クモをつつくような話 2026 その2
5月6日。晴れのち曇り。最低11度C。最高22度C。
午前9時。
うちの玄関に居着いているマダラヒメグモ2匹とユウレイちゃんBが住居から出ていた。室温16.9度Cと暖かいせいだろう。
ユウレイちゃんBの不規則網には体長7ミリほどの黒くて細め体型のハエ(多分。捕まえても刺そうとしなかったし)を落とし込んであげる。すぐに近寄って、じゃまになりそうな糸を噛み切ってから糸を巻きつけ始めるユウレイちゃんBだった。
午前10時。
ヒルガオが1輪だけ咲いていた。
民家の庭に体長15ミリほどのオニグモがいた。円網の直径は約60センチ。この時間帯に円網で待機しているということは、休眠から覚めたばかりで空腹なんだろう。そこらで捕まえた体長7ミリほどのアリを円網に投げ込んであげる。
ゴミグモの4ミリ君が脱皮していた。体はほとんど黒くなっているのだが、お尻の一部に明るい茶色の部分がある。まだ亜成体という段階のようだ。横糸はまだ張っていないが、明日の朝までに張るだろう。
2.5ミリちゃんには体長4ミリほどのアリをあげておく。
午後1時。
光源氏ポイントには体長15ミリほどのゴミグモが2匹いた。獲物が多いんだろうな。
その近くの落葉広葉樹の幹にいたオニグモは動いた様子がない。夜の間だけ円網を張っているのか、あるいは休眠から覚めたばかりで働く気になれないのかもしれない。
バッタの子虫の群れは3個になっていた。
ガードレールの内側にいるコガネグモ(多分)の7ミリちゃんは体長10ミリほどになっていた。隠れ帯は4本。
その隣の子の体長は7ミリほどになっていた。隠れ帯は下側に4分の1サイズが2本。
午後4時。
今日は調子こいて95キロ走ってしまった。血圧は95と58。風呂に入ったりしたら倒れるな。
5月7日。曇りのち晴れ。最低15度C。最高23度C。
午前9時。
ユウレイちゃんBはまだハエを食べている。頭胸部を下に向け、第二脚と第三脚を使って獲物を支えているようだ。
午前10時。
民家の庭のオニグモは円網を張り替えて住居に戻ったらしかった。うーん……まだ夜行性に移行する時期ではないという判断なのかもしれない。
ゴミグモの2.5ミリちゃんには体長4ミリほどのアリをあげた。
4ミリちゃんはまだ横糸を張っていない。
午後1時。
光源氏ポイントにはゴミグモの雌が3匹いた。そのうちの2匹の円網の近くには、それぞれ雄が1匹ずつ待機している。で、その雄の1匹のお尻と脚には薄茶色の部分があるのだった。ゴミグモの雄にとっての今年の流行はワンポイントの薄茶色なのかもしれない。〔んなわけ……ないとは言えないかもしれない〕
カーブの外側の矢印看板の裏には体長15ミリほどで、茶色のお尻が饅頭のように丸いクモがいた。オニグモの仲間のような体型なのだが、新海栄一著『日本のクモ』にはそれらしいクモが掲載されていない。太りすぎたヤエンオニグモかもしれない。
広葉樹の幹のバッタの子虫の集団は2個になっていた。
1台の自販機の前面に体長6ミリほどのコガネグモの幼体(多分)が円網を張っていた。コガネグモは亜成体までは密な枝葉やガードレールのような壁の前に小さな円網を張ることを基本としているようだ。これは壁にとまるために低速で接近してくる飛行性昆虫を捕獲するための網だろう。成体になったら開けた場所に大きな円網を張って、高速で飛んでいるコガネムシの仲間を狙うわけだ。
午後2時。
マーガレットの花の上にハナグモと体長15ミリほどのコアオハナムグリ(多分)が2匹ずついた。
午後4時。
ユウレイちゃんBはハエを食べ終えて住居に戻っていた。
5月8日。曇りのち雨。最低17度C。最高24度C。
午前6時。
民家の庭のオニグモは円網を張り替えていなかった。夜行性に移行するために張り替え時間を1日半ずらすつもりなのか、あるいは引っ越したかだと思う。
体長6ミリほどになっているゴミグモの2.5ミリちゃんには体長4ミリほどの翅付き昆虫をあげた。
隣の4ミリ君は体長8ミリほどになっている。おそらく、もうオトナだ。2.5ミリちゃんがオトナになるまでこのまま待ち続けるつもりなのではないかと思う。
ユウレイちゃんBの不規則網がある辺りに体長10ミリほどのダンゴムシを転がし込んだのだが、3回試しても吊り上げられなかった。これはハズレだと思う。どう考えても、あの長すぎる脚はダンゴムシ向きだとは思えないし。
なお、『クモ生理生態辞典2019(編集中)編集/池田博明』というサイトによると、ユウレイグモの仲間の不規則網にはヒメグモ科のクモのそれと同じような粘球付きの糸があるという論文もあるようだ。著者はあの新海明だが……。
午前9時。
ユウレイちゃんBにあげようとしたダンゴムシはマダラヒメグモの右前隅ちゃんが仕留めていた。無益な殺生をせずに済んだわけだ。
午前10時。
光源氏ポイントに体長7ミリほどのヤエンオニグモの幼体がいた。
落葉広葉樹の幹にいるオニグモの近くから糸が伸びていて、円網の残骸に繋がっていた。休眠から覚めたのかもしれない。お尻はまだ凹んでいるが。
午後1時。
ユウレイちゃんBの不規則網に体長5ミリほどの活きのいいアリを落とし込んでみた。素早くアリに駆け寄ったユウレイちゃんBは不規則網の糸を噛み切りながら糸を巻きつけている。うーん……ユウレイちゃんBと同じくらいの体長のダンゴムシを試してみるべきかもしれないんだが、お尻が丸くなっている右前隅ちゃんにはあまり食べさせたくないのだよなあ……。
午後2時。
行き倒れのハチを拾った。スズメバチ体型で体長は25ミリほど。全体に黒っぽく、特にお尻には黄色い横帯がなくて真っ黒。
『スズメバチ亜科』というサイトに掲載されている中で一番近いのはチャイロスズメバチの雄なのだが、断言はしかねる。
5月9日。晴れ一時雨。最低12度C。最高23度C。
午前10時。
ゴミグモの2.5ミリちゃんの円網に体長5ミリほどのアリを投げ込んだ。
体長25ミリほどのガガンボを捕まえてしまったので、うちのユウレイちゃんBの不規則網に落とし込んだ……のだが、住居にこもっていたユウレイちゃんBは住居から飛びだして、円を描くように激しく体を揺らしたのだった。これはユウレイグモの仲間が危険を感じた時の行動である(個人的に「ブレイクダンス行動」と呼称している)。「こんな大っきいの無理!」ということだったのか、住居にこもっていたことから考えると、脱皮前とかで食欲がまったくなかったのかもしれない。
ガガンボは回収して、マダラヒメグモの右前隅ちゃんの不規則網に落とし込んだのだが、右奥ちゃんも不規則網の隅まで逃げてしまった。大きすぎたんだろうな。やれやれ……小型の獲物は捕まえることさえ難しいというのに……。
午後4時。
第三のユウレイグモが現れた。体長は5ミリほど。今は玄関の天井にいる。
「ええい、作者の部屋はユウレイ屋敷か!」
とりあえず「ユウレイちゃんC」と命名しておく。
5月10日。晴れ。最低9度C。最高24度C。
午前7時。
マダラヒメグモの右奥ちゃんの不規則網に体長10ミリほどの球形になっているダンゴムシを転がし込んだ。右奥ちゃんはダンゴムシが動き始めたところで吊り上げたらしかった。
ユウレイちゃんCは10センチくらい移動していた。
ユウレイちゃんBの不規則網がある辺りのコンクリート面を体長4ミリほどのアリに歩かせてみたのだが、吊り上げられなかった。障害物に接触した様子もないから、ユウレイちゃんBの不規則網の糸はコンクリート面まで届いていないと思う。
ユウレイちゃんBには獲物をあげてしまったが、すでに姿を消してしまったユウレイちゃんは天井近くに不規則網を張っていたし、ユウレイちゃんCは今も天井近くを1日10センチくらいのペースで移動している。また、十王ダムのトイレにいたイエユウレイグモたちも、成体は天井近くにいたのに対して、多数の子グモたちは個室の床から50センチくらいまでの範囲にいた。さらにユウレイちゃんBはじゃまな不規則網の糸を噛み切るようだ。
まだ観察中ではあるが、以上のような観察結果から、体長5ミリ以上のイエユウレイグモは翅を休めるために壁や天井に接近してきた小型昆虫を狙うクモだと作者は思う。また、長い脚や糸を噛み切るような動作を見せることから、不規則網を張るクモでありながら円網を張るクモに近い狩りをするようだとも言えるだろう。
午前10時。
ゴミグモの2.5ミリちゃんの円網に体長6ミリほどのアリを投げ込んでみた。2.5ミリちゃんは暴れるアリに手こずっている様子だったが、最終的には必殺のバーベキューロールで捕帯を巻きつけていた。
多分、そういうことにはならないと思うのだが、2.5ミリちゃんが今年中にオトナになれなかったら4ミリ君はどうするんだろう? オトナのまま、もう一度越冬するのか? それとも2.5ミリちゃんを諦めて他の雌をさがすのだろうか?
5月11日。晴れ。最低14度C。最高23度C。
午前10時。
ユウレイちゃんCは20センチくらい移動していた。
ゴミグモの2.5ミリちゃんには体長5ミリほどのアリをあげた。
午前11時。
光源氏ポイントではゴミグモの雄たちが全員姿を消していた。なんとまあ、2日間観察をサボっている間に雌たちがオトナになって、交接を済ませた雄たちは立ち去ったということらしい。まいったね。
落葉広葉樹のバッタの群れは5個になっていた。で、群れの中のバッタの体長が7ミリほどになっている。実はこれはバッタの成長パターンとは違っているのらしい。つまり、こいつらはバッタではないというわけだ。クモではないのだからどうでもいいのだが。
午後1時。
ツユクサとジャガイモの花が咲いていた。
5月12日。晴れ。最低13度C。最高23度C。
午前9時。
ユウレイちゃんBが住居から2センチくらい出ていた。そのお尻は出会った頃の2倍くらいの太さで、濃い茶褐色になっている。イエユウレイグモのお尻もヒメグモと同じように中身が透けて見えるセクシー仕様であるのらしい。〔……スケベ……〕
午前10時。
ゴミグモの2.5ミリちゃんは横糸を張り替えていなかったのだが、もうすでに体長5ミリほどのアリを用意してしまっていたので、円網に投げ込んだ。2.5ミリちゃんはそこそこ積極的に捕帯を巻きつけてくれたが、明日はそっとしておくべきだろうな。
午後6時。
ユウレイちゃんCは10センチくらい移動していたのだが、今は元の位置に戻っている。不規則網を広げているのかもしれない。うちの壁や天井は白いので、よほど汚れない限りはクモの糸など見えやしないのだ。
5月13日。晴れのち雨。最低12度C。最高24度C。
午前10時。
ゴミグモの4ミリちゃんがいなくなっていた。2.5ミリちゃんがオトナになるまで待てなかったのらしい。
ユウレイちゃんCの不規則網に体長5ミリほどのアリを投げ込もうとしたのだが、下から投げたのでは何度試してもはね返されてしまう。上から落とし込むようにしないとかからないようだ。
※落ちたアリはユウレイちゃんBがおいしくいただきました。
午後1時。
木造ガレージにはオニグモの仲間のものらしい円網が2枚張ってあった。
午後2時。
ふと気が付くと、西の地平線が黒い雲に覆われている。あわてて天気予報をチェックすると、30分後に雨が降り出すのらしい。これはいかん。帰宅することにする。
5月14日。晴れ一時雨。最低13度C。最高20度C。
午前4時。
血圧は181と108。めちゃくちゃだ。寝たり、長時間座ったりしなければ上がらないような気もするのだが、そいうわけにもいかないしなあ……。
部屋の天井近くに体長12ミリほどのガガンボがいたので、キャスター付きの椅子の上に乗って捕まえた。〔危険です。よい子は真似してはいけません〕
玄関に踏み台を2個重ねて50センチの高さにして――。〔たいへん危険です。よい子も悪い子も真似してはいけません〕
その上に乗ってユウレイちゃんCがいる辺りにガガンボを放してみた。
するとユウレイちゃんCは天井に沿って飛ぶガガンボを50センチくらい先まで追いかけていった。ガガンボが壁にとまると、獲物がどこにいるのかわからない様子でその近くに待機していたのだが、ガガンボが再び飛び始めると、壁沿いに下方へ60センチくらいまで追いかけて、そこで仕留めたらしかった。
というわけで、ユウレイちゃんCはコガネグモの雌成体の円網並みの巨大な不規則を展開していたのかもしれない。
しかし、ユウレイちゃんBの不規則網はどう考えても、幅30センチ、高さ25センチくらいの範囲でしかないはずだ。ということは、獲物がかからないようなら不規則網を大きくしていくということなのかもしれない(ユウレイちゃんBとCが同じ種であるとして、だが)。
約30分後、ユウレイちゃんCはガガンボを天井近くまで吊り上げていた。なお、この作業にはヒメグモ科のクモと同じように粘球糸を使ったようだ。
さらに20分後、その場所でガガンボを食べている様子だった。なお、そこはユウレイちゃんCが待機していた場所から約55センチ離れている。ホームポジションという概念がかなりルーズなクモである。
というわけで、うちのイエユウレイグモたちはカのようなゆっくり飛ぶ軽量級の昆虫を狙うクモであるようだ。また、獲物がじっとしていると糸が振動しないので、その位置がわからなくなってしまうという可能性もあるだろう。
午後3時。
ユウレイちゃんCはガガンボを食べ終えていた。
マダラヒメグモのガス漏れ警報器ちゃんの卵のうを回収して掃除した。卵のうは15個。十分な量の獲物をあげられなかったせいだな。
5月15日。曇りのち晴れ。最低11度C。最高20度C。
午前4時。
いつの間にかマダラヒメグモの右前隅ちゃんが産卵していた。卵のうが9個になっている。
ユウレイちゃんCはホームポジションを右方向へ45センチくらいの位置に変更したようだ。不規則網には円網のように明確な中心がないのだし、この子の不規則網の幅はおそらく80センチくらいはあるので、その範囲内であれば、どこをホームポジションにしてもいいという考え方なのかもしれない。あるいは、本来のホームポジションまで戻るのがめんどくさいのか、だな。なお、ユウレイちゃんBの不規則網の幅はせいぜい30センチくらいしかないようだ。
もしかすると、イエユウレイグモ(多分)は、獲物がかかるまで、ただひたすらに不規則網を広げていくのかもしれない。ヒメグモ科のクモのように高密度な網を張るのでなければ、そういう定住しない狩猟採集民のような生き方もできそうな気がする。
ああっと、それがイエユウレイグモ本来の生き方なのだとしたら、ユウレイちゃんBは作者がそのクモ生に干渉したために道を踏み外してしまったのだということになるかもしれない。まあ……ユウレイちゃんBとユウレイちゃんCは別種であるという可能性もないとは言えないかもしれないのだがね。
午前5時。
ユウレイちゃんCが左方向へ65センチくらい移動していた。2日前のホームポジションを20センチくらい通り過ぎている。
……わかった。これがユウレイちゃんCの生き方なのだ。どこであれ、不規則網の中ならば、そこがホームポジションになるのだろう。ヒメグモ科のクモと比べると徘徊性のクモ寄りの生き方と言えるかもしれない。
「ヒメグモ科とは違うのだよ。ヒメグモ科とは!」
午前11時。
ゴミグモの2.5ミリちゃんは横糸を張っていなかった。
午後3時。
今、新しいロードバイクを組んでいる。というか、完成車を購入したので、バラして組み直している。ところが、どうも後輪がうまくはまらないのである。チェックしてみると、なんと、後ろの変速機を取り付ける金具がひん曲がっている! この部品はフレーム本体を守るために曲がりやすくできているのだが、乗る前から故障しているとは思わなかったよ。ボトルケージを取り付けるための雌ねじも1ヶ所潰れていたから初心者が組み立てたのかもしれない。
まあ、この程度はよくあることなので、確保してあった予備のフレームからエンドブラケットを外して交換する。潰れている雌ねじもタップを使って切り直す。長すぎるステアリングコラムものこぎりでカットした。シートポスト(サドルの支柱)は使えないわけではないのだが、昔買ったロードバイクに付いていたシートポストの方が使いやすいので換えてしまう。サドルもクランクもハンドルも後ろの変速機も交換。車輪も交換する予定だ。
つまり、フレーム以外はざっと80%くらいの部品を換えてしまわないと作者にとって乗りやすいロードバイクにならないのである。やれやれ……。
5月16日。晴れ時々曇り。最低11度C。最高24度C。
午前10時。
ゴミグモの2.5ミリちゃんは今日も横糸を張っていなかった。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんには体長12ミリほどのダンゴムシ、右奥ちゃんには体長4ミリほどの黒い甲虫をあげた。
ユウレイちゃんBの不規則網には後脚が花粉で黄色くなっている体長8ミリほどのハチの仲間(多分)を落とし込んだ(今回はポリ袋を使ったので刺されてはいない)。獲物に駆け寄ったユウレイちゃんBは、まず糸を巻きつけ、獲物の周囲の糸を噛み切りながら、さらに糸を巻きつけている。
ユウレイちゃんCには体長8ミリほどの黒い甲虫をあげようと思ったのだが、何回やり直しても不規則網に届かない。ユウレイちゃんCはコンクリート面から約2.5メートルの高さにいるので、70センチくらいの踏み台か脚立があればいいのだが、普段使わない物は置きたくないのである。
ロードバイクなら常用1台、予備1台、室内練習用1台、フレーム2セットくらいはあってもいいのだがね。特に最近はディスクブレーキの流行によって、リムを挟んで制動するリムブレーキ仕様のロードバイクは絶滅危惧種になりつつある。予備を確保しておかないと、乗りたくても手に入らないという状況になる可能性があるのだ。
午後1時。
サイクリング中に左足首の上辺りに痛いような痒いような感覚があったので、走りながら下を見ると、なんと、体長7ミリほどのテントウムシの幼虫がいる! 舗装路脇の草地に払い落とすと、足に直径2ミリくらいの赤い点があった。これは咬まれていたとしか思えない。「体長の118倍です!」という巨大な怪物に食らいつくとは、天晴れというか向こう見ずというか……。まったくテントウムシの幼虫は要注意なのであるなあ。〔…………〕
ガードレールの曲がった部分にいたコガネグモの仲間の幼体2匹はいなくなっていた。その代わりに体長4ミリほどのコガネグモの仲間の幼体が1匹、円網を張っていた。この程度の体長の幼体なので、当然、お尻は白から濃い茶褐色までのグラデーションである。
※「コガネグモの仲間の幼体はガードレールを好む」という論文を書いても嘘にはならないかもしれない。誰か書いてみる?
