ノーマークの襲撃
年齢不詳の
チンピラ4人
妄想まがいの
被害者意識
見当違いの
復讐心
独りよがりの
劣等感
果てなく募る
絶望感
4人それぞれ
悶々と
気分うっ積
意気投合
ひまつぶしなら
これに限ると
気の向くままに
襲撃決行!
静まり返った
暗闇の街
煌々とライトきらめく
真夜中の別世界
そう
狙うは哀れ
ごくありふれた
ガソリンスタンド
襲撃の
鉄則は
とにもかくにも
間抜けなカモの
完全支配
意のままに
服従するまで
すごんで脅して
殴って蹴って
命令に
情けも容赦も…
あれ?
ないはずだったのに
バイトのまねして
店に出りゃ
夜中もけっこう
客は来る
ガソリンを顔に
ぶちまけたくも
なるような
エゴ丸出しの
ドライバー
仁義のかけらも
身についてない
やくざのパシリ
職権をかさに
たかり常習の
警察官
ああ
この世の中
どうなってんだ
カモに構ってる
ヒマもない
上には上
いや
下には下が
いたもんだ
夜の暗闇に
見捨てられた
治外法権の一角で
思う存分
暴れまくって
憂さ晴らし
するはずだった
チンピラ4人
自分のことは
棚に上げ
いつのまにやら
無我夢中
頭じゃないんだ
血が騒ぐ
誰に頼まれた
わけでもないが
そりゃあんまりだ
許せねえ
このガソリンスタンド
荒らす気か
ちとその前に
顔貸しな
相手してやる
こっちはもともと
暇なんだ
何をトチ狂ったか
やむにやまれぬ
自警団
どこで筋書き狂ったか
無手勝流の
世直し団
堪忍袋も
緒が切れた
ガソリンノズルを
左手に
100円ライター
右手にすごめば
悪党も警官も
一緒くた
地に突っ伏して
一人残らず
恐怖に凍る
そしたら
やおら盛大に
ノズルから
あらん限りの
ガソリンを
噴水みたいに
振りまいて
そろそろ潮時
退場だ
とっくのむかしに
気は済んだ
被害者意識も
復讐心も
劣等感も
絶望も
ガソリンもろとも
いつの間にやら
雲散霧消
できることなら
火も投げ込んで
奴らと一緒に
燃やしちまいくらいだが
おっとそいつは
あんまりにも
不謹慎だな
前言撤回!
無秩序に
ゆがんだ一夜は
やがて明ける
斜に構えた
チンピラ4人の
性根にも
そろそろ朝は
やって来る




