は?

????

「ってこらー!今始まったばっかじゃねーか!」

わけわかんねぇよ。

「短気な男ねぇ。光る箱に向かって怒鳴っても、仕方ないじゃない」

「こんな番組許されるのか?」

はぁっと、ため息をつき俺の前に来る。

「いい?番組がやってたら、成り立ってるの。それでいいの。」

ダメだろ。

夕食を食べようと、椅子に座りながらふと思った。

「ところで、なんでお前が飯を作ってくれてるんだ?」

俺が無理に押し付けたわけでもないし、そんな趣味もない。

「何言ってるの?ペットに餌をやるのは当たり前じゃない」

何様だてめー。

「お前はここの家の主が誰か、分かってるのか?」

は〜!?と言って詰め寄ってきた。

「あたしよ、あ・た・し!」

死ね。

勝手に上がりこんで、居候してるくせに…

「だからあんたは、あたしの犬。黙ってここにいればいいの」

あ〜そうかいそうかい。俺は犬かい。

お前の意見はすべて無視しよう。

さっさと飯を食べ終えて、二階へ上がっていく。

「あたしがいないからって、1人で変なことしちゃだめよー!」

「誰がするか!」

つくづく可愛げのないやつめ…

でも、ミクが来てから少しは家が楽しいな。

そういやアイツ、学校ではほとんどみないな…

当たり前か。この二日間、寝て、全校集会をしただけだ。

明日は、普通の学校生活が送れるといいな…

ほんとに。

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