で、この幼体を撮影しようと思って草地に入り込んだら、サイクリングシューズとソックスに緑色のアブラムシが10匹くらいくっついてきた。全部取り除くのは大変だったよ。
木造ガレージにはオニグモのものらしい円網が2枚残されていた。
その横糸に粘球が並んでいるのが見えたので、撮影したのだが、その画像を拡大してみると、並んでいる粘球が赤から薄青色までの色になっているのだった。さらに、ピントが合っていない部分では中心部が赤みがかった白色、周辺部のボケが青くなっている。これは光の屈折で説明できると思うが、面白い現象である。
午後5時。
ユウレイちゃんBはまだハチを食べている。体長5ミリのユウレイグモにとってはかなりの大物なんだろう。
ユウレイちゃんCの不規則網には光源氏ポイントで捕まえた体長5ミリほどのアリを、踏み台を2段重ねにして投げ込んだのだが、すでに力尽きているせいか、知らん顔をされてしまった。……と思ったら、30分くらい後にはちゃんと食べている。どうにも行動を予想するのが難しいクモである。
午後6時。
血圧は93と43。ひさびさの二桁血圧である。脳貧血が起こることを予想したのだが、そういう時に限って起こらない。おそらく油断した時に起こるんだろう。困ったものだ。
午後10時。
注文しておいたエンドブラケットが届いたので取り付けようと思ったのだが、形状が微妙に合わない。「2024年までのモデルに対応」と書かれていたから、2025年に形状が変わったのかもしれない。しょうがない。ヤスリで削って修正してから取り付けた。
5月17日。晴れ。最低12度C。最高25度C。
午前3時。
ユウレイちゃんCはアリを食べ終えたらしかった。
ユウレイちゃんBはまだハチを食べている。体が小さいだけに獲物を食べる能力も低いのだろう。なお、そのお尻はカラスウリの実のような形になっている。
午前9時。
ユウレイちゃんBを撮影しようと思ってカメラを近づけていったら、不規則網の糸に触れてしまったらしい。獲物を咥えたまま、ナガコガネグモのように腹背方向に体を揺らされた。大きな獲物を咥えたままではブレイクダンスができないので、コガネグモやナガコガネグモのような腕立て伏せ行動をしたということらしい。
ユウレイちゃんCは向かって右へ10センチくらい移動していた。ユウレイちゃんBはホームポジションも住居もマダラヒメグモと同じように決めているのだけどなあ……。もしかして、ユウレイちゃんBとユウレイちゃんCは別種のクモなのか? あるいは、住居にしやすいような場所があるかないかが影響しているという可能性もあるかもしれない。わからん。
午後1時。
体長10ミリほどのハチのような体型のハエ(つかんでも刺されなかった)をユウレイちゃんCの不規則網に投げ込んでみたのだが、ハエが羽ばたくと外れて落ちてしまう。落ちたハエを捕まえて数回やり直したのだが、結果は同じだった。
少なくとも、ユウレイちゃんCの不規則網はマダラヒメグモのそれと比べて糸の密度が低いようだ。捕捉できるのは体長5ミリほどのアリくらいまでかもしれない。カやカゲロウやガガンボのような翅が細長くてゆっくり飛ぶ軽量な昆虫がベストなんだろうけどなあ……。
午後4時。
ユウレイちゃんBはハエを食べ終えていた。
5月18日。晴れ。最低12度C。最高27度C。
午前6時。
ユウレイちゃんCがいない……と思ったら、台所方向へ1.6メートルくらい移動していた。獲物はあげているし、お尻も少しは太くなっているのに、どうして引っ越しをするんだろう? 脚が長いと歩きまわりたくなるのか?
玄関先にクサカゲロウがいたので、捕虫網で捕まえてユウレイちゃんCの近くに投げ込んであげた。それなのに、20センチくらい逃げるんだ、こいつは!
そこで新海栄一著『日本のクモ』を開いてみると「ユウレイグモ」の体長は「♀、♂4~6㎜」と書かれている(イエユウレイグモは「♀、♂8~10㎜」)。ユウレイちゃんCがユウレイグモで、しかもオトナの雄であるならば、雌を訪ねて三千里の旅に出たという可能性もあるかもしれない。
マダラヒメグモの右奥ちゃんの不規則網には体長10ミリほどのダンゴムシを転がし込んだ。右奥ちゃんは知らん顔をしているが、ダンゴムシが歩き出せば捕食するだろう。
午前7時。
マダラヒメグモの右奥ちゃんはダンゴムシを吊り上げていた。
ユウレイちゃんCはほぼ元の位置に戻っている。空腹ではないのかもしれない。クサカゲロウはもう一度捕まえてリリースした。
玄関先を体長8ミリほどのダンゴムシが歩いていたので、捕まえてマダラヒメグモの右前隅ちゃんの不規則網に落とし込んでおく。
午前10時。
ゴミグモの2.5ミリちゃんは緑色の翅付きアブラムシに捕帯を巻きつけているところだった。もちろん、円網には横糸が張ってある。
午後11時。
部屋の中に昆虫がいたので一瞬喜んでしまったのだが、よく見たらカメムシだった。「森へお帰り」をするしかないなあ。
5月19日。晴れ。最低15度C。最高31度C。
午前10時。
ゴミグモの2.5ミリちゃんは今日も横糸を張っていた。
体長8ミリほどのアリを捕まえたので、ユウレイちゃんBの不規則網に落とし込んだのだが、ブレイクダンスをされてしまった。その直径は約5センチ。「体長の10倍です!」というダイナミックなダンスである。〔同じギャグばかりだと飽きられるぞ〕
20分くらい後にはアリに食いついていたが、翅が付いていない獲物は5ミリから6ミリくらいがユウレイちゃんBの限界なのかもしれない。
午前11時。
またペダルを踏み外した。集中力が低下している時にサイクリングするのは危険なのである。
午後1時。
用水路ポイントへ行ってみると、ガードレールの裏に体長15ミリほどのコガネグモが円網を張っていた。隠れ帯はX字形に4本。
その近くには円網に隠れ帯を3本付けている体長6ミリほどの子と体長5ミリほどの6本脚の子もいた。
午後3時。
左のソックスが真っ赤になっているので早めに帰宅した。サイクリングシューズやロードバイクのフレームにも血が付いている。
「血痕、するって、本当ですか~」〔それは「結婚」だ! そもそも今時の子は知らないぞ、ダ・カーポなんか〕
軽い脳貧血の症状が出たので血圧を測ってみると71と44だった。気温が高いせいだとは思うが低すぎだな。
5月20日。晴れ一時雨。最低17度C。最高28度C。
午前1時。
ユウレイちゃんBは住居に戻っていた。アリは食べ終えたらしい。
もしかすると、ユウレイちゃんBとCはカップルなのかもしれない。ユウレイちゃんBの獲物に対する積極性とユウレイちゃんCの消極性は卵を産む必要がある雌と交接するだけでいい雄の差だと仮定すれば説明しやすいような気がするのだ。この仮説が正しかった場合、ユウレイちゃんBは次の脱皮でオトナになって交接することになるんじゃないかと思う。
午前11時。
光源氏ポイントにいるゴミグモの1匹が産卵していた。
オドリコソウがまだ咲いていた。意外に長期間咲いている花であるようだ。日陰を好む花だからかもしれない。
水田脇の用水路の中に咲いていたキショウブを撮影した。なんと外来種らしい。
午後3時。
自販機の近くで休憩しようと思ってロードバイクを降りたら、脳貧血が出た。
「対低血圧、対転倒防御!」
とっさに頭を下げる。心臓と脳の高さを近くすれば血圧が低下しても脳に動脈血が届く。それで酸素供給を続けることができるのだ。
午後4時。
帰宅して血圧を測ると八〇と五〇だった。こんなこともあろうかと、昨日の夕食後から降圧剤を服用していない。気温が高い日にはそれだけで血圧が下がるので、降圧剤は危険なのである。とりあえず、最高気温が30度C以上になる日には降圧剤は服用しないことにしようと思う。
今の主治医は「血圧は低い方がいい」などと言っているくらいだから、血圧がゼロになったら人間は死ぬのだということを知らないんだろうが、患者としては10年後に起こるかもしれない脳梗塞や心筋梗塞よりも今日の脳貧血の方が危険なのである。
午後8時。
明日は雨の予報が出ていたので、今日は100キロ走ってしまったのだが、首と肩と腹筋と背筋が痛い。ハンドルを5ミリ高くしようと思う。年寄りはスピードを上げるよりも楽に走れるようにする方を優先するべきなのだ。
午後10時。
台所の隅に体長2ミリほどの赤黒いクモがいた。不規則網を張っているようだから、マダラヒメグモの幼体だろう。
ユウレイちゃんBの姿が見えない……と思ったら、直線距離で3メートルくらい離れた天井の隅を歩いていた。壁を登って天井を歩いたとすると、道のりは5メートルくらいになるだろう。脚が長いとこういうこともできるのだな。
午後11時。
ユウレイちゃんBは、とうとうユウレイちゃんCがいる場所から1メートルくらいの位置まで移動していた。道のりは9メートルくらいになるだろう。「雄が来ないのならあたしが出向くわ」ということなのかもしれない。徘徊性のクモほど速いわけではないのだが、歩き続ける能力はかなり高いようだ。
5月21日。雨時々曇り。最低16度C。最高17度C。
午後3時。
ユウレイちゃんBはまったく移動していない。おそらく、そこは脱皮してオトナになったらすぐに交接できるポジションなのだろう。
5月22日。雨のち曇り。最低14度C。最高15度C。
午前6時。
ユウレイちゃんBの姿が見えない……と思ったら、さらに3メートルほど離れた流し台の上の位置で天井を歩いていた。不規則網の位置を起点とすると、2次元的には10メートルくらい移動したことになる。
「ええい! ユウレイちゃんBは徘徊性のクモか!」〔脚が長いとはこういうことさ〕
ユウレイちゃんCが移動した様子はないから、交接するために近寄ったわけではなかったのかもしれない。もちろん、交接してから元の位置に戻ったという可能性もあるが。
午前7時。
ユウレイちゃんBをまた見失ったので探していたら、天井からクモの脱皮殻がぶら下がっているのに気が付いた。ユウレイちゃんBの徘徊ルート上だから徘徊の途中で脱皮したんだろう。それがいつだったのかはわからないが。
msnというサイトに『「DNAはDNAから」じゃなかった? 細菌酵素が原理を揺るがす…教科書再編の可能性』という記事が掲載されていた。
「米スタンフォード大学の研究チームは、たんぱく質を鋳型としてDNAを合成する細菌由来の酵素を確認し、研究成果を16日(現地時間)、国際学術誌「サイエンス」に発表した」ということらしい。
DNAは3個の塩基で1個のアミノ酸をコードしている(DNAに書き込まれている情報はアミノ酸の配列だけではないらしいが)。RNAはそれを3個のRNA塩基に翻訳し、その情報を基に各種のアミノ酸を順に繋いでタンパク質が合成されるわけだ。それならタンパク質(アミノ酸の並び)➝RNA塩基の並び➝DNA塩基の並びという逆転写ができても不思議はないわけである。タンパク質からDNAへの直接転写があるとは思わなかったが。
何度も言うようだが、作者は「地球上で生まれた最初の生命はたんぱく質だったはずだ」派だ。こういう発見は喜ばしい。
午前10時。
ユウレイちゃんBはさらに2メートルくらい移動して天井の隅にいた。もともと天井を散歩するのが好きな子だったのらしい。あるいは、脱皮して徘徊性になったのか、だな。
踏み台に乗って近くから観察したら、ユウレイちゃんBの体長は7ミリほどになっているのがわかった。新海栄一著『日本のクモ』では、ユウレイグモの体長は雌も雄も「4~6ミリ」、イエユウレイグモは「8~10ミリ」とされている。というわけで、うちのユウレイちゃんBはイエユウレイグモの幼体かもしれない。今以上に大きくなるようならイエユウレイグモで決まりだろう。
午後1時。
マダラヒメグモの左前隅ちゃんの卵のうを回収した。卵のうを1個ずつ外すのには箸が便利だ。もちろん、作業が終わったら洗っておく。〔…………〕
ついでにコンクリート面に墜ちている白いウ〇コも洗い流しておく。これでリフォーム完了。次はどんな子が入居してくれるか楽しみだ。
5月23日。曇り時々晴れ。最低11度C。最高17度C。
午前6時。
ユウレイちゃんBはまったく動いていない。やることが極端なクモである。
ユウレイちゃんCは5センチくらい移動したかもしれない。5センチだと誤差の範囲内のような気もするが。
午前10時。
ゴミグモの2.5ミリちゃんが横糸を張っていたので、体長7ミリほどのアリをあげておく。オトナになっても4ミリ君はもういないんだが……。
午後1時。
一部が曲げられている広葉樹の葉を見つけたので、そうっと覗いて見てみたらヤエンオニグモらしいクモがいた。
午後2時。
体長20ミリほどのハチが小さな巣の上にいた。越冬した女王だろう。
5月24日。曇り時々晴れ。最低13度C。最高22度C。
午前1時。
なんとなく血圧を測ってみたら、なんと203と90! どうも眠るのがよくないようだが、眠らないというわけにもいかない。降圧剤を飲むべきかもしれない。
午前10時。
血圧は174と95。降圧剤を飲もう。脳貧血は対策できそうだし。
ゴミグモの2.5ミリちゃんがいなくなっていた。数本の枠糸しか残っていない。ゴミごと引っ越したのならあまり遠くへは行けないはずだが、見える範囲にはいないようだ。
スーパーの北西の角辺りに体長4ミリクラスのオニグモの仲間の幼体2匹が円網を張っていた。やや大きめの子には体長5ミリほどのアリ、その後ろにいる小さめの子には同じくらいの黒い飛行性昆虫をあげておく。
午前11時。
ユウレイちゃんBは台所の反対側の天井と壁の境目辺りまで約2.2メートル移動していた。天井と壁の境目を辿ったとすると3メートルくらいになる。不規則網まで張っているとは思えないが、天井も壁も白いので確認できない。
ユウレイちゃんCも天井の近くを15センチくらい移動していた。昨日よりも暖かいせいかもしれない。
その不規則網に体長10ミリほどのハエの仲間(お尻は白と黒の横縞模様だが、翅は2枚しかない)を投げ込もうとしたのだが、届かなかった。イエユウレイグモを育てるのには小バエを養殖して捕獲効率を上げるしかないのかもしれない。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんの不規則網には体長15ミリほどのダンゴムシを落とし込んだ。何度も言うようだが、作者はロードバイク乗りなので、ダンゴムシを不規則網に向かって歩かせるなどというやり方は嫌いだ。手間のかかる観察は論文屋さんがやればいいだろう。
午後10時。
ユウレイちゃんBが30センチくらい移動していた。
5月25日。晴れ時々曇り。最低15度C。最高25度C。
午前9時。
ユウレイちゃんBは壁に沿って30センチくらい移動していた。
マダラヒメグモの右奥ちゃんの不規則網に体長7ミリほどのダンゴムシを落とし込んであげた。
玄関先に体長3ミリほどのハエトリグモがいた。頭胸部とお尻がグレーでオレンジ色の脚に黒いソックスを履いている。おそらく幼体だろうが、一人前に第一脚を振り上げるのがかわいらしい。それはいいとして、困ったことに新海栄一著『日本のクモ』を開いてみても、それらしいクモが見当たらない。クモにはよくある成長すると体色が変化するタイプなのかもしれない。
午前10時。
ゴミグモの2.5ミリちゃんの姿は見つけられなかった。4ミリ君を訪ねて三千里の旅に出たのかもしれない。一途な子である。〔過度な擬人化は危険だぞ〕
読者に楽しんでもらえればそれでいいのだ。論文じゃないんだから。
オニグモの3ミリちゃんは今日も円網で待機していたが、その後ろの小さめちゃんは円網だけを残していた。
午後1時。
光源氏ポイントの近くの電柱の脇にオニグモのものらしい円網が残されていた。直径は60センチ以上だったから体長15ミリ以上の子のものだろう。
この円網には体長7ミリほどのカが1匹と体長3ミリ以下の小型昆虫が33匹かかっていた。さらに体長10ミリほどのアシナガグモの仲間とギンメッキゴミグモも1匹ずつ居候している。
光源氏ポイントにはゴミグモの卵のう1個ちゃんの他に、ゴミリボンの中に卵のうを2個付けている子もいた。低木の枝葉が被さっているので見落としていたようだ。〔迂闊なやつめ〕
さらに勘違いも1件。ここにはまだ産卵していないゴミグモも2匹いるのだが、なんと、片方の子の円網の係留糸に雄が1匹乗っていたのだ! つまり、この子はまだオトナになっていなかったのである。まいったね。
他のゴミグモたちとほぼ同じ大きさだったので、もうオトナだと思い込んでしまったのだなあ。
「そんなこともあるさ、人間だもの」
午後2時。
堤防の上の舗装路に体長……もとい、頭部の先端から尻尾の後端までだから「全長」だ。全長1.5メートルほどのアオダイショウがいた。この子は草地に逃げ込んだので、先回りしてお顔を撮影する。よく見るとつぶらな瞳がかわいい子である。
※ヘビにはまぶたがない。したがって、正しくは「つぶれない瞳」かもしれない。
午後8時。
『日経サイエンス』202607号に「クモの奇術」として、ペルーやフィリピン、マダガスカルで集めたゴミグモ属のクモがゴミを使って巨大なクモに見えるものを作ることが報告されていた。「この構造は主にハチドリやハビロイトトンボなどの捕食者からの防御として機能していると研究チームは考えている」のだそうだ。
作者も過去に一度だけ、妙なゴミグモを見つけたので近寄ってみたら、脚をたたんだゴミグモよりも一回り大きなゴミリボンだったのを観察したことがある。
日本産ゴミグモは密な枝葉の前に円網を張っていることが多いが、これはコガネグモなら幼体限定の習性だ。おそらく、ゴミグモの仲間は翅を休めるために減速した昆虫を狙っているんだろう。この場合、コガネグモのように積極的に獲物を捕食して、その年のうちに産卵してクモ生を終えていくということは難しくなるだろうが、それは越冬することで対応すればいいわけだ。ゴミグモの仲間は、早く成長することよりも安全確実に生きていくことを選んだのではないかと思う。
202607号には「心臓病の意外な火元」という記事もあって、キーコンセプトの囲みには「脂質の針状結晶が招く免疫系の誤作動」として
「米国の医師たちは長年、心臓病の4大リスク要因(高血圧、喫煙、高い「悪玉」LDLコレステロール値、二型糖尿病)を持たない患者が心臓病で亡くなるのを目の当たりにしてきた」
「動脈内に蓄積したコレステロールは針のような結晶になり、血管を傷つけ、免疫系の過剰反応を引き起こす。それにより、慢性炎症が生じるのだ」
「慢性炎症こそが心血管疾患を危険で致命的な状態へと加速させる隠れた要因かもしれない。炎症を鎮めることで心血管疾患のリスクを減らせる可能性がある」と書いてある。
うーん……作者は免疫系が過剰反応を起こしやすい体質なのでステロイド剤を常用して免疫系の働きを抑制し続けているのだが……心筋梗塞で死ぬことになるのかもしれないなあ。まあ、あと2年でやるべき事はやり終える予定だし、それに対する評価を見届けるにしてもあと3年生きられれば十分だ。気にしないことにしよう。
202607号には「心臓病・腎臓病・糖尿病の隠れた繋がり」「CKM症候群とは?」という記事もある。「キーコンセプト」には「別々の病気ではなかった」として
「心臓病と腎臓病、糖尿病などの代謝異常は、脂肪細胞の異常や慢性炎症、インスリン抵抗性を介して強く結び付いている」
「CKM症候群は、従来は別々に扱われてきたこれらの病気を、臓器どうしが影響し合いながら進行する一連の病態として捉え直す考え方だ」
「GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬の登場で、CKM症候群の複数の病態をまとめて治療できる可能性が広がっている」のだそうだ。
作者は何もそんなに無理して治療しなくてもいいんじゃないかと思うのだけどなあ……。人間は40歳を過ぎたら筋力や持久力も注意力や思考力も低下する一方なんだから、生きられないのなら死ねばいいんじゃないのか?
人間も生き物だ。生き物は死ぬ物だ。したがって人間が死ぬのは当たり前だ。医者や薬屋を儲けさせるために、他人に迷惑をかけてまで長生きをする必要があるとは思えないんだが……。どうしても生きなければならない事情を抱えている人間も多いんだろうかなあ。わからん。
さらに「カビる美術館」という記事もある。「乾燥に強いカビが美術館に侵入して収蔵品を食い荒らし隠蔽と気候変動がその拡散を助長している」のだそうだ。
カビが発生しないようにと湿度を下げている収蔵庫内に低湿度環境でも生きられるカビが進入して大問題になっているのらしい。
他のカビが生きられないような環境に耐えられるような形質を獲得すれば、そういう環境を独占できるわけだ。カビではないが、古細菌には間欠泉やブラックスモーカー、油田、塩田、塩湖、強酸、強アルカリなどの環境で生きている種もいるそうだ。
「人間とは違うのだよ、人間とは!」
5月26日。曇り時々晴れ。最低16度C。最高25度C。
午前1時。
ユウレイちゃんBは台所の天井の壁際を行ったり来たりしているようだ。なぜ定住しないのかわからない。
午前5時。
両腿の内側がけいれんしてしまった。疲れているのだなあ。
午前10時。
オニグモの3ミリちゃんは獲物を仕留めたところだった。
小さめちゃんは円網を張っていない。
5月27日。曇り時々晴れ。最低18度C。最高25度C。
午前9時。
ユニットバスの中で体長7ミリほどのクモが死んでいた。小さな水たまりの中で溺れてしまったらしい。浴槽だとよくそういうことがあるのだ。〔…………〕
風呂に入らなければいいんだろうけどなあ……。
午前10時。
光源氏ポイントで体長2ミリほどのジョロウグモの幼体を2匹見つけた。1匹は同じくらいの体長でオレンジ色の獲物を食べている……いやいや、逆にヒメグモの幼体に食われているのかもしれない。角度が悪くて確認できない。
ここには、その他にもやや小さめのクモが6匹いた。円網を張っているから、この子たちもジョロウグモの幼体だろう。
今日はゴミグモの卵のう1個ちゃんの円網に指を置いてみた。卵のう1個ちゃんはすぐにゴミリボンの中から出てきて、第一脚2本を指に乗せてくれた。
午前11時。
太陽の周囲にリング状の虹が出ていた。撮影するのは難しい被写体なのだが、一応シャッターを切っておく。なんとかリングは撮れたものの、虹の色がどうしても出せない。残念。
用水路ポイントにいたコガネグモは今日も隠れ帯をX字形に4本付けていた。
ある自販機の裏には体長15ミリほどのアシナガグモらしいクモがいた。
その近くには体長10ミリほどのカマキリの子虫もいた。翅はまだないが、1人前のカマキリ体型である。
午後5時。
スーパーの西側で新たに体長3ミリほどのオニグモの幼体(多分)を見つけたので、その円網に体長5ミリほどのアリを少し弱らせてから投げ込んだのだが、円網を突き抜けてしまった。3ミリちゃんにも円網を揺らされてしまう。いかんいかん。年のせいか、すぐに基本を忘れてしまうのだ。
アリをもう1匹捕まえて、今度は浅い角度で円網に落とし込む。3ミリちゃんはアリに近寄ったのだが、途中でUターンしてホームポジションに戻ってしまう。が、そのまま観察していると、もう一度そろそろと近寄って、いったんアリの上に回り込んでから下側に入り込んで捕帯を投げ上げ始めた。
台詞をアテるなら「獲物!……え? 何これ、大っきい! 無理無理。……でも食べたいなあ……ええい、こうしてやる!」というところである。こういう行動が見られるから大きめの獲物を投げ込むのはやめられないのだ。
オニグモの小さめちゃんは古い円網を回収しているところだった。夜行性に移行するつもりらしい。
帰宅してみると、ユウレイちゃんBが30センチくらい移動していた。空腹なんだろうな。何かあげてみようかなあ……。
5月28日。曇り時々晴れ。最低21度C。最高28度C。
午前8時。
玄関の天井の隅に体長5ミリほどのカニグモの仲間らしいクモがいた。まったく、次から次へと……。おそらく、クモが歩いた後に残されているしおり糸を辿ってやって来るんだろう。クモ観察者としてはありがたいことではあるのだが、この部屋はクモ向きの獲物が少ないんだよなあ……。
午前9時。
このところ毛虫の脱皮殻をよく見る。しっかり毛が生えていて、まるで体長が短くなった毛虫のようだ。
午後1時。
ユウレイちゃんBは反対側の壁際にいた。1.7メートルくらい移動したことになる。
「ええい、ユウレイちゃんBは徘徊性のクモか!」〔そのギャグは2度目だぞ〕
どうも不規則網は張っていないようだ。お尻が細くなるまではただ見守るべきかもしれない。
ユウレイちゃんCはほとんど動いていない。この子はオトナの雄なんじゃないかという気がする。
玄関の壁に薄緑色の脱皮殻があるのに気が付いた。床面から1.6メートルくらい。これはうちのカニグモちゃんのものだろうと思って探してみると、天井の隅にいた。床面から2.3メートルくらいの高さだ。
天井近くを好むクモが多いということは、そういう場所を好む獲物も多いということだと思う。どんな獲物なのかわからないし、この部屋にもいるのかどうかもわからないが。
今日もレジ袋1個分のゴミを持ち帰った。茨城県には猿が多いのだ。
午後7時。
小雨が降っている。
スーパーの西側で横糸を張っている途中の体長17ミリほどのオニグモを見つけた。触肢に球状のものが付いているから雄だ。雄はどうでもいいや。〔性差別はよくないぞ〕
それは人間だけの話。クモの場合、雌と雄には明確な役割分担が存在するのだ。
5月29日。曇りのち晴れ。最低22度C。最高32度C。
午前1時。
ユウレイちゃんBは3.4メートルくらい移動して、ユウレイちゃんCから70センチくらいの場所にいる。
カニグモちゃんも3メートルくらい移動して冷蔵庫の上辺りにいる。
じっとしているのはユウレイちゃんCだけだなあ。
オニグモの4ミリちゃんは1本の糸の上に乗っていた。細かい雨が降っているので円網を張る気にもなれないんだろう。
午前7時。
うちのカニグモちゃんの姿が見えない。網を張らないタイプのクモは自由にどこへでも行けるのだ。脚が届く範囲の獲物しか狩ることはできないが、花の上のような場所で待っていれば獲物の方から寄って来てくれる。コストパフォーマンスは十分に高いかもしれない。
午前11時。
オニグモの17ミリ君が円網で待機していた。何なんだ、これは? 24時間営業か? 何を考えているんだ、こいつは?
ユウレイちゃんBは動いた様子がない。もしかすると、この子は網を張っていないのかもしれない。長い脚を使って直接天井からぶら下がれば網はいらないと言えないこともないかもしれない。そして、これほど長期間網を張らないのだとしたら、ユウレイちゃんBは産卵前なのかもしれない。〔「~かもしれない」が多すぎる〕
ユウレイちゃんBの体長はユウレイグモなら十分にオトナ、イエユウレイグモだとしてもギリギリでオトナの範囲内なのだ。そして、5月21日頃に交接したとすると、そろそろ産卵してもおかしくはないのである。
スーパーの西側ではルリチュウレンジの幼虫4匹がツツジの若葉を食べていた。コガネムシの成虫も同じなのだが、古い葉は食べたくないのらしい。
午後6時。
気が付くと、ユウレイちゃんBが台所方向へ70センチくらい移動していた。ガスコンロを使ったので天井付近の室温が上がったのかもしれない 。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんと右奥ちゃんの不規則網には、それぞれ体長5ミリほどのアリを落とし込んだ。アリの場合は最初から糸を巻きつけるようだ。
午後9時。
ユウレイちゃんCは玄関方向へ20センチくらい戻っていた。何なんだろう、これは? 散歩か?
午後10時。
今、スーパーの西側には体長4ミリ以下のオニグモの幼体(多分)が少なくとも6匹いる。この子たちはいつ出のうしたのかが気になったのでウィキペディアの「オニグモ」のページを開いてみたら「秋に孵化し卵囊内で幼生越冬……」と書かれていた。というわけで、この子たちはこの春に出のうしたのかもしれない。
5月30日。晴れ。最低14度C。最高30度C。
午後7時。
部屋の中で体長7ミリほどのアリを見つけた……と思ったのだが、何かおかしい。歩き方がアリらしくないような気がする。この子はアリグモかもしれない。
うちのカニグモちゃんがまた現れた。今は天井の隅にいる。なお、この子は頭胸部と脚が薄緑色で白っぽいお尻に濃い茶褐色の点が4個あるからコハナグモかもしれない。その場合、雌の体長は「4~8ミリ」雄は「3~4ミリ」(新海栄一著『日本のクモ』による)だそうだから、コハナグモの雌ということになりそうだ。
午後10時。
うちのコハナグモちゃんがユウレイちゃんCに食われている。種名がわかったばかりだというのに……。
第一脚と第二脚で獲物を抱え込んだ状態で牙を打ち込むというのがカニグモの仲間の狩りだ。それに対してユウレイグモの仲間は、はるかに遠い間合いから糸を巻きつけて獲物の抵抗を封じることができる。自転車乗りにとってのクルマのように、闘ってはいけない相手と闘ってしまったのだな。合掌。
※獲物が糸(捕帯を含む)を巻きつけるタイプのクモだったならば、巻きつけられる糸から逃れるための方法を知っていた可能性はあるかもしれない。そうでなければ、クモ食いのオナガグモが巨大な粘球付きの糸を投げつける必要もないはずだ。しかし、ジョロウグモの雌が他のジョロウグモに捕食されたという観察例もある。実験してみないとわからんな。もちろん、作者はやらないが。
午後11時。
オニグモの17ミリ君は小さな羽虫だらけの円網で待機していた。
5月31日。晴れ時々曇り。最低17度C。最高30度C。
午前10時。
ユウレイちゃんCはまだコハナグモを食べている。人間ならばブタを1頭食べるようなものだ。時間がかかるのは当たり前だな。
スーパーの西側で円網を張っていたのはオニグモの4ミリちゃんだけだった。少し大きくなったような気もするから、脱皮直後で空腹なのかもしれない。
午後10時。
ユウレイちゃんCはコハナグモを食べ終えたらしかった。そのお尻はナスのような形になっている。
6月1日。晴れ時々曇り。最低17度C。最高31度C。
午前1時。
ふと気が付くと、マダラヒメグモの右前隅ちゃんのお尻が小さくなっていた。産卵したらしい。卵のうが10個になっている。
午後2時。
外へ出る気にもならないので寝転がって本を読んでいたら、左肘の辺りを何かが歩いている。起き上がって確認すると、うちのアリグモちゃんである。屋主のじゃまをするような子は許しがたい。「森へお帰り」をさせてもらう。
午後10時。
オニグモの四ミリちゃんが円網を張り替えていた。この子は24時間営業をしているような気がする。「早くオトナになりたーい」というタイプなんだろうか? 体長五ミリほどのアリをあげておく。
スーパーの東側には全長12センチほどのヤモリがいた。ヤモリは大きな目がチャームポイントだな。夜行性のせいだろうけど。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんの不規則網には体長15ミリほどのダンゴムシを落とし込んだ。産卵祝いである。
どうにもやる気がしなくて、もう4日間サイクリングしていない。顔が丸くなってしまった。
6月2日。曇り時々晴れ。最低17度C。最高28度C。
午後5時。
サングラスのレンズにクラックが入っていたので交換した。
ついでにサイクルコンピュータを、すでにカタログから消えているモデルに交換。いままで使っていたモデルは3000キロ毎に電池交換をしていたのだが、これが実に手間がかかるのである。日本の自転車用品の場合、モデルチェンジの度に使いにくくなるということが多いのだ。困ったことに。
6月3日。雨のち晴れ。最低19度C。最高19度C。
午前6時。
台風6号が接近中。すでに雨が降っている。
午前11時。
天気予報によると、この辺りの1時間当たり予想降水量は午前11時から午後1時まで25ミリから26ミリだそうだ。風速が最大になるのは午後2時から午後4時にかけてで、秒速12メートルとされている。
午後3時
風に飛ばされてきたらしい薄い鉄板がバタリ、バタリと暴れている。これでは外へ出られない。
午後9時。
マダラヒメグモの右奥ちゃんの不規則網に体長12ミリほどのダンゴムシを転がし込んだのだが、気付いてもらえなかった。
「そんなこともあるさ、マダラヒメグモだもの」
落とし込みたかったんだが、しばらくの間手のひらに載せておいても球形のままだったのだ。
6月4日。曇りのち晴れ。最低17度C。最高23度C。
午前6時。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんは体長10ミリほどのガを食べている。
右奥ちゃんはダンゴムシを捕食できなかったようだ。
そのダンゴムシはどこにいるのかと思ったら、玄関に置いてあるセンサーライトの裏で吊り上げられていた。その近くには体長2ミリほどのオレンジ色で丸いお尻のクモがいたから、この子が仕留めたか、あるいはこれから仕留めるんだろう。
何度も言うようだが、体長の倍というのは、ヒトの全長を1.7メートルとするとシャチクラスの獲物ということになる。断言はしかねるが、円網を張るクモなら最初から諦めるような大きさである。あえて言おう、不規則網は円網よりも高性能なのであると。〔獲物によるんじゃないか?〕
右奥ちゃんの不規則網には改めて体長10ミリほどのダンゴムシを落とし込んだ。今回のダンゴムシは体を伸ばしてくれたので、ちゃんと不規則網に引っかかった。
午後1時。
玄関にいるオレンジ色のお尻ちゃんを撮影した。画像を拡大してみるとヒメグモの幼体のような感じがするんだが、どうなんだろう? 第一にヒメグモが基盤からせいぜい20センチくらいの高さしかない不規則網を張るのか、第二に吊り上げ式の狩りをするのかという点に疑問を感じるのだが……。いやいや、ヒメグモも仕留めた獲物を住居まで運ぶ時には吊り上げているのだった。ということは、問題は低い位置に網を張るのかということだけだな。
※この子はヒメグモ科のキヒメグモかもしれない。新海栄一著『日本のクモ』によると、雌は「2から3ミリ」雄は「1.5ミリ~2.3ミリ」だそうだ。クモの世界では、雌より大きな雄はいないのらしい。
6月5日。晴れのち曇り。最低16度C。最高22度C。
午前6時。
ユウレイちゃんBは移動した様子がない。ただし、お尻が太めのキュウリのような形になっているからそろそろ動き出すかもしれない。
ユウレイちゃんCも動いていない。
午後2時。
ユウレイちゃんBが20センチくらい移動していた。
ふと思いついて、5月22日頃にユウレイちゃんBがいた場所を棒で探ってみたのだが、糸が引っかからなかった。網を張らずに、ただ徘徊していただけなのかもしれない。ただし、すべて回収したという可能性もないとは言えない。
ああっと、もしかして雄と出会うための徘徊なんだろうか? ユウレイちゃんCも雌だったならば、そういうこともあり得るかもしれない。
6月6日。曇りのち晴れ。最低15度C。最高21度C。
午前9時30分。
ユウレイちゃんCが反対側の壁近くまで70センチくらい移動していた。
ユウレイちゃんBもそこに向かって壁沿いに近寄ろうとしている……ような気がする。
午前10時。
ユウレイちゃんCは15センチくらい、ユウレイちゃんBは5センチくらい、お互いに歩み寄っている。
「何をする気だ?」
午前10時5分。
ユウレイちゃんCが逆方向へ歩き出した。これはハズレかもしれない。ユウレイちゃんCの動きを感知したユウレイちゃんBが「獲物がいる」と判断しただけという可能性もあり得るなあ。やれやれ……って、ちょっと待てよ。それではイエユウレイグモ(多分)は、60センチ先に何かがいることを感知できることになってしまうじゃないか! うーん……長い脚に空気の動きや匂いを感知する器官が備わっていればそういうこともできるかもしれないが……。
午前11時。
ユウレイちゃんBもユウレイちゃんCも動いていない。イベントは終わったのかもしれない。
午前11時五〇分。
ユウレイちゃんCはさらに50センチくらい離れていた。終わりだ。
午後1時。
アジサイとガクアジサイが見頃を迎えつつあるようだ。
光源氏ポイントではゴミグモの卵のう1個ちゃんの卵のうが2個になっていた(この命名法も問題ありだなあ)。
卵のう2個ちゃんは糸を引いてぶら下がっていた。指でツンツンしても反応がない。力尽きたようだ。合掌。
ここには、その他にゴミリボンの中に卵のうを2個付けているゴミグモが3匹いる。
その近くの矢印看板の前には体長17ミリほどのコガネグモが円網を張っていた。壁の前に円網を張っているということは、まだオトナにはなっていないんだろう。あるいは、まだコガネムシのシーズンではないので自重しているのか、だな。
ルリチュウレンジの幼虫が5匹取り付いているスイバは葉をほとんど食い尽くされていた。こういうことをやるから害虫扱いされてしまうんだろうな。
午後2時。
用水路ポイントにいたコガネグモの体長は20ミリほどになっていた。相変わらずガードレールの前に円網を張っていて、隠れ帯もX字形に4本だ。その円網の係留糸には雄と体長5ミリほどのコガネグモの幼体も乗っていた。雄はともかく、幼体は居候か、旅の途中で一休みしているだけだろう。
その近くには体長一五ミリほどのコガネグモもいた。この子の隠れ帯は下側2本だけだったので、ダンゴムシを開きにして円網に投げ込んだのだが、開き方が足りなかったらしくて、球形になってしまった。〔未熟者めが。修行が足りぬわ〕
一応、捕帯でぐるぐる巻きにしてくれたのだが、なかなか牙を打ち込めずにいる様子なので、落ち葉の下にいた体長10ミリほどの甲虫もあげておく。これなら食べられるはずだ。
用水路ポイントには、その他にも体長15ミリほどと一〇ミリほどのコガネグモの幼体が草地に円網を張っていた(ちゃんと探せばもっと見つかるだろう)。体長一五ミリほどの子は同じくらいの大きさの獲物を食べている。
ここには「張り直していない無こしき網」も1枚あった。直径は22センチくらいで、主はいないからオニグモの幼体のものだろう。
午後4時。
光源氏ポイントの近くの森の中にはコシロカネグモ(多分)が2匹とウズグモが1匹いた。しかし、ヤエンオニグモの姿は見当たらなかった。
6月7日。曇りのち雨。最低15度C。最高22度C。
午前7時。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんと右奥ちゃんの不規則網にダンゴムシを落とし込んだ。
右奥ちゃんにあげたダンゴムシはコンクリート面まで落ちてしまったのだが、獲物の近くまで駆け降りた右奥ちゃんは、獲物に糸を取り付けては戻るというのを2回繰り返してダンゴムシを吊り上げた。食欲があればこういう見事な狩りを見せてもらえるのである。
キヒメグモは……姿を見せてくれたら獲物をあげようかと思う。不規則網を張るクモはマダラヒメグモだけで十分だし。
午前10時。
光源氏ポイントでマメコガネを1匹見つけた。コガネムシのシーズンが近いのかもしれない。
キシダグモ科らしいクモも2匹見つけた。イオウイロハシリグモの幼体なのか、それとも他の種なのかはわからない。
午前11時。
コガネグモの一七ミリちゃんは隠れ帯を下側2本にしていた。獲物をあげたいところなんだが、近寄ろうとすると草が揺れるので気付かれてしまうのだ。
午後1時。
ナカムラオニグモの住居を3個見つけた。
昨日は住居にいなかったヤエンオニグモを見つけた。草地に張った円網で待機していたのだ(以後、この子を今年の「ヤエちゃん」とする)。昼間なんだが、曇っているせいかもしれない。その円網には隠れ帯も呼糸もない。
その円網にオチバゴキブリを投げ込んだのだが、突き抜けてしまった。同じくらいの体長のオニグモの円網と比べて糸が細いような気もする。そこで、体長五ミリほどのアリを2匹捕まえて、1匹を円網のすぐ上から落とし込む。これはちゃんと引っかかって捕帯を巻きつけてもらえた。
アリが1匹余ってしまったので、近くにいた体長ミリほどのウズグモの仲間の水平円網に落とし込んだ。しかし、この子はアリの方を向いたものの、糸を弾くばかりで近寄ろうとしない。「こんな大っきいの無理!」というほどではなさそうだが、大型の獲物なので安全に仕留められるかどうかを慎重に確認しているようだ。
午後5時。
霧雨が降ってきたので、スーパーの西側にいた体長4ミリほどのマルゴミグモに気が付いた。その円網には卵のうが3個取り付けられている。小型のクモは、ごくわずかな獲物を食べただけで産卵できるのだろう。
6月8日。雨のち曇り。最低18度C。最高23度C。
午後1時。
雨がやんだので買い物に出た。
帰り際にスーパーの西側にいるマルゴミグモの円網に、体長5ミリほどのアリを弱らせてから落とし込んだ。マルちゃんは盛んに糸を弾きながらアリに近寄って、アリの側でまたまた糸を弾いている。ゴミグモの仲間らしい慎重さである。
午後5時。
ユウレイちゃんCがまた20センチくらい移動していた。たまに散歩するだけのような気もする。時間の無駄……と思ってしまうのは作者が人間だからなんだろうなあ。イエユウレイグモにとっては何か意味のある行動に違いない。
成体になってから徘徊するようになったのだとすれば、最も可能性が高いのは婚活だろう。しおり糸にそれを残したクモの情報が含まれていることが必要だが、「お婿さん募集中」と書き込まれているしおり糸を広い範囲に残すことによって、雄と出会う確率を上げているという仮説である。
午後10時。
スーパーの西側ではマルゴミグモのマルちゃんがお尻ぺったんぺったんをしていた。卵のう造りである。雨が降り出す前に完成させられるといいのだが……。
帰宅すると、玄関のコンクリート面にユウレイグモが落ちていた。指でツンツンしても反応がない。ユウレイちゃんCが力尽きたのらしい。
「諸君らが愛してくれたユウレイちゃんCは死んだ。何故だ!」〔わからんわい!〕
ユウレイちゃんCはオトナだったのかもしれない。散歩していたのも「お婿さん募集中」という情報が含まれているしおり糸を引き回すためだったんだろう。合掌。
さてさて、もしも雄が現れなかった場合は、ユウレイちゃんBもいずれは力尽きるだろう。できることは何もないな。
6月9日。曇り時々雨。最低18度C。最高23度C。
午前8時。
雨が降っている。やむのは10時頃らしい。
キヒメグモの不規則網がありそうな所に置いておいたユウレイちゃんCの死骸をキヒメグモが食べていた。そのお尻はだいぶ白っぽくなっている。
命を無駄にするのはよくないのである。7匹の子を持つ母虎の前に我が身を投げ出すなどというのは自己満足でしかないと思うが。
午後1時。
夢枕獏著『仰天・俳句噺』を読み終えた。タイトルの通り、主に俳句をテーマとしたエッセイ集である。俳句の他にもステージⅢの血液癌が見つかったとか、クマに出会った時にはどうするかなどの話も出てくる。癌が見つかったことによって、夢枕氏も「死」というものと真剣に向き合うようになったようだ。
クマに出会った時にどうするかという部分では、いっしょにユーコン川を下った時に野田知佑氏が言ったという「いいんだよ、獏さん。さいごは死んじゃえばいいんだから、死んじゃえば」が面白かったね。
ロシア製のすごくいい銃を持っているモンゴル人の猟師の話というのもある。
「おれは、これで、娘をウランバートルの大学にやったんだよ。もう、やることはやった。思い残すことはない。あとひとつだけ、やらなくちゃいけないことがある。いずれ中国が攻めてくるだろうから、その時、兵をひとりだけ、この銃で殺す。それで、おれの一生は終わりでいい」
いいねえ、こういうの。今の作者も来年までにやるべきことはすべてやり終える予定でいるしな。
話を俳句に戻すと、作者は俳句よりも短歌の方が好きだな。
例えば「古池や蛙飛びこむ水の音」という句があるのだが、作者は「蛙が池に飛び込んだ」というただの情景描写に魅力を感じないのだ。『note』というサイトには「「古池」はずっとそこにある永遠、「蛙飛び込む」は一瞬の動き。そして「水の音」が、この2つをひとつの瞬間にまとめます」と書かれているのだが、説明してもらわないと理解できないようなまわりくどい言葉遊びは好きになれない。
「古池や蛙飛び込む水の音 永遠と刹那を我は知るらん」とすれば、わざわざ説明してもらわなくてもわかるじゃないか。
また、俳句は風景描写向きではないような気もする。例えば「松島や、ああ松島や松島や」という句がある。それに対応する和歌は「田子の浦ゆ、うち出でてみれば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける」だろう。俳句に向くのは盆栽のような小さな風景であって、広大な風景を描写するのには無理があると作者は思う。
さらに、俳句はラブレターにも向いていないような気もする。例えば「あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝ん」という歌がある。おそらく「1人で寝る夜は長いのです」というような意味になるのだろう。ということは、この歌で意味があるのは後半の14文字だけということになる。それなら17文字にしてもいいだろうと「ながながし、ひとり寝る夜の寂しさよ」などという句を贈られたとして、その気になる男がいるだろうか?「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の」という弓を引くような間があるからこそ「ながながし夜」が強調されるのだ……と作者は思う。
俳句には俳句の良さというものがあるのかもしれないが、作者はそこまで字数をケチる気にはなれないよ。
※ひらがな換算で17個の文字を組み合わせるだけでいいのならAIにもできるかもしれない。
「あいうえお かきくけこかき さしすせそ」とか。〔季語がない〕
いやいや、「藍植え」で季節を表現しているのだよ。全体の意味は「藍を植え、「かきくけこ」と書いた札を添えて指さし確認した」になる。〔…………〕
午後5時。
スーパーの西側に体長四ミリほどのオニグモの幼体がいたので、そこらで捕まえた体長七ミリほどのアリを円網に落とし込んだ。この子はセオリー通りに獲物の上に周り込んで大きく円網を切り開き、それから獲物の下に入り込んで牙を打ち込んだ。捕帯を巻きつけなかったのはアリを弱らせすぎたせいだろう。
6月10日。曇りのち晴れ。最低16度C。最高20度C。
午前3時。
ユニットバスの中にオレンジ色の子グモが1匹ぶら下がっていた。うちのキヒメグモの子かもしれない。ただし、その場合は標高差だけで2メートル以上移動したことになる。ヒトに換算するとアイガーの北壁よりもさらに上だな。
午後1時。
光源氏ポイントにいるゴミグモの卵のう1個ちゃんの円網に体長10ミリほどのハエを投げ込んだ。卵のう1個ちゃんは円網の向かって左下にいるハエの方を向くと、円網の糸に爪をかけて円網ごとハエを引き寄せ、バーベキューロールで捕帯を巻きつけたのだった。これはゴミグモでは珍しくない行動である。円網の面積を減らすことになっても、ゴミリボンから離れたくないのらしい。
「そんなこともあるさ、ゴミグモだもの」
ここには体長二五ミリほどのカマキリの子虫もいて、何か獲物を食べていた。
コガネグモの一七ミリちゃんは隠れ帯を3本と半分にしていた。
午後2時。
アシナガグモの仲間がI字形の隠れ帯を付けていた……と思ったら、ウズグモの仲間だった。隠れ帯を撮影するために指でツンツンしてホームポジションから出てもらったら、この子は120度くらいの扇形に腰を振った。それぞれの種に固有の伝統芸があるようだ。
舗装路脇で体長200ミリほどのカエルが腹面を上に向けて転がっていた。ひっくりカエルである。〔…………〕
多分ウシガエルかヒキガエルだと思う。ああっと、もしも、このカエルが生きカエルことがあったら、これがほんとのヨミガエルだなあ。〔…………〕
死んだままなら、出家した雌のカエルにお経を唱えてもらえばいいだろう。これはつまり尼ガエル――。〔いい加減にしろ!〕
6月11日。曇りのち雨。最低14度C。最高22度C。
午前8時。
ユウレイちゃんBはユウレイちゃんCがいた場所まで移動していた。直線距離で約70センチ。壁伝いに移動したとすると約1.2メートルになる。
午前10時。
光源氏ポイントではゴミリボンの中に卵のうを3個付けているゴミグモが1匹だけいた。
卵のう2個の子たちの1匹の円網に体長3ミリほどの昆虫を投げ込んだ。しかし、この子は獲物の方を向いたものの、駆け寄ったりはしなかった。その代わりに、円網に爪を引っかけて獲物ごと円網をたぐり寄せ、ゴミリボンの近くで捕帯を巻きつけ始めた。ゴミグモの場合、どうしてもゴミリボンから離れたくない時があるのらしい。
コガネグモの17ミリちゃんの隠れ帯はX字形に4本になっていた。脱皮が近いのかもしれない。
午前11時。
舗装路にアオスジアゲハが落ちていた。コガネグモにあげようかとも思ったのだが、死因が農薬中毒だったりすると困るのでやめておく。
用水路ポイントのガードレールの陰にいたコガネグモは体長20ミリほどになっていた。
そこから12メートルくらいの場所には体長10ミリほどのナガコガネグモの幼体、さらに先には体長15ミリほどのコガネグモの幼体がいた。
クモたちがガードレールを利用して円網を張るのは丈の高い草が少ないからだろう。どうして人間は草を刈るんだろう? 暇なのか?
用水路沿いの狭い草地では10匹のコガネグモの幼体を確認した(体長は15ミリから5ミリくらい)。今年も十分な数のコガネグモが育っているようだ。そのうちの2匹に体長7ミリほどのアリをあげておく。
午後1時。
堤防の上でモンシロチョウをモンキチョウが追いかけていた……と思ったら大間違い! これはモンキチョウの雌と雄だったのらしい。
ウィキペディアの「モンキチョウ」のページによると、モンキチョウの雌には黄色型と白色型がいるのだそうだ。なお、モンシロチョウの幼虫はアブラナ科の葉を食べるのに対して、モンキチョウの幼虫はシロツメクサなどのマメ科植物を食べるのらしい。
午後9時。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんが今年になってから造った卵のうの中心部が黒っぽくなってきている。近いうちに子グモたちが出てくるだろう。
6月12日。雨のち晴れ。最低17度C。最高22度C。
午前6時。
ガガンボを捕まえたのでマダラヒメグモの右前隅ちゃんの不規則網に投げ込んだ……のだが、逃げられてしまった。とはいえ、「まだ遠くへは行っていないな」である。〔今時の子は知らないってば、白土三平なんか〕
再度ガガンボを捕まえて、少し弱らせてからもう一度投げ込む。しかし、右前隅ちゃんはガガンボに気付いてくれない。
なんのまだまだ。箸でツンツンしてガガンボを暴れさせる(箸は後でスタッフがちゃんと洗いました)。
獲物の存在に気付いた右前隅ちゃんはガガンボに近寄っていったのだが、ガガンボが動きを止めるとまた見失ってしまう。〔正しい表現は「糸が振動しないので獲物の位置がわからなくなる」だろうな〕
それでも獲物の近くにはいるわけで、ガガンボが不規則網から脱出しようとして身動きすると、それで獲物の位置を把握した右前隅ちゃんに牙を打ち込まれてしまうのだった。
不規則網を張るヒメグモ科のクモは「地表や壁を歩く昆虫などを捕獲する」とされているようだが、飛行性昆虫もまったく捕食できないわけではないと言えないこともないのである。〔くどい!〕
右奥ちゃんはこのところ元気がない。卵のうは6個しかないのだが、玄関のドアに近いところにいるので、開け閉めの度に反応することで消耗してしまったのかもしれない。
6月13日。晴れのち雨。最低17度C。最高27度C。
午前11時。
オニグモの円網を見つけた。直径は40センチくらいで、小さな羽虫が多数かかっている。すべてのオニグモが夜行性に移行する時期にはなっていないということなんだろう。
光源氏ポイントにいるゴミグモの卵のう1個ちゃんの卵のうは3個になっていた。その他にももう1匹、ゴミリボンの中に3個の卵のうを付けている子がいる。
ただし、ゴミグモの個体数そのものは3匹に減っていた。こういうことは雨が降った後にはよくある。
コガネグモの17ミリちゃんの姿はなかった。これも雨のせいだろう。
午後1時。
用水路ポイントにいるコガネグモの20ミリちゃんは円網をガードレールから20センチくらい離していた。隠れ帯は1本とハーフサイズが2本。もしかすると、この子はオトナになったのかもしれない。体長7ミリほどのワラジムシをあげておく。ワラジムシはダンゴムシのように球形にならないので、確実に食べてもらえるのだ。
その近くにいる15ミリちゃんには、落ち葉の下にいた体長15ミリほどの甲虫をあげた。
用水路脇の幅の狭い草地には、お尻が丸くなっているコガネグモが6匹いた。ただし、体長は全員15ミリ前後。隠れ帯をX字形にしている子はいない。
うーん……オトナだと言えるような体長ではないのだが、お尻が丸くなるまで脱皮しないというのもおかしい。あり得る可能性としては、「早くオトナになって産卵してしまいたい」というグループであるというものになるかもしれない。その場合は、少し遅れて「時間がかかっても、より大きくなって、より多くの卵を産んだ方がいい」という体長20ミリ以上のグループが現れるだろう。〔ほんとかよ〕
ここには体長4ミリほどのジョロウグモの幼体もいた。ジョロウグモ向きの環境ではないような気がするんだけどねえ。
午後5時。
今日は新しいレーサーパンツをテストしたのだが、10キロも走らないうちに尻が痛くなってしまった。パッドは厚いのだが、柔らかいので体重で潰れてしまって、パッドがないのと同じ状態になってしまうのらしい。いままで使ってきたレーサーパンツに戻そうと思う。
新しき
パンツを穿くも
尻痛し
安きパンツに
戻すともがな
あるいはレーサーパンツを2枚穿くか、だなあ。
午後8時。
スーパーの北西の角に体長2ミリほどのヒメグモ科のクモの幼体(多分)が不規則網を張っていたので、挨拶代わりに、そこらで捕まえた体長4ミリほどのカを落とし込んであげた。するとこの子は、慎重に近寄って糸を巻きつけ始めた。この子にとっては「体長の2倍です!」という大物なのだ。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんには体長12ミリほどのダンゴムシをあげた。
6月14日。曇り時々晴れ。最低17度C。最高25度C。
午前7時。
ユウレイちゃんBは6月11日からまったく移動した様子がない。お尻も初めて見た時くらいにまで細くなっている。
6月15日。雨のち晴れ。最低18度C。最高21度C。
午前7時。
雨が降っている。10時頃までは雨らしいから、路面が乾くのは昼過ぎだろう。もう少し寝ることにする。
午後1時。
スーパーの北西の角ちゃんは体長4ミリほどになっていた。そして、その不規則網の隅には同じヒメグモ体型で体長2ミリほどのクモが同居している。この小さい子が雄だとしたら、北西の角ちゃんは亜成体の雌で、成体になると5ミリから6ミリくらいの体長になるんじゃないかと思う。ただし、ヒメグモ科のクモは小型の種が多いので何グモなのかまではわからない。
午後2時。
光源氏ポイントの草地に体長12ミリほどのコガネグモの幼体がいた。お尻は丸いが、草の間に直径30センチくらいの円網を張っているから、まだ幼体だろう。コガネグモの場合は「お尻が丸いから成体だ」とは言えないようだ。
午後3時。
用水路ポイントのガードレールの裏にいるコガネグモは、ガードレールの上にはみ出すように円網を拡大していた。直径は40センチくらいだ。この子は間違いなくオトナだろう。
その円網に体長10ミリほどのワラジムシを落とし込んだのだが、知らん顔をされてしまった。それならばと、枯れ草の下にいた体長15ミリほどの甲虫を落とし込むと、これには飛びついて捕帯を巻きつけるのだった。
「ワラジムシとは違うのだよ、ワラジムシとは!」
ワラジムシよりも甲虫の方が好きということなんだろうな。
その近くにいるもう1匹のコガネグモの円網の係留糸には、明らかに雄とわかる小さなコガネグモが乗っていた。というわけで、この子はまだ亜成体なんだろう。
用水路脇の幅の狭い草地には、円網の直径を60センチくらいと70センチくらいにしているコガネグモが1匹ずついた。直径80センチ以上ならコガネムシ用だと思うんだが……張り替えの度に大きくしていくつもりなのかもしれない。アオドウガネもまだまだ現れていないようだしな。
午後4時。
小雨が降ってきた。帰宅する。
6月16日。晴れ時々曇り。最低15度C。最高27度C。
午前5時。
ユウレイちゃんBが60センチくらい移動して、反対側の壁の近くにいる。不規則網を張らずに、直接天井からぶら下がっているようだ。
午前11時。
スーパーの北側にルリチュウレンジが4匹いた。
午後5時。
ユウレイちゃんBは元の位置に戻っていた。
6月17日。晴れのち曇り。最低16度C。最高28度C。
午前2時。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんの卵のうが11個になっていた。
午前11時。
ユウレイちゃんBの頭胸部が大きくなったような気がしたのでライトで照らしてみたら、獲物を食べていた。〔ハズしたな、作者ぁ!〕
しかし、どうやって獲物を捕らえたんだろう? 脚の届く範囲に獲物が来てくれれば捕食できるんだろうかなあ……。
午後10時。
玄関先に体長7ミリほどのダンゴムシがいたので、マダラヒメグモの右前隅ちゃんにあげた。産卵後なので積極的に捕食する右前隅ちゃんだった。
6月18日。雨のち晴れ。最低19度C。最高22度C。
午前11時。
ユウレイちゃんBは獲物を食べ終えたらしかった。
というわけで、ユウレイちゃんBがここに居着いたのは、過去にユウレイちゃんCが獲物を食べていた場所であるからなのかもしれない。そういう痕跡が残っていたのなら、居抜きで入居する意味もあるだろう。その場合、推定で10メートル近くも徘徊していたのは、婚活ではなく、優良物件を探していただけという可能性が出てくるわけだが……。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんは住居に籠もっている。
6月19日。晴れのち曇り。最低19度C。最高27度C。
午前5時。
台所のシンクの上に体長2ミリほどのクモがぶら下がっていた。うちを選んでくれたのは嬉しいのだが、この部屋はゴキブリすら生きていけないような環境なのだよなあ……。
午前8時。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんの子グモたちの出のうはほぼ終わっていた。
午前1時。
光源氏ポイントにいるジョロウグモの幼体のうち、最大の個体は体長5ミリほどになっていた。その円網に同じくらいの体長の弱らせたアリを投げ込んでみると、この子はアリの周囲で半円を描くように円網の糸を切り、それから牙を打ち込んだらしかった。通常、この程度の体長のジョロウグモに「体長の1倍です!」という――。〔ギャグの使いすぎはよくないぞ〕
比較的大型の獲物をあげると問答無用で捨てられてしまうのだが、この子は危険を冒しても仕留めなくてはならないほど空腹だったんだろう。
ここには体長10ミリほどのナガコガネグモの幼体も何匹か現れていた。
陽当たりのいい草地には体長20ミリクラスのコガネグモが6匹いた。コガネグモは丈の高い草地に大きな円網を張るクモなのである。
「草地よいとこ~一度はおいで~」〔それは「草津」だ!〕
なお、この体長だと、おそらく全員オトナだと思う。
コガネグモの17ミリちゃんを再発見した。なんと、矢印看板の裏側を森に向かって斜めに1.5メートルくらい移動した位置で円網を張っていたのだ。オトナのコガネグモは本来、陽当たりのいい場所を好むはずだと思うのだが、10匹から20匹に1匹くらいはこういう変わり者がいるようだ。
用水路ポイントにいるコガネグモの17ミリちゃんは、円網をさらに5センチくらいガードレールから離していた。その直径は約60センチで隠れ帯は下側2本と上側にハーフサイズが1本。この子は間違いなくオトナだろう。
その近くにいる15ミリちゃんの腹部から5ミリくらいの位置には雄がいた。円網を張り替えた様子もないから、15ミリちゃんが脱皮したらすぐに交接できるように待機しているんだろう。
用水路の脇の狭い草地では、長さ90メートルの範囲でコガネグモを13匹確認した。そのうちの2匹の円網では雄が係留糸に乗っている。
そして1匹だけだが、体長5ミリほどの子が円網にX字形の隠れ帯を付けていた。変わり者の範囲だろうが、6月でこの体長では今年中に産卵するのは無理なんじゃないかと思う。まあ、その場合は越冬して来年オトナになればいいわけだが。
用水路からセンターラインのない舗装路を挟んで反対側の草地にもオトナ(多分)のコガネグモが1匹いた。5メートルくらいしか離れていないのだが、コガネグモは円網を張る場所に対する好き嫌いが激しい子が多いのである。人間どもが草刈りをするといなくなってしまうのはそういうわけだろう。
午後1時。
自販機の裏に体長4ミリほどのジョロウグモの幼体がいたので撮影していたら腰を振られてしまった。何度も言うようだが、ジョロウグモの円網の前後にはバリアーがあるので、コガネグモやナガコガネグモのように円網の面に対して垂直方向に円網を揺らすのは無理がある。円網の面と平行な方向へ腰を振るのはそのせいだろう。
6月20日。曇りのち雨。最低17度C。最高22度C。
午前6時。
雨が降り出すのは午後3時頃だそうだ。
天井に体長5ミリほどの細い体型の節足動物がいるのに気が付いた。これはユウレイグモかもしれないと思って撮影したのだが、画像を拡大してみたらガだった。
「ユウレイグモの正体見たり、細身のガ」〔5・7・5になっていないぞ〕
「ユウレイグモ」だけで6文字だからなあ……。
「見つけたりユウレイグモによく似たガ」
それがどうした、だなあ……。俳句は苦手だ。
午前9時。
光源氏ポイントの近くの草地にいるコガネグモが3匹増えた。というか、昨日は見落としていたのかもしれない。この3匹は、いかにも陽当たりが悪そうな、ここにはいないだろうと思い込んでいた場所に円網を張っていたのだ。
なぜそんな場所を選んだのかはわからない。ただ、2年前にもここには3匹のコガネグモが円網を張っていたから、何か理由があってそこにいるはずだと思う。うーん……「この辺りにコガネムシの仲間が現れそうな気がする」とか? まあ、予想が外れたら引っ越しをすればいいんだろうしな。
その近くには体長5ミリほどのサツマノミダマシが幅広の葉の上にいた。
午前11時。
イタドリの葉の上にマメコガネが7匹いた。そのうちの6匹は交尾中。
この時期に多数のマメコガネが現れたということは、もっと大型のドウガネブイブイやアオドウガネが現れるのは来月になるかもしれない。
コガネグモの17ミリちゃんは円網に隠れ帯を付けていなかったので、落ち葉の下にいたチャバネゴキブリを投げ込んだのだが、獲物の方に一歩踏み出すだけで捕食しようとしない。チャバネゴキブリはコガネムシの仲間のように暴れないのでその気になれないようだ。しょうがない。そのうちに食べてもらえるだろう……と目を離したら捕帯を巻きつけていた。食べてもらえて何よりである。
6月21日。雨のち晴れ。最低20度C。最高26度C。
午前2時。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんに体長7ミリほどのダンゴムシをあげた。
体長4ミリほどになっている新顔ちゃんにも同じくらいのダンゴムシ。なお、画像を拡大してみると、この子のお尻はえんじ色に多数の白い斑模様になっていた。というわけで、この子もマダラヒメグモなのかもしれない。
午前9時。
ユウレイちゃんBが直線距離で1.4メートルくらい移動していた。壁沿いに移動したとすると、曲がり角が2つあるので2メートルくらいになる。
午前11時。
ルリチュウレンジを捕まえたのでユウレイちゃんBに生け贄を捧げようと思ったのだが、不規則網に飛び込んでもらえなかった。「おっといけにえ」である。〔…………〕
6月22日。曇り時々晴れ。最低19度C。最高25度C。
午前6時。
ユウレイちゃんBは元の位置に戻っていた。とりあえず元気なのは確かなようだ。
午前10時。
光源氏ポイントではモンシロチョウのカップルが交尾していた。
今日は体長10ミリほどのガを捕まえたので、手が届く位置にいるコガネグモの円網に投げ込んだ……のだが、捕食してくれない。隠れ帯は下側に2本だけだから「こんなもの食えるかあ!」ということらしい。そんなことを言われましても、コガネムシの仲間はまだ現れていないのである。
しょうがない。必殺のツンツン攻撃をする。今回もガを2回ツンツンしただけで飛びついて牙を打ち込み、強引に円網から引き抜いてホームポジションに持ち帰ってもらえた。はーっはっはっは。作者は指1本だけでコガネグモをその気にさせることができるのだよ、明智君。〔…………〕
その後、この子は左の第二脚の爪だけを円網に引っかけて体重を支えながらガに捕帯を巻きつけた。軽量な獲物のせいもあるのだろうが、雑というか、力任せの仕留め方である。
コガネグモの17ミリちゃんはいなくなっていた。陽当たりのいい場所へ向かったと思いたいのだが、逆に森の中へ引っ越したという可能性も否定できない。代わりは10匹もいるからどうでもいいのだが。
午前11時。
用水路ポイントの17ミリちゃんはガードレールからさらに10センチくらい離れた位置に円網を張っていた。直径は約70センチで、隠れ帯は下側に2本。今後は道路標識のポールを利用して、より高い位置に円網を移していくだろう。
その近くにいた15ミリちゃんの姿は見当たらなかった。ここには樹木や丈の高い草が生えていないので、コガネグモが十分な高さに円網を張るのには道路標識のポールを利用するしかない。実際、17ミリちゃんはそうしているのだが、15ミリちゃんはもう1本のポールにたどり着けなかったんだろう。
用水路脇の狭い草地には隠れ帯をX字形にしているコガネグモの幼体がいた。横糸も残っていないから、脱皮前の絶食に入っているんだろう。
円網の係留糸に雄が2匹乗っているコガネグモの幼体もいた。修羅場の予感がするなあ。
今日はその先の有料道路脇の草地もチェックしたのだが、ここにもコガネグモが5匹いた。今年はコガネグモの当たり年なのかもしれない。
午後1時。
徘徊しているアシナガグモの雄を見つけた。雌を訪ねて三千里の旅の途中なのだろう。いい亜成体の雌が見つかるといいね。
午後8時。
今日はいい気になって80キロ走ってしまったので、手首と肩と背筋と骨盤の背中側が痛い。腿がいたいのはいつものことだから、けいれんしなければいいとして、腹筋が痛くないのはどういうわけなのかわからない。
6月23日。曇り時々晴れ。最低18度C。最高22度C。
午前2時。
コンビニの店先でアオドウガネが1匹踏みつぶされていた。夏が来るのだなあ。
午前9時。
光源氏ポイントの草地に咲いているスズメノエンドウの花にクマバチが3匹訪れていた。近くに巣があるのかもしれない。
コガネグモの17ミリちゃんがいた場所の近くに、体長15ミリほどのコガネグモの幼体が円網を張っていた。隠れ帯は右下に1本。どうしてこんな場所を選ぶかなあ……。体長5ミリほどのアリをあげておく。
丈の高い枯れ草の先端部に円網を張っていた4匹のジョロウグモの幼体がいなくなっていた。体長が4ミリから5ミリになると、より大きな円網を張るために、より長い係留糸を張れるような場所に引っ越していくのらしい。
午前10時。
用水路ポイントにいるコガネグモの17ミリちゃんは、また円網を10センチくらい上に移していた。隠れ帯は下側に2本。ホームポジションの位置で1.5メートルくらいの高さまで上げるんじゃないかと思う。
枯れ草の下にいたチャバネゴキブリを体長15ミリほどのコガネグモの円網に投げ込んだ。この子はすぐに飛びついて捕帯を巻きつけた。
用水路の向かい側の草地にいるコガネグモは4匹になっていた。
最近のコガネグモの円網には捕帯で包まれたコガネムシサイズの獲物が固定されていることが多い。中身を確認するわけにもいかないので断言はしかねるが、コガネムシの仲間はすでに飛び始めているのかもしれない。
午後3時。
ユウレイちゃんBの近くに体長5ミリほどのアリを投げてみたのだが、3回試しても落ちてしまった。不規則網を張っていないようだ。
6月24日。曇り。最低17度C。最高24度C。
午前7時。
2日で160キロ走ったら体中筋肉痛。情けない。
明日から雨らしいのだが、無理して走ると事故りそうなので今日は休む。
6月25日。雨時々曇り。最低19度C。最高22度C。
午前2時。
玄関先にダンゴムシがいたので、マダラヒメグモの右前隅ちゃんの不規則網に落とし込んだ。
右奥ちゃんは住居にこもったまま。この子はもう寿命なのかもしれない。卵のうはまだ6個しかないのだが……。
6月26日。雨時々曇り。最低19度C。最高28度C。
午後3時。
『日経サイエンス』202608号に面白そうな記事が5個あった。
まず「外来植物で育つとチョウはモテなくなる?」。この記事では準絶滅危惧種のクロツバメシジミの幼虫についての研究結果が報告されている。
「日本に生息するメスはかつて在来種のツメレンゲを食べてきたが、近年は外来種のツルマンネングサなどを食べる様子も観察されている」
中略。
「在来種を食べたグループではメスの翅は黄色みを帯び、紫外線をよく吸収した。一方、外来種を食べたグループではメスの翅は灰色がかり、紫外線を吸収しにくかった」
「2つのグループのメスが野生のオスに繁殖の相手として選ばれるかどうかを調べたところ、外来種を食べたメスは在来種を食べたメスに比べてオスから選ばれにくかった」ということらしい。
翅の色は
変わりにけりな
いたづらに
違う草など
食べたばかりに
この場合、紫外線を吸収しにくい翅に魅力を感じるような雄が増えないと絶滅することもあり得るだろう。逆に、そういう雄が多くなれば新たな種が生まれることなるかもしれない。進化とはそういうものなのである。
続いて「地震の意外な生命力」。
このタイトルを見た作者は「地震生命体が発見されたのか!」と思ってしまったのだが、これは「地震が特定の生物の増殖に有利な環境を作る」という話らしい。つまらんな。〔こらこら〕
「地球の生物の30%までが、日光を一度も浴びることなく地下に生息している。これらの生物は太陽光エネルギーを利用するのではなく、水と岩石の化学反応で生じた水素を食べてエネルギーを得ている。地震は岩石にひびを入れて新たな反応面を作り出し、水の移動経路を変えることで、水素の生成を増やす」のだそうだ。これを生物学の世界では「地震満々」と呼んでいるのらしい。〔嘘つくな!〕
ちなみに植物の光合成というのも、実は太陽光のエネルギーを使って水を分解し、水素を得るためのものである。同時に得られる酸素を片っ端から放出してしまうのは不要だからだ(むしろ酸素は有害物質であるかもしれない)。すでにどこかで使ったことのあるギャグだが、「酸素は植物のウ〇コ」なのである。もっとも、そのウ〇コも大きなエネルギーを持っているので、それを呼吸に利用すれば植物よりも活発に動くことができる。そういう面では、ヒトも含めて動物は植物に感謝しながら生きなければならないのである。
植物の
ウ〇コを食べて
今日も生き
雑草などにも
感謝するべし 〔……いやな歌だな〕
続いて「卓越への道」。サブタイトルは「世界トップ級の達人は遅咲きが多い」。
「スポーツからチェス、クラシック音楽まで、様々な分野で卓越するためにはそれぞれ何が必要になるかを解明しようと試みた研究が最近のScience誌に掲載された。それによると、やや直感に反するが、子供のころに当該分野で最も有望な成績を示した人が大人になってからその分野の頂点に立つことはほとんどないことがわかった」
中略。
「「世界トップ級の(バイオリンの)演奏者は、非常に優秀だが最高ではない国内トップ級の生徒と比べ、バイオリンの練習を始めた時期が遅い場合が多い」とマクナマラ(共著者の1人)は説明する」と書かれている。
うーん……音楽についてはよくわからないが、スポーツの世界ではそういうこともありそうな気がする。ジュニア時代には技術で勝てても、大人になる頃にはジュニア時代に基礎体力を身につけたプレイヤーに力でねじ伏せられるということはあり得るだろう。逆に体操のように身長が低い方が有利になる競技もあるとは思うが。
なお、作者個人としては、生物は第一に生きること、第二に子孫を残すことを目指すべきだと思う。勝ちたいとか負けたくないとかいうのは、努力しなくても生きられる人間の欲だろう。もっとも、欲を捨ててしまったら人間ではいられなくなりそうな気もするが。
午後7時。
ノートパソコンのモニター画面の縁を体長1.5ミリほどのお尻が赤いクモが歩いている。もちろん何グモなのかはわからない。
6月27日。雨時々曇り。最低20度C。最高25度C。
午前5時。
ユウレイちゃんBは台所方向へ1.7メートルくらい移動していた。
午前9時。
台風が接近中。予報では夜遅くまで雨らしい。
用水路ポイントにいるコガネグモたちが無事でいるかどうかも気になるのだが、外出する気にもなれない。
というわけで、昨日に引き続き『日経サイエンス』の「再生新記録」という記事をネタにする。
このタイトルはもちろん「最高新記録」にかけたのだろう。最近の『日経サイエンス』にはこういうタイトルの記事が多い。こういうユーモラスなタイトルは好みが分かれると思うが、作者はいいと思う。科学雑誌もまた雑誌なのだから、銭儲けのために読者受けを狙うのもアリだろう。
「アホロートルは体の重要な部分を再生する能力でよく知られている。だが最近の研究によると、メキシコシティ周辺の湖や湿地に生息するフリル状の頭を持つこのサンショウウオは、さらに驚くべき生物学的離れ業をやってのける。ほとんどの脊椎動物の免疫系に重要な役割を果たしている複雑な器官、胸腺を完全に再生できるのだ」(念のために言っておくと、アホロートルのフリル状のものは鰓(外鰓)である)
中略。
「胸腺はT細胞の生成を担っている。T細胞は侵入してきた病原体を標的にして破壊するのに寄与している」のだが「ヒトを含め殆どの脊椎動物において、胸腺は最初に劣化する臓器のひとつとして知られている」のだそうだ。
「(共著者の)ユンらは今回の研究で、数匹のアホロートルから胸腺を摘出した。7日後、多くのアホロートルですでに新しい胸腺が芽生え始めていた。35日後には60パーセント以上で胸腺が完全に再生した」
中略。
「……将来はヒト幹細胞を微調整してアホロートルの再生を模倣し、胸腺の機能を回復できるようになるかもしれない」のだそうだ。
再生医療はここまでたどり着いたんだねえ。素晴らしい。
最後に「日光浴の意外な効用?」
「キーコンセプト」という囲みの中には「太陽の力で免疫系を制御する」に続いて以下のように書かれている。
「多発性硬化症(MS)などの自己免疫性疾患は、免疫系が自身の体や臓器を激しく攻撃することで発症する。いまだ良い治療法は見つかっていない」
「現在、いくつかの医学的研究から、地表に到達する太陽光スペクトルの中で最も高いエネルギーを持つ紫外線には、制御不能に陥った免疫系を鎮静化させるという驚くべき能力があることが明らかになっている」
「紫外線が免疫系にどのように作用しているのか、まだ完全に解明されたわけではないが、紫外線療法は自己免疫疾患の患者に希望の光を見せている」(この「希望の光」も「太陽光」にかけているんだろうな)
この記事は8ページもあるので、まとめるのは難しいのだが、少なくとも紫外線を浴びることが一部の自己免疫疾患に有効なのは確かなようだ。本文にも「最も緯度勾配が激しい疾患はMSである。有病率は赤道付近ではゼロに近く、緯度が1度上がるごとに人口10万人当たりの罹患者が平均3.46人増え、北欧や北米では人口10万人当たり100人をゆうに超える。この勾配は世界中で見られ、時がたつにつれ強くなっている」とか、実際に紫外線を浴びることによってモビルスーツ――。〔やめんかい!〕
もとい、MSの症状が緩和されたという事例も紹介されている。
こういう自己免疫疾患は人類がアフリカで生まれたことに起因しているのではないかと作者は思う。ホモ・サピエンスは体毛が薄い。そのため、太陽光の紫外線をほとんど直接肌で受けてしまう。その悪影響を緩和するために肌の色を濃くしたり、紫外線を浴びた時の免疫系の反応を抑制する方向への進化が起こってしまったのではないだろうか? そういうシステムができあがった後で人類が高緯度地域へ進出すると紫外線が不足する。それには肌の色を薄くして対応したものの、服を着ることで紫外線を浴びにくくなったり、清潔な環境が多くなったりすると免疫系に余力が生まれてしまう。これが自己免疫疾患の原因だろう。「過ぎたるはなお及ばざるが如し」である。
というわけで、積極的に日焼けするか、もっと不潔な環境で生きるかすれば自己免疫疾患を抑えることもできるわけだ。ただし、日焼けすると皮膚がんになる確率が高くなるし、不潔な環境では病原体による病気が増えるだろう。もしかすると、健康と長生きは両立しないんじゃないだろうか?
202608号には「量子コンピューターは世界を変えるか」という特集もあったのだが、作者は「量子」の2文字が出てきたら、その記事は読まないことにしている。どうせ理解できないのだから時間の無駄なのだ。何なんだよ、蓋を開けるまで箱の中のネコは、生きている状態と死んでいる状態が重なり合っているってのは!
午前11時。
ユウレイちゃんBは元の位置に戻っていた。
午後2時。
ユウレイちゃんBは反対側の壁まで移動していた。壁に沿って移動したとすると曲がり角が2つあるので、道のりは約1.6メートルになるだろう。
午後9時。
ユウレイちゃんBは元いた場所に向かって40センチくらい移動していた。これは捕食のための徘徊ではないような気がする。お婿さんが欲しいな。
6月28日。曇り一時雨。最低20度C。最高23度C。
午前7時。
ユウレイちゃんBは元の位置に戻っていた。
6月29日。晴れのち曇り。最低19度C。最高25度C。
午前9時。
ユウレイちゃんBが姿を消した……と思ったら、7メートル以上も離れた窓際にいた。玄関に向かっているようだ。
午前11時。
ユウレイちゃんBをまた見失った。
6月30日.曇り。最低20度C。最高25度C。
午後1時。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんのお尻が小さくなっていた。卵のうも12個になっている。産卵したのらしい。
午後2時。
光源氏ポイントではトンボが群れ飛んでいた。なんとか1匹だけは撮影できたが、高速飛行する被写体の撮影は難しい。何かにとまって休んでいる子もいないし。
体長20ミリほどのコガネムシの仲間が1匹、イタドリの葉の上にいた。
ここには体長7ミリほどのジョロウグモが2匹いた。体長5ミリほどの弱らせたアリを円網に投げ込むと、比較的積極的に牙を打ち込んでくれた。
他の子はほとんど体長5ミリクラスで4ミリ以下の子は少なくなったようだ。
サツマノミダマシも2匹いた。体長7ミリほどの子は広葉樹の葉の上にいて、やや小さめの子は円網で獲物を食べている。
コガネグモは5匹しか見つけられなかった。ということは、オトナになったら、その場所の近くで大きな円網を張り、ここでは十分な量の獲物をたべられそうもないとか、クモ口密度が高すぎると判断したような場合は引っ越していくのかもしれない。亜成体までと成体では狙う獲物も変えるだろうし。
午後3時。
用水路ポイントの17ミリちゃんの隠れ帯は下側2本だった。
用水路脇の狭い草地ではコガネグモを12見つけた。舗装路を挟んで反対側の草地にも大小8匹。その先の草地には10匹。こんなに多くのコガネグモを見たのは初めてだ。ほとんどの子が直径70センチから80センチの円網を張っている。
7月1日。曇り。最低20度C。最高25度C。
午前2時。
ユウレイちゃんBが玄関の定位置に戻っていた。森へお帰りをした方がいいかもしれない。
午前11時。
ユウレイちゃんBが壁を床面から60センチくらいの高さまで降りていたので捕まえようとしたのだが逃げられた。昆虫のようにポリ袋の中に落ちてこないのだ。ポリ袋はユウレイグモ向きではないな。ちなみに、オニグモとジョロウグモの雄はこれで捕まえることができたのだが。
午後1時。
ユウレイちゃんBが天井の隅で円を描いていたので、プラスチックのカップを被せ、さらに天井の面に沿って雑誌の表紙を差し込んで捕まえた。「森へお帰り」をする。室内にいるよりは雄と出会う機会が増えるはずだ。
7月2日。雨時々曇り。最低19度C。最高23度C。
午前1時。
コンビニの店先でヒメコガネを1匹拾った。夏だねえ。
7月3日。曇りのち晴れ。最低20度C。最高24度C。
舗装路脇にオニグモのものらしい円網が3枚あった。そのうちの1枚には体長17ミリほどのオニグモが待機していたので、体長50ミリほどのショウリョウバッタの子虫を投げ込んでみた。17ミリちゃんはホームポジションの上にかかった獲物にいったん近寄ってからまた離れ、大きく迂回して獲物の上に占位すると、円網の糸を切りながら獲物に近寄っていったのだった。これは円網切りジョロウグモ成体の型である。「体長の3倍です!」という大型の獲物だから円網を切り開くのは予想していたんだが……。体長10ミリから17ミリのどこかに小型コガネグモの型からジョロウグモ成体の型への切り替えポイントがあるのかもしれない。
その後、17ミリちゃんは獲物の下に入り込んで、投げ上げるように捕帯を巻きつけていた。
午前一一時。
用水路ポイントにいるコガネグモの17ミリちゃんに冷蔵庫から出してきたヒメコガネをあげた。
用水路脇の狭い草地にいるコガネグモは18匹、向かい側の草地には8匹、その先の草地には12匹だった。お尻が丸くなっている子も多いから、獲物は豊富なんだろう。
午後7時。
体長10ミリほどのダンゴムシを捕まえたので、マダラヒメグモの右前隅ちゃんにあげた。
7月4日。曇り。最低19度C。最高25度C。
午後11時。
コンビニの店先でコガネムシの仲間を2匹捕まえた。おそらく、アオドウガネとドウガネブイブイだろう。もう1匹は踏み潰されていたので捨てておく。
ついでに体長15ミリほどのガも1匹。
7月5日。曇り時々晴れ。最低20度C。最高26度C。
午前9時。
ネムノキの花が咲き始めていた。用水路の対岸に生えているネムノキだし、満開でもないのでデジタルズームまで使って一部の花を拡大撮影しておく。
光源氏ポイントにいたコガネグモは4匹。そのうち3匹がコガネムシの仲間らしい獲物を食べていた。
なお、昼過ぎにならないと陽が当たらなそうな場所にいる子は1匹だけである。
ジョロウグモたちの体長は8ミリから4ミリくらいになっている。特に矢印看板の裏にいる4匹は成長が早いようだ。
ゴミグモは2匹しか残っていない。そのうちの1匹には冷蔵庫から出してきたガをあげた。
その先の道路脇にいるコガネグモにはコガネムシをあげた。この子はお尻が薄べったいので少し積極的に獲物をあげようと思う。
午前10時。
用水路ポイントにいる17ミリちゃんにもコガネムシをあげた。
用水路脇の狭い草地にはコガネグモが23匹いた。そのうち3匹はコガネムシらしい獲物を仕留めていた。
その向かい側の草地は一部草刈りされていたのだが、それでも5匹いる。
奥の草地には11匹いた。コガネムシらしい獲物を食べていた子は1匹だけだったが、ツチイナゴを仕留めたらしい子も1匹いた(トノサマバッタの成虫はまだ現れていないだろう)。なお、この子の円網はコガネグモの平均値より30センチから50センチくらい低めに張られている。そうでもなければ大型のバッタはかからないと思う。
午後3時。
ハンドルを5ミリ高くした。低いハンドルでは手首・肩・背筋の負荷が大きすぎて70キロ以上走るのはつらいのだ。
「認めたくないものだな。自分自身の老いたがゆえの衰えというものを」〔…………〕
さすがにハンドルが神経質になってしまったが、そのうちに慣れるだろう。ハンドルを10ミリ前に出せば安定するんだが、おそらく背筋に痛みが出るはずだ。
午後7時。
近所のサザンカに体長5ミリほどのコガネグモの仲間の幼体がいた。隠れ帯は左下と右上に1本ずつ。それはいいとして、いつ出のうしたんだ、この子は? 越冬したにしては小さすぎるし、今年の卵のうから出のうしたにしては大きすぎるぞ。
『ハワイに生息する肉食主義のシャクトリムシ 驚きの生態』というサイト(?)があった。ハワイに昆虫を捕まえて食べる尺取り虫がいるんだそうだ。生息地に昆虫の捕食者がいなかったので、そのニッチに入り込んだということらしい。パンダとは逆の道を辿ったわけだ。
もともと動物は他の動物を食べた方が消化の効率はいいはずだ。環境が許すなら、そういう方向への進化も起こり得るだろう。フェルメール評論家の福岡伸一に読ませてやりたい記事だな。
7月6日。曇り。最低20度C。最高24度C。
午前3時。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんの卵のうは13個になっていた。
体長20ミリほどのコガネムシの仲間(多分ドウガネブイブイ)を1匹捕まえた。たたんでいる後翅を広げさせて測ってみると、翅の端から端までが約52ミリだった。翅を広げたモンシロチョウよりやや小さいくらいだ。これならコガネグモの円網にもかかりやすいだろう。
ついでに書いておくと、コガネムシの仲間はチョウ目昆虫よりも重い上に高速で飛ぶ。ということは、飛行中のコガネムシの仲間は比較的大きな運動エネルギーを持っているわけだ。コガネグモの円網の縦糸が長いのは、この大きな運動エネルギーを吸収して確実に捕捉するためだと作者は思う。
なお、ジョロウグモも同じように大型の円網を張るのだが、彼女らの狙いは小型昆虫なので、ただ単に多くの獲物を捕捉するために円網の面積を広くしているのだろう(ジョロウグモは食べたい量よりも獲物が多ければ円網の有効面積を小さくする)。
またまたついでに書いておくと、ナガコガネグモの円網は小さいことが多い。これは、基本的に歩くタイプのイナゴなどを捕捉するための網なので、運動エネルギー吸収力を高める必要がないのと、草の間に円網を張ることが多いので円網を大きくしにくいという事情があるのではないかと作者は思う。
※開けた場所にいるナガコガネグモは直径80センチクラスの円網を張ることもある。
午前11時。
光源氏ポイントでは昨日コガネムシサイズの獲物を食べていたコガネグモが姿を消していた。お尻がまん丸だったから産卵だと思う。
イタドリの葉の上ではマメコガネのカップル5組が交尾していた。クズを食べるマメコガネもいるのだが、少数派のようだ。なお、ここにはイタドリが2本生えているのだが、片方のイタドリばかりが食べられている。雌と雄は近くにいた方が繁殖する上で有利になるんだろう。
体長4ミリほどのサツマノミダマシ(多分)を見つけた。丈の高い枯れ草の先端近くで第一脚と第二脚を広げたり閉じたりしている。何か意味がありそうな行動なのだが、単なる暇つぶしという可能性もないとは言えないかもしれない。
と思っていたら、耳元近くをスズメバチが飛んで行った。目の前でホバリングされない限りはそれほど危険ではないと思うが、大型のハチが近くを飛んでいくのはやはり怖い。
舗装路脇にいるコガネグモには翅幅の計測に使ったドウガネブイブイをあげた。もしかしたら、この子は矢印看板の側にいた17ミリちゃんなのかもしれない。看板から400メートルくらいだから、コガネグモなら歩ける範囲だろう。
用水路ポイントにいるコガネグモの17ミリちゃんには体長15ミリほどの太めのガをあげた。チョウ目昆虫が円網にかかると一気に駆け寄って牙を打ち込むのが面白い。
午後1時。
用水路の奥の草地でお尻が薄べったいコガネグモを見つけた。円網を張らずにイネ科植物の葉を曲げて、その間に張り渡した数本の糸にとまっている。円網を張っていないということは最後の脱皮を終えてオトナになったばかりの子ではあるまい。産卵後の休憩ではないかと思う。
舗装路脇のコガネグモがいなくなっていた。脚が1本落ちていたから捕食されたのかもしれない。
午後2時。
自販機の壁面に体長10ミリほどのオニグモの幼体がとまっていた。オニグモには「昼間は網をたたんで物陰に潜む」という伝説があるのだが、これは成体の場合であって、体が小さい幼体はそれだけで見つけられにくいので、さほど積極的に隠れようとはしないようだ。ただし、こういう隠れようとしない子は捕食されやすいので隠れるタイプの子だけがオトナになれるという可能性もあるかもしれない。
ヒメグモ科らしい子グモたちのまどいを見つけた。その近くには体長4ミリほどのお尻が赤黒いクモがいるから、この子が母親なんだろう。不規則網の中に枯れ葉を吊り下げて、その下で産卵したようだ。
体長5ミリほどのアシナガグモの仲間を見つけた。それだけなら別に珍しくもないのだが、この子の頭胸部と腹部は鮮やかな緑色だったのである。新海栄一著『日本のクモ』には「腹部の色彩は黄白色または黄金色で緑色の個体は確認されていないことから和名のミドリは不適格である」と書かれているミドリアシナガグモが掲載されているのだが、これは「幼体が緑色」という意味なのかもしれない……と思ったら、ウロコアシナガグモという黄緑色のクモもいるのだった。アシナガグモの仲間はどこで見分けたらいいのかわからん。
午後4時。
今日もレジ袋1個分のゴミを回収した。それでもまだ残っている。どうも週末にゴミを捨てに来る猿がいるようだ。
7月7日。晴れ時々曇り。最低20度C。最高26度C。
午前1時。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんに体長10ミリほどのダンゴムシをあげた。
午前9時。
椎名誠著『真昼の星』にアマゾンのナマケモノの話が出てきた。そこで一句。
ナマケモノ
煮ても焼いても
ナマケモノ 〔季語がない〕
季語になれるかなれないかで言葉を差別するのはよくない。お釈迦様も「天は言葉の上に言葉を造らず、言葉の下に言葉を造らず」と言っていたはずだ。〔嘘つくな!〕
ついでに言っておくと、この時福澤諭吉が言いたかったのは「人間は生まれた時は平等であるのだが、その貴賤はどれだけのことを成したかで決まるのだ(だからしっかり勉強しなさい)」ということらしい。
午前10時。
ガス漏れ警報器の下に体長3ミリほどのマダラヒメグモがいた。人気スポットなのだなあ。掃除しくいんだが……。
午前11時。
光源氏ポイントにいるジョロウグモの幼体たちの最大の個体は体長10ミリほどになっていた。なお、一番小さい子は4ミリほどだ。
アオドウガネがクズの葉の上に1匹、マメコガネが群れているイタドリに2匹いた。おそらく見えない所にもまだいるだろう。
午後1時。
用水路ポイント近くでシロテンハナムグリが仰向けになっていたので、近くにいたコガネグモの円網に投げ込んだ。
その奥の草地にいた産卵後らしいコガネグモは円網を張ったらしかった(何度も言うようだが、作者はクモの個体識別はできない)。なお、その円網には隠れ帯はなかった。
昨日、お尻がまん丸になっていたコガネグモが姿を消していた。この子も産卵だと思う。
ここには体長20ミリほどのナガコガネグモもいた。お尻は細いから、成体だとしても最後の脱皮を終えたばかりの子だろう。
※この子は去年のうちに出のうして、幼体で越冬したのかもしれない。母親が気温が高い時期に産卵した場合はそういうことも起こり得るはずだ。
体長10ミリほどのコガネグモの幼体を見つけた。密集して生えている数本の草の前というセオリー通りの場所に円網を張っている。
さてさて、ガードレールの前、自販機の前、藪の前などに円網を張るということは、この子たちは周囲に何があるかを目で見て把握しているんじゃないかと思うんだが、どうなんだろう? 眼があるのなら何かしらは見えているはずだし、いちいち歩きまわって、足探りで確認してから円網を張るというのは無駄が多いような気がするんだが……。
午後3時。
今日もレジ袋1個分のゴミを回収した。
7月8日。晴れ時々曇り。最低18度C。最高28度C。
午前1時。
右側の背筋と右肩と骨盤の背中側が痛い。今日は休み。
午前9時。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんが不規則網の中で卵のうを造っている。
玄関の左奥にある不規則網に体長5ミリほどのアリを弱らせてから落とし込んだ。
午前11時。
右前隅ちゃんは卵のうを壁の近くまで移動させたらしかった。不規則網の中の方が作業しやすいが、そのままでは狩りをする時にじゃまになるのだろう。完成した卵のうは片付けるというのは賢いやり方である。
玄関の左奥にある不規則網には主がいないようだ。ガス漏れ警報器の下へ引っ越したのかもしれない。
午後8時。
今年のガス漏れ警報器ちゃんの不規則網に体長12ミリほどのダンゴムシを落とし込んだ。「体長の4倍です!」という巨大な獲物なのだが、ガス漏れ警報器ちゃんは飛びついてきた。オトナのジョロウグモたちにみせてやりたいような狩りである。
午後9時。
ガス漏れ警報器ちゃんはダンゴムシを数ミリ吊り上げていた。この状態になるとダンゴムシは何もできなくなってしまうのだ。
7月9日。晴れ時々曇り。最低21度C。最高29度C。
午前1時。
コンビニの店先にクワガタがいたのだが、こんなものはいらない。リリース。
午前8時。
ガス漏れ警報器ちゃんはダンゴムシを仕留め損なったらしかった。大きすぎたのだな。改めて体長5ミリほどのアリを弱らせてから落とし込んであげる。これはちゃんと吊り上げてくれた。
午前10時。
用水路ポイントにいたコガネグモの17ミリちゃんが産卵していた。卵のうは円網を張っていた場所に数本の糸を不規則網風に引き回して、その中に吊してある。
その卵のうのドーム状に膨らんでいる側は白地に赤茶色の糸が混じっているような模様だが、平らな面は白色、あるいはアイボリーである。産卵してからせいぜい2日だからこの程度の色なんだろう。さらに2日も経てばカビが生えて灰緑色になっていくはずだ。
※そうはならなかった。赤茶色のカビが生えていると灰緑色のカビは侵入できないのかもしれない。
母親の17ミリちゃんは4メートルくらい離れた場所で円網を張っていた。こんなこともあろうかと、冷蔵庫から出してきたアオドウガネを産卵祝いにあげておく。
用水路脇の狭い草地には円網にX字形の隠れ帯を付けているコガネグモが2匹いた。どちらも体長16ミリクラスだから、次の脱皮でオトナになるんだろう。
そのうちの1匹は小さな羽虫だらけの円網の背面側に数本のバリアーまで張っていた。その高さはホームポジションに一致しているから、コガネムシのような比較的大型の昆虫に体当たりされないようにするためのバリアーなんだろう。コガネムシが現れる前ならバリアーまでは付けなかったんじゃないかと思う。
この草地では20匹のコガネグモを確認した。向かい側の草地はまたまた草刈りされてしまったので1匹だけ。奥の草地(水田の跡とそこに通じる農道のようだ)は草刈りされていないので10匹を確認した。なお光源氏ポイントで確認したコガネグモは5匹である。草地に踏み込んで探せばもっと見つかると思うが、そこまでする気にはなれない。サイクリングシューズは歩くと確実に壊れるし。
午後3時。
近所のサザンカにヒメグモが2匹帰ってきていた。体長は約2.5ミリと約1.5ミリ。問題はいつ剪定されるかだなあ……。
午後6時。
後輪のタイヤのゴム層が裂けて、その下の布地が見えている。交換するようだな。やれやれ……。
午後10時。
トイレットペーパーホルダーの少し上に体長1ミリほどの黒いクモがいた。
床面から約1メートルの高さだ。
7月10日。晴れ。最低21度C。最高32度C。
午前1時。
コンビニの店先でアオドウガネを2匹と体長17ミリほどの細め体型の甲虫を捕まえた。また出かけなくては。
7月11日。晴れのち曇り。最低22度C。最高31度C。
午前1時。
グレーとモスグリーンのまだら模様のアマガエルを見つけた。白い壁にとまっているのだが、さすがに白くはなれなかったのらしい。迷彩柄だから、少なくともライムグリーンよりは気付かれにくそうだ。
午後1時。
いままで寝ていた。昨日は診察日だったので起き上がる気になれなかったのだ。その結果、血圧が194と111。どうやら血圧が上がる要因は寝ること、待合室で何時間も座っていること、そして診察を受けることであるようだ。とは言っても、強すぎる免疫力を抑えるためのステロイド剤を手に入れるためにはヤブ医者の診察受けないわけにはいかないのである。
午後2時。
買い物を終えて帰宅してから血圧を測ると147と79だった。血圧は動けば下がるのだな。ただし、これはあくまでも作者の場合であって、一般的な傾向ではないかもしれない。したがって、降圧剤は飲まない方がいいとは言えない。血圧の高いよい子のみんなはこまめに血圧を計測して、自分に合った下げ方を見つけてね。
午後7時。
ヒメグモの2.5ミリちゃんが不規則網の中に枯れ葉を1枚取り付けていた。
7月12日。曇りのち雨。最低23度C。最高29度C。
午前5時。
珍しくマダラヒメグモの右奥ちゃんが住居から出ていたので、不規則網にダンゴムシを落とし込んであげた。
右前隅ちゃんにもダンゴムシをあげたのだが、不規則網を通り抜けてコンクリート面まで落ちてしまった。不規則網を補修していないということは、あまり食欲がないのかもしれない。いまだにマダラヒメグモの食欲のあるなしが読めない作者なのである。
7月13日。曇り時々雨。最低24度C。最高32度C。
午前7時。
田中康平・丸山貴史・マツダユカ著『いまさら恐竜入門』を読み終えた。マツダユカさんの四コママンガも掲載されていて楽しめる本なのだが、気になる点もいくつかあった。
まずは「ティラノサウルスとトリケラトプスの最大の違いは恥骨」の章。
ここには「恥骨が鳥のように後ろに向かってのびているのが鳥盤類、トカゲのように前や真下に向かってのびているのが竜盤類です。前者の代表はトリケラトプス、後者の代表はティラノサウルス」と書かれている。
「……すべての恐竜の恥骨は、鳥盤類型か竜盤類型のどちらかに当てはまるのです」
「そのため、恐竜の共通の祖先はまず鳥盤類と竜盤類に分かれ、そこからそれぞれ進化していったのだと考えられます」
「ところが……もうお気づきでしょう。鳥は竜盤類の獣脚類から進化しました。つまり、トカゲタイプの恥骨をもった竜盤類から進化したのに、鳥の恥骨は鳥盤類とよく似ています。でも、これは他人の空似で、二次的に鳥の恥骨が鳥盤類のような形に進化しただけのようです」と書かれている。
やれやれ……恐竜の論文屋さんも「論文の書式で書かれた文書を発表できればそれでいい」という考え方が主流で、「何故か?」などと考える人間は少数派なんだろうな。
すでに『次回予告』のどこかで書いているのだが、作者は鳥盤類の恥骨も竜盤類の恥骨もトポロジー的には同じものだと思う。ティラノサウルスの恥骨を横から見ると、斜め下方向に向けたハンマーのような形になっている。このハンマーの柄の部分をギリギリまで短くして、釘を打つ部分を前後方向に引き伸ばしたのが鳥盤類の恥骨だ。
これはただ単に、その中間段階の恥骨を持つ恐竜の化石が見つかっていないので、別のグループのように見えているというだけのことだろう。なぜ中間型が見つからないかというと、中間型の恥骨だと非常に生き残りにくいからだと作者は思う。
哺乳類以外の脊椎動物は排泄物も卵も同じ穴から出す(「総排泄孔」という)。竜盤類の場合、総排泄孔へ向かう消化管はV字形になっている2本の恥骨の間を通っていたんだろう。〔ほんとかよ?〕
消化管など化石になりはしないのだから何とでも言えるのだよ、明智君。
で、この恥骨を上に引き上げ、その下に消化管を通せば鳥盤類のできあがり……なのだが、これが実は大ごとなのである。工事に例えるなら、狭いトンネルが通じている山を切り開いて広い道に変えてしまうようなものだろう。しかも、この切り替えは一気に起こらねばならない。恥骨の間に消化管を通したままハンマーの柄を短くしたり、低い位置にあるハンマーヘッドの下に消化管を通したりすると致命的な便秘や卵を産めないということになりかねないのだ。それでも、そういう都合のいい大進化が起こることもあり得ただろうし、水平姿勢の二足歩行、特に腸を長くしたい植物食恐竜には鳥盤類型の恥骨の方が向いていたのだろう。
個人的には、竜盤類だの鳥盤類だのと区別せずに、現生の鳥まで含めて恐竜類という分類でいいんじゃないかと思う。
※現生の鳥は飛行するために再び腸を短くしているらしいのだが、恥骨は鳥盤類型だ。竜盤類型に戻すことまでは必要なかったのか、あるいは戻せなかったんだろう。ああっと、恥骨がハンマー形だと抱卵する時に卵を潰してしまいやすいのかもしれないなあ。
ついでに書いておくと、ヒトの新生児は頭部が異常に大きいために難産になりやすいのらしい。ということは、ヒトの雌も恥骨の前から出産することができれば難産になる確率が大幅に低下するはずだ。数千万年以内にそういう進化が起こってもおかしくはないだろう。〔その前に滅びなければ、だな〕
続いて「アルゼンチノサウルスはウルトラマンと同じ大きさ」。
ここには「アルゼンチノサウルスの大きさは、全長35メートル、体重73トン」と書かれている(「ただし、アルゼンチノサウルスの化石は、背骨や後肢の脛など一部しか発見されていません」ということで、全長も体重も推定値らしいが)。
アルゼンチノサウルスの全長(頭部先端から尻尾の後端まで)と、尻尾のないウルトラマンの身長(頭頂部から踵の下まで)を比較してしまうのもどうかと思うが、それは許容しよう。
73トンの体重を4本の脚で支えるとすると、1本当たり18トンくらいになる。さらに陸棲動物の脚には歩くという機能も要求されるから、3本の脚で体重を支えておいて、残りの1本の脚を踏み出すという歩き方をしていたと仮定すると、3本の脚にかかる荷重は1本あたり24トンくらいになる。いくらゾウのような円柱状の脚であっても関節付きの脚で24トンを支えられたんだろうか? ちなみにアフリカゾウの最大体重は10トンらしいから、1本の脚にこの最大のアフリカゾウが2.4匹乗っている計算になる。膝の軟骨が潰れてしまいそうな気がするんだが……。
次は「シソチョウは飛べたのか飛べなかったのか」。
「シソチョウが飛べたかどうかは、わかっていません。骨格を見ると、羽ばたくための筋肉が付着する「竜骨突起」がなく、筋肉量が足りなかったことがわかります。また、鳥のような風切り羽はあるものの、軸が細すぎて強く羽ばたけなかったようです」と書かれている。
さてさて、哺乳類であるコウモリも竜骨突起や風切り羽を持っていない。ではコウモリは飛べないんだろうか? なんで論文屋さんはこういうあからさまな嘘をつくんだろうね。もっとも、作者もシソチョウの骨格では現生の鳥のような飛行は無理だと思う。せいぜい滑空だろうが、それでも森の中での移動効率は高かったはずだ。
最後は「ティラノサウルスは家族で狩りをしていた」。
ここには「推定体重7トンという重さはスピードを出すには不利なので、走る速度は時速20~30キロメートルていどだったようです」と書かれている。いやいや、走るのは無理だろ。
これも『次回予告』で取り上げたテーマだが、「走る」と「歩く」には明確な違いがある。すべての足が地面から離れる瞬間があるのが「走る」で、どれかの足が常に地面についているのは「歩く」だ。こページの「つぶやき」欄にも「ティラノサウルスと同じくらいの重さのアフリカゾウは、時速40キロくらいのスピードで「歩く」。ゾウは体が重すぎて、足を浮かせて「走る」ことはできないんだ」と書かれている。同じくらいの体重のアフリカゾウは走ることができないのに、ティラノサウルスは走ることができたと言うのか、恐竜の論文屋さんは?
ティラノサウルスの場合はもうひとつ問題がある。ゾウやアルゼンチノサウルスの足は、ほぼ円形で面積が大きい。これは体重を支えるのに適した足だろう。それに対して、ティラノサウルスの足は3本指なのだ。これは走るのに適した足である(若いティラノサウルスは俊敏な捕食者だったらしいから、その足のまま体重が増えていったのかもしれない)。つまり、体重7トンのティラノサウルスというのはサラブレッドに大量の荷物を積んで運ばせているようなものだろう。これで走ったりしたら、脚の骨が折れるか筋肉繊維が断裂するのではないかと作者は思う。
どうも『今さら恐竜入門』は20世紀以前の恐竜論を基に書かれているような気がする。まあ、著者も出版社も「儲かればそれでいい」と考えているんだろうな。
7月14日。晴れ時々曇り。最低22度C。最高33度C。
午前9時。
光源氏ポイントでは体長6ミリほどのサツマノミダマシが残業していた。しかし、サツマノミダマシはお尻がライムグリーンなのだから、24時間営業をしても大きな問題はないんじゃないかという気がする。実際、残業しているのを観察できる確率はオニグモより高いようだし。もしかすると、茨城県のサツマノミダマシはすでに夜行性ではなくなっているのかもしれない。
コガネグモは1匹しか見つけられなかった。どうもコガネグモには引っ越しが好きなタイプが多いらしくて、脱皮して成体になったら引っ越し、産卵したら引っ越し、特に理由がなくても引っ越しということがよくあるのだ。一ヶ所に円網を張り続けていると獲物を食い尽くしてしまうとでも思っているんだろうかなあ……。
午前10時。
車道の上でパタパタしている体長25ミリほどのガを見つけた。クルマにはねられたんだろう。このままでは無益な殺生になってしまうので、クルマが途切れるのを待ってポリ袋で捕まえた。
用水路ポイントにいたコガネグモの17ミリちゃんはいなくなっていた。
残された卵のうを吊している不規則網風の糸は黄色くなっている。コガネグモの糸は太陽光を浴びていると黄色くなるようだ。この時期は紫外線も強いだろうしな。なお、卵のうの色はほとんど変化していない。雨が何日か続いたのでカビているだろうと思ったんだが……。
用水路脇の狭い草地にはコガネグモが30匹いた。
今日はアオドウガネを3匹持ってきたので、手が届かない位置にいるコガネグモの円網に向かって投げる。こうするとコガネムシは飛び始めるので、ごく自然に円網に飛び込んでくれるのである。はっはっは。テクノロ爺さんと呼んでくれたまえ。〔…………〕
コガネグモたちのうち、体長18ミリほどの子だけは隠れ帯をX字形にしていた。円網の端にいる小型のクモが雄であるなら、この子はまだ亜成体なんだろう。
体長20ミリほどの子には拾ったばかりのガをあげた。すると、どういうわけか、今回はちゃんと牙を打ち込んで、それから捕帯を巻きつけたのだった。うーん……アゲハの仲間で追試する必要があるかもしれない。アゲハの仲間を捕まえるのは難しいんだが。
向かい側の草地にいるコガネグモは5匹だった。
奥の草地には7匹。ここにもお尻が丸くなっていたコガネグモがいなくなった跡に係留糸が1本だけ残されている。
午後1時。
光源氏ポイントの矢印看板の裏にヤマシロオニグモの卵のうが取り付けられていた。
「フフフフ。卵のうを残したうぬが不覚よ」〔今時の子は知らんて。白土三平なんか〕
ガードレールに体長10ミリほどの見慣れないクモがいた。不規則網付きの水平円網(?)を張っている。お尻は黄色と黒のまだら模様。脚は頭胸部に近い部分は濃いめのクリーム色で、クリーム色と黒のボーダー柄のニーハイソックスを穿いている。
体長5ミリほどのアリを少し弱らせてから落とし込んでみると、アリは不規則網に引っかかったのだが、この子は網を強く弾いてアリを円網に落とし、それから捕帯を巻きつけた。こういう狩りをするということは、この子はジョロウグモではない。スズミグモの幼体じゃないかと思う。
堤防の外側の水田の脇に体長18ミリほどのお尻が薄いコガネグモがいた。そこで、何か獲物はいないかと草地を探ってみると、体長60ミリほどのショウリョウバッタの子虫がいた(成虫なら80ミリクラスになる)。
「体長の3倍です!」という大物だが、コガネグモなら仕留められるはずだ。円網に投げ込んであげる。
18ミリちゃんは長い後脚に苦労しながらも捕帯を巻きつけている。コガネグモは「剛よく柔を制す」というタイプのクモなのである。
と、そこで気が付いたのだが、その近くにも体長20ミリほどのよく太ったコガネグモがいたのだった。しかし、太っているのならサポートする必要もあるまいと判断して帰宅することにする。暑くてたまらんのだ。
午後3時。
近所のサザンカにいるヒメグモは3匹になっていた。3匹目の子は体長1ミリほどだが、ちゃんとシート網付きの不規則網を張っている。
ヒメグモは網を張る場所や高さの好き嫌いが激しいのがやっかいだ。マダラヒメグモやオオヒメグモのように高さ20センチから2メートル以上まで対応できれば、もっと個体数を増やせるだろうに……。シート網付き不規則網というのがヒメグモの弱点なのかもしれない。密な枝葉の前の不規則網というのは飛行性の小型昆虫を捕捉するための網なんだろうが、この場合、獲物が飛ぶ高さに網を張る必要があるんだろう。不器用なクモである。
7月15日。晴れのち曇り。最低25度C。最高35度C。
午前1時。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんの卵のうの周囲に子グモたちが群れていた。ダンゴムシを1匹あげておく。
午前10時。
眠いし暑いしなんだが、冷蔵庫にアオドウガネが4匹入っているので出かけないわけにもいかない。
光源氏ポイントの近くでは3匹のオニグモが残業していた。体長はそれぞれ18ミリ、15ミリ、5ミリほど。夜間の気温も高いので獲物がかからなかったのかもしれない。
カメラを用意しているうちに18ミリちゃんを見失ってしまった。あわてて探すと、捕帯を巻きつけた獲物を咥えて係留糸に乗っていた。面白そうなので観察していると、コンクリート製電柱に埋め込まれているナットの穴に入り込もうとする。どうやらそこを住居にしているのらしい。「穴があったら入りたい」ということらしい。〔…………〕
午前11時。
用水路脇の狭い草地にいるコガネグモたちは、隠れ帯の本数を少なくしたり、短くしている子が多いようだった。気温が高いので獲物を消化するのにも時間がかからないのかもしれない。隠れ帯を付けていない子を優先してアオドウガネをあげておく。
その奥の草地には、今日もお尻が薄べったいコガネグモが草葉の陰にたたずんでいた。産卵という行動は体力を使うのらしい。
体長20ミリほどのナガコガネグモは円網のこしき部分の上下に隠れ帯を付けていた。それでもお尻は細いので、まだ食べられるだろうと、体長30ミリほどのショウリョウバッタの子虫をあげる。さすがにバッタのスペシャリストらしく、手際よく捕帯を巻きつける20ミリちゃんだった。
午後1時。
電柱に取り付けられているコガネグモの卵のうを見つけた。ロードバイクを降りて近寄ってみると、この卵のうも白地に赤茶色の筋模様なのだった。もしかすると、この季節のひたちなか市の気候は灰緑色のカビ向きではないのかもしれない。
その近くにはコガネグモのミイラ化した死骸が風に揺れていた。まさに「虎は死して皮を留め、コガネグモは死して卵のうを残す」であるなあ。〔「人は死して名を残す」だぞ〕
名なんか残したって意味はない。生物なら子孫を残すべきだろう。
撮影を終えてロードバイクに乗ろうとしたらペダルを右のふくらはぎに当ててしまって、また皮膚が裂けてしまった。「ふくらはぎの皮膚なのにまた裂けたとはこれいかに」である。〔…………〕
ハイソックスを穿くか、いっそのこと、タイツを穿いた方がいいのかもしれない。膝を出さないとペダルを回しにくい感じがするのだけどなあ。
7月16日。曇り時々晴れ。最低26度C。最高32度C。
午前1時。
眠れないので、緩んでいたバーテープを交換した。今回はブレーキや変速機のケーブルをバーテープの外に出してみる。これで緩まなくなる……と思ったんだが、今度はサイクルコンピュータを押してしまう。つまりサイクルコンピュータが勝手に動作してしまうのだ。しょうがない。ケーブルをタイラップでハンドルバーに固定しておく。
コンビニの店先でアオドウガネを5匹捕まえた。
午前6時。
光源氏ポイントにはドウガネブイブイが5匹いた。コガネグモは1匹もいないからそのせいかもしれない。
午前7時。
用水路脇の狭い草地でコガネグモたちにアオドウガネを配って歩く。4匹目まではうまく投げ込めたのだが、最後の1匹はど真ん中のデッドボールを投げてしまった。〔…………〕
それなのに、その子は何もなかったかのように捕帯を巻きつけるのだった。コガネグモの大きなお尻は伊達じゃないのだな。
午前8時。
ガードレールのスズミグモの幼体はあちらこちらと動きまわっていた。そこで水平に近い角度から見ると、スズミグモ特有のドーム絹網ができあがっていた。巨大な3次元構造の網を張るのは大変な手間がかかるだろうに、その手間に見合うだけの獲物がかかるんだろうかなあ……。とりあえず、体長5ミリほどのアリを少し弱らせてから投げ込んでおく。
午前11時。
ヒメグモの2.5ミリちゃんに落ち葉の下にいた体長5ミリほどの甲虫をあげた。アリだと風の影響を強く受けるのでフェンス越しにシート網に投げ込むのは難しいのだが、甲虫は重いので一発でシート網に落ちた。
午後6時。
サイクリングシューズの滑り止めを交換した。パッドの布がすり切れていたり、合皮がひび割れていたり、踵が剥がれていたりだから、そろそろ最後の一足を使うべきかもしれない。
7月17日。曇りのち雨。最低25度C。最高29度C。
午前4時。
コンビニの店先にはコガネムシの仲間はいなかったが、大量の羽アリが群れていた。4匹だけ捕まえて持ち帰り、マダラヒメグモたちに配ることにする。
新ガス漏れ警報器ちゃんと右奥ちゃんはすぐに飛びついて来た。
右前隅ちゃんは無視している。卵を産み尽くしてしまったんだろうかなあ……。
玄関の左前の隅にある不規則網にも落とし込んでみたのだが、クモが出てくる様子はなかった。
午前5時。
玄関の左奥の不規則網の中に体長1ミリほどの赤黒い子グモがいた。マダラヒメグモはそういう環境を好むクモなんだろう……と思ってしまいそうなのだが、古い糸や不規則網の痕跡などが残っていた場所を選んだだけという可能性もある。クモの好みを知りたいのならば、徹底的に掃除をしたまっさらな環境に子グモたちを放ってデータを集める必要があるだろうな。
7月18日。曇り一時雨。最低23度C。最高28度C。
午後1時。
雨はやんだ。
体長5ミリほどのアリを捕まえたので、少し弱らせてからヒメグモの2.5ミリちゃんの不規則網に投げ込んでみた。
今回はうまくシート網の上に落ちたので、2.5ミリちゃんは枯れ葉の下からぽとんと落ちてシート網の下に潜り込み、そこからアリに向かって糸を投げ上げ始めた。最初は踏み込みが足りなくてアリに届かなかったのだが、すぐに間合いを修正して糸を巻きつけ、さらに牙を打ち込んだらしかった。
なお、2.5ミリちゃんのお尻はくすんだオレンジ色だった。
午後10時。
コンビニのガラス面にとまっていた体長4ミリほどの羽アリを数匹捕まえたので、そのうちの2匹をマダラヒメグモの右前隅ちゃんの不規則網に落とし込んだ。すると、住居から出てきた右前隅ちゃんが糸を巻きつけたのだった。うーん……ダンゴムシは食べたくないけど、羽アリなら食べられるということなんだろうかなあ。
右奥ちゃんの不規則網にも落とし込んでみる。すると、体長1.5ミリほどの子グモが飛びついてきた。居候している子がいたのらしい。
ついでに玄関の左奥辺りにも1匹落とし込んでみると、ここにも糸が張ってあって、同じくらいの大きさの子グモが飛びついてきた。
7月19日。晴れ時々曇り。最低24度C。最高31度C。
午前1時。
玄関の左前隅にも子グモが1匹いるのに気が付いた。この子にも羽アリをあげたのだが、これが体長6ミリほどだった上に弱らせていなかったので逃げられてしまった。それを捕まえて、弱らせてからまた不規則網に落とし込んであげる。
「暴れなければどうということはない!」である。
午前6時。
光源氏ポイントにいるジョロウグモの最大クラスの子たちは体長15ミリほどになっていた。ベッコウハゴロモを1匹ずつあげておく。
体長6ミリほどのコガネグモの幼体を見つけた。お尻はすでに黄色と黒のしましま模様になっている。これくらいの体長で白から茶褐色までのグラデーションのパンツから黄色と黒のしましまパンツに穿き替えるようだ。つまり「目立たない方が安全」と「目立つ方が安全」の境界がこの辺りにあるということなんだろう。〔誘引効果でも説明できるぞ〕
「あんなのは嘘っぱちです。論文屋さんにはそれがわからんのですよ」
誘引効果説は信じれば正しいんだろうが、それは「科学」ではなく、「宗教」なのだ。作者は宗教は信じないことにしている。
午前7時。
用水路脇の狭い草地にいるコガネグモたちにアオドウガネ5匹とコフキコガネ1匹を配る。すでにコガネムシサイズの獲物を仕留めていた子も2匹いた。
コガネグモの卵のうをまた1個見つけた。ところが、困ったことに膨らんでいる側は灰緑色なのだった。
午前8時。
堤防の外側の水田の脇にいるコガネグモの18ミリちゃんの円網に体長5ミリほどのヒシバッタを投げ込んでみた。「体長の3分の1です!」というサイズだと、捕帯を巻きつけたりしないで円網から引き抜いてしまう。
その近くにあった卵のうも膨らんでいる側は灰緑色だった。やはり、灰緑色のカビと赤茶色のカビのどちらが優勢になるかは温度と湿度によって決まるんだろう。なお、この灰緑色のカビの方が広がるのは速いようだ。
自販機の脇に甲幅25ミリほどと15ミリほどのサワガニが死んでいた。おそらく側溝から出てしまって戻れなかったんだろう。合掌。
午前1時。
体長17ミリほどのコガネグモの円網に体長50ミリほどのバッタを投げ込んでみた。17ミリちゃんはDNAロールとバーベキューロールで捕帯を巻きつけて抵抗を封じると、牙を打ち込んで仕留めてしまった。「体長の3倍です!」という獲物でも「暴れなければどうということはない!」のらしい。もう少しドラマチックな展開を期待していたんだが……。
午後3時。
今日は100キロ走ってしまった。ヘロヘロである。
7月20日。晴れ。最低24度C。最高31度C。
午前2時。
コンビニの店先でアオドウガネを4匹とヒメコガネを1匹捕まえた。
午前6時。
用水路脇の狭い草地には主のいないコガネグモの円網が2枚あった。少なくとも1枚はお尻がまん丸だった子の円網だから産卵だと思う。
午前9時。
マダラヒメグモの右前隅ちゃんの卵のうの前に子グモたちが群れていた。ただし、「まどい」と言えるほど密集してはいない。
そういえば、作者はマダラヒメグモのまどいを観察したことがないかもしれない。
午前11時。
ロードバイクのハンドルに体長1ミリほどの子グモがいた。床面からの高さは約85センチ。今年は高い所を目指す子グモが少ないようだ。
7月21日。晴れのち雨。最低26度C。最高37度C。
午前1時。
コンビニの店先でアオドウガネを4匹捕まえた。ショウリョウバッタの雄(多分)やクサカゲロウもいたのだが、高い位置にいるので手がとどかなかった。
7月22日。晴れのち雨。最低25度C。最高37度C。
午前1時。
コンビニの店先にはアオドウガネが3匹とカブトムシの雌が1匹いた。もちろん、カブトムシはリリースだ。動物の世界では「大きさは強さ」なのである。
帰宅してみると、台所のシンクの横に体長1ミリほどの子グモが1匹ぶら下がっていた。床からの高さは約1.2メートル。
午前5時。
光源氏ポイントにいたコガネグモの幼体は姿を消していた。
その代わり……というわけでもないんだろうが、体長20ミリほどのコガネグモを見つけた。陽当たりの悪そうな場所に隠れ帯なしの円網を張っているから、オトナになったばかりの子かもしれない。体長20ミリほどの細め体型のバッタをあげておく。
その先の道路脇にもコガネグモが1匹。
午前6時。
用水路脇の狭い草地にはコガネグモが28匹いた。
向かい側の草地には9匹。そのうちの1匹の近くには卵のうがあった。
奥の草地にも9匹。
用水路に沿って、ざっと400メートル×20メートルくらいの範囲に46匹はいるということになる。それでいて、幅5メートルくらいの道路を1本渡ると、1匹も居なくなってしまうのだ。
光源氏ポイントの近くにも水田があるから、コガネグモにとって快適な環境要件は、近くに水場があって、陽当たりがよく、円網がなければコガネムシの仲間が飛び抜けられるような場所ということになるかもしれない(コガネムシの仲間は比較的長距離を飛ぶので、近くに食草がある必要はないだろう)。ただし、幼体と成体では快適な環境に違いがあるようだし、成体になってからもしばらくの間は陽当たりの悪そうな場所に円網を張る子も多い。よくわからん。
午後1時。
キッチン鋏の滑り止めのゴム(?)が腐ってボロボロと剥がれ始めている。買い換えよう。
7月23日。晴れのち雨。最低27度C。最高34度C。
午前3時。
夕方から雨らしい。
ヒメグモの2.5ミリちゃんの不規則網から雄の姿が消えていた。交接したのかもしれない。体長8ミリほどのアリをあげておく。
コンビニの店先には踏み潰されたアオドウガネが1匹しかいなかった。コガネムシのシーズンは終わったのかもしれない。あるいは、この時間帯にはもう活動していないか、だな。
午前5時。
光源氏ポイントではツユクサが咲き始めていた。
昨日見つけたコガネグモの20ミリちゃんは引っ越していなかった。隠れ帯は向かって左下に1本。そこらで捕まえた体長20ミリほどのオオヒラタシデムシの幼虫をあげておく。
舗装路脇のコガネグモにはアオドウガネをあげた。
午前6時。
堤防の上の草地にはショウリョウバッタの雌成虫がいた。
午前9時。
午前7時30分頃から午前9時近くまでは通勤時間帯らしくて、クルマや歩行者、それにどう動くかを予想しにくい自転車が多いので、いったん帰宅して1時間半休憩してから、またロードバイクに乗った。
堤防の外側の草地でもショウリョウバッタを捕まえたのだが、気温がかなり上がっているので、コガネグモにあげるのも気の毒かもしれない。リリースする。
その他に水田の中に逃げ込まれてしまったショウリョウバッタが4匹。古いことわざにある「ショウリョウバッタが大量に」である。〔そんなことわざはない〕
午前11時。
ヒメグモの2.5ミリちゃんは枯れ葉の下にいるのだが、他の子たちは不規則網の中にいないようだ。サザンカの葉の下などに避難して気温が下がるのを待っているのかもしれない。小型の変温動物の場合、体温が上がりすぎないようにする必要があるのだ。
午後1時。
今日はサドルの固定ボルトを2分の1回転分、後ろ乗りのポジションに戻して99キロ走った。最近のトレンドは前乗りしてスピードアップらしいんだが、年寄りには無理だったようだ。今さら筋トレして必要な筋肉を身につける気にもなれないし。
右のサイクリングシューズのソールが剥がれ始めている。最後の予備を使うべきかもしれない。
午後6時。
体長2ミリほどのヒメグモが不規則網に戻っていた。
7月24日。曇りのち雨。最低24度C。最高28度C。
午前1時。
コンビニの店先でアオドウガネを5匹捕まえた。まだシーズンは終わっていないらしい。
午前10時。
ヒメグモの2.5ミリちゃんの不規則網に体長5ミリほどのアリを少し弱らせてから投げ込んだ……のだが、不規則網に引っかかってしまった。2.5ミリちゃんはシート網の上にぽとんと落ちた後、さかんに糸を弾いて獲物を探している。何度も言うようだが、3次元構造の網の場合は獲物の位置を把握しにくいのらしい。
午前11時。
2.5ミリちゃんは枯れ葉の下で獲物を食べているようだ。
7月25日。晴れ時々曇り。最低24度C。最高31度C。
午前3時。
体長10ミリほどの黒いガを捕まえたので、マダラヒメグモの右前隅ちゃんの不規則網に落とし込んだ。羽ばたく獲物なので近寄れないようだが、やや離れた位置から糸を投げかけている。逃げられることはなさそうだ。
なお、右前隅ちゃんの卵のうは14個になっている。
午前9時。
光源氏ポイントにいるコガネグモの20ミリちゃんはお尻の後端を太陽に向けていた。なお、この場所は南北方向に伸びている藪の東側なので、この時間帯でも陽が当たるようだ。アオドウガネを1匹あげておく。
舗装路脇のコガネグモはバッタらしい獲物を食べていた。
午前10時。
用水路ポイントにいたコガネグモの17ミリちゃんの卵のうからの出のうが始まっていた。卵のうの上下に小さなまどいが1個ずつできている。
用水路の水門の近くでは体長20ミリクラスのオニグモがオニヤンマを食べていた。オニ同士で共食いである。〔クモがトンボを食べるのは「共食い」ではない〕
用水路脇の狭い草地で確認できたコガネグモは23匹。向かい側の草地には6匹。奥の草地には5匹いた。
午前11時。
光源氏ポイントではコガネグモの20ミリちゃんがいなくなっていた……と思ったら、クズの葉の下にいた。暑いので日陰に入っているのらしい。お尻が薄べったいコガネグモではよく見られる行動だ。お尻が薄い分体温が上がりやすいということなのかもしれない。
午後1時。
光源氏ポイントにいるコガネグモの20ミリちゃんがアオドウガネを食べていた。
午後3時。
風が強い。サザンカの植え込みにいるヒメグモたちの不規則網が破れてしまっている。
7月26日。晴れのち雨。最低24度C。最高30度C。
午前6時。
光源氏ポイントにいる体長17ミリクラスのジョロウグモの1匹に体長15ミリほどのガをあげた。これほどの大物でもチョウ目昆虫なら飛びついて牙を打ち込むのがジョロウグモ……というか、垂直円網を張るクモでは一般的な行動だな。
その近くにいた同じくらいの体長の子にはアオバハゴロモ(カメムシ目ヨコバイ亜目)をあげておく。チョウ目でなくても小さいか、あるいは十分に翅が大きければ、迷わずに牙を打ち込むのである。逆に、慎重に安全確認をしてから一気に踏み込んで牙を打ち込むのがバッタの類、安全確認をしているうちに逃げられてしまうのがコガネムシなどの甲虫というところだ。円網から脱出できないまま力尽きてしまえば、甲虫でも捕食できるかもしれないが。
コガネグモの20ミリちゃんはいびつな肉団子状になった獲物を食べていた。
午前7時。
コガネグモの17ミリちゃんの卵のうには、子グモたちが密集していないまどいを形成して覆い被さっていた。出のうは終わったようだ。
そのまどいの中にヒメグモ科のシロカネイソウロウグモが1匹入り込んでいる。食べ放題だろうが、雌でも最大3.5ミリでは子グモたちを食い尽くすことはできまい。
用水路脇の狭い草地には草の葉の間と、立ち枯れた草の穂の下にいるコガネグモが1匹ずついた。産卵を終えて休憩中なのか、卵巣内の卵を産み尽くして「いいクモ生だったわ」という気持ちになっているのかだろう。
産卵を終えたらしい別の子は隠れ帯なしの円網を張っていた。アオドウガネを1匹あげておく。
午後6時。
ヒメグモの2.5ミリちゃんはシート網付きの不規則網を再建していた。完成祝いに体長8ミリほどのアリを弱らせてから投げ込んでおく。
もう1匹のヒメグモは不規則網だけにしているようだ。シート網がなくても獲物はかかるのである。おそらく昆虫の体節や脚の関節部分が糸に引っかかるのだろう。
3匹目の子はいなくなったようだ。生きるということは、とても難しいことなのである。人間は別だが。
7月27日。晴れ時々雨。最低23度C。最高30度C。
午前1時。
ヒメグモの2.5ミリちゃん(今は体長4ミリほど)が卵のうを造っているところだった。
もう1匹の体長2ミリほどの子の不規則網には体長6ミリほどの羽アリを投げ込んだ。今回はうまく不規則網に引っかかったのだ。
午前6時。
ヒメグモの2.5ミリちゃんは卵のうを枯れ葉の下に運び込んでいた。
2ミリちゃんは羽アリを食べている。
7月28日。曇りのち雨。最低21度C。最高28度C。
午前1時。
コンビニの店先でアオドウガネを6匹捕まえた。
ヒメグモの2.5ミリちゃんは不規則網の端の辺りを歩いていた。補修が終わる前に産卵することになってしまったのかもしれない。
2ミリちゃんはまだ羽アリを食べている。
最近ギアチェンジがもたつくのでチェックしてみたらチェーンが伸びていた。スプロケットとチェーンを交換する。
午前9時。
光源氏ポイントにいるコガネグモの20ミリちゃんは隠れ帯を下側に2本付けていた。お尻もまん丸になっているから、1日か2日は獲物をあげなくてもいいかもしれない。
体長15ミリほどのジョロウグモの幼体には、冷蔵庫の中で力尽きていた同じくらいの体長のガをあげた。翅が大きければ、まったく身動きしない獲物でも飛びついて牙を打ち込んでくれるのである。これが体長5ミリほどのアリだと、獲物の直前で急停止して安全確認を始めるところだ。
別の幼体は1本の束になった糸の下で獲物を食べ始めた。しかし、どう見ても円網らしいものはない。どうやって仕留めたんだろう?
スズメバチが1匹、小さな花にやって来た。蜜はエネルギー源になるし、花粉にはタンパク質が含まれているしだから、花を訪れない理由はないわけだ。
舗装路脇で円網を張っているコガネグモは円網に隠れ帯を付けていなかった。お尻も薄くなったようだから産卵したのかもしれない。
午前10時。
コガネグモの17ミリちゃんの子グモたちのまどいは3個になっていた。
有料道路のコンクリート製の脚柱に取り付けられているコガネグモの卵のうが薄緑色になっていた。
用水路ポイントの奥の草地にいたコガネグモは1匹だけだった。この場所のコガネグモのシーズンは終わりつつあるのかもしれない。
午前11時。
体長15ミリほどのきれいな緑色のイモムシがひっくり返っていたので戻してあげたら、イラガの幼虫だった!
『YAMAHACK』というサイトには「そのトゲ(毒棘:どくきょく)に触れると電気が走ったような痛みを感じ、その後皮膚炎を起こします」と書かれている。イラガの幼虫は要注意なのである。〔…………〕
作者はまだ刺されたことがないので、どれくらい痛いのかわからないが。
ショウリョウバッタの雄を捕まえてしまった。しょうがないので、コガネグモの20ミリちゃんの円網に投げ込むことにする。幸い、飛びついて捕帯を巻きつけてくれた。何よりである。
午後3時。
チェーン用潤滑剤を買うためにホームセンターに行ったら、自転車置き場に体長4ミリほどのコガネグモの幼体がいた。今年になってから出のうした子なんだろうかなあ……。
午後4時。
今日もレジ袋1個分のゴミを回収した。
7月29日。晴れ時々曇り。最低23度C。最高35度C。
午前6時。
光源氏ポイントにいるコガネグモの20ミリちゃんの隠れ帯は下側2本のままだった。いかにも食欲がなさそうなのだが、とりあえずアオドウガネを円網に投げ込んでみる。もちろん、知らん顔をされてしまった。まあ、24時間以内に産卵するということでもなければ、そのうちに食べてもらえるだろう。
舗装路脇のコガネグモの隠れ帯は向かって左下に点が一つだった。もちろん、円網にアオドウガネを投げ込むと飛びついて捕帯を巻きつけ始めた。
7月30日。晴れ時々曇り。最低23度C。最高34度C。
午前4時。
路面が濡れている。もう少し寝よう。
午前10時。
光源氏ポイントにいるコガネグモの20ミリちゃんの隠れ帯は向かって左下に1本だった。1本だと食欲がありそうなのだが、お尻は丸いままなのである。よくわからないので体長15ミリほどのバッタを円網に投げ込んでみると、まったく反応しないのだった。ただし、コガネムシの仲間ではないので積極的に捕食する気になれないだけという可能性もある。やっぱりわからん。
※10分くらい経ってから確認すると、捕帯を巻きつけられたバッタが円網に固定されていた。
体長10ミリほどのジョロウグモには体長15ミリほどのバッタの後脚を外してからあげてみた。10ミリちゃんは獲物に駆け寄ったものの、直前でUターンしてホームポジションに戻ってしまった。食欲があるジョロウグモらしい反応である。
スズミグモのスズちゃんは体長17ミリほどになっていた。ドーム絹網も大きくなっている。その位置も10センチくらい高くなったようだ。
草の葉の下面にセミの抜け殻が1個残されていた。
午前11時。
コガネグモの17ミリちゃんの子グモたちは1個のまばらなまどいを形成していた。数える気にもなれないが、個体数も減っているような気がする。明日か明後日には分散しているんじゃないかと思う。
7月15日に見つけたコガネグモの卵のうは縁の部分と膨らみの上側が見事な赤茶色になっていた。ただし、平らな面は白色ないしアイボリー。
用水路脇の狭い草地で見つけたコガネグモの卵のうも膨らんでいる部分の上側が赤茶色になってきている。
用水路脇の狭い草地にいたコガネグモは20匹。向かい側の草地には7匹。奥の草地には1匹だけだった。
午後1時。
体長10ミリほどのジョロウグモはホームポジションでバッタを食べていた。疲れておとなしくなった獲物なら安心して捕食できるのだろう。「暴れなければどうということはない!」である。
午後3時。
ヒメグモの2.5ミリちゃんの卵のうは2個になっていた。
民家のブロック塀にもセミの抜け殻が1個残っていた。セミヌードのシーズンが来たのかもしれない。〔「脱皮」と言え!〕
午後11時。
大変だ! マダラヒメグモのガス漏れ警報器ちゃんが小さくなってしまった。〔嘘つくな!〕
実際は今年のガス漏れ警報器ちゃんが引っ越しをして、空き家になったガス漏れ警報器の下に別の子が居抜きで入居していたという状況らしい。
で、それを知らずに体長5ミリほどのダンゴムシを落とし込んでしまったのだが、さすがにこれは重すぎて、いくら頑張っても吊り上げられなかったのらしい。代わりにコンビニの店先で集めてきた体長5ミリほどの羽アリを落とし込んでおく。
ヒメグモの2.5ミリちゃんにも羽アリをあげた。産卵祝いである。
7月31日。曇りのち雨。最低24度C。最高31度C。
午前3時。
ヒメグモの2ミリちゃんの不規則網に体長5ミリほどの羽アリを投げ込んだ。10匹くらい投げて、不規則網に引っかかったのが1匹だ。フェンスがなければ楽なんだが……。
午前5時。
光源氏ポイントにいるコガネグモの20ミリちゃんの隠れ帯は左下に1本だけだった。円網にアオドウガネを投げ込んでも、やや反応が鈍い。獲物をツンツンすれば捕帯を巻きつけるのだが……。
舗装路脇にいるコガネグモにもアオドウガネをあげておく。
その隣の円網は予想通り体長20ミリほどのオニグモだった。トンボを食べるのに夢中で夜が明けているのに気が付いていないのらしい。
午前6時。
用水路ポイントにいるコガネグモの17ミリちゃんの子グモたちは、かなりまばらなまどいを形成していた。数もだいぶ減ったようだ。準備ができた子から旅立っているのかもしれない。
用水路脇の狭い草地でコガネグモの卵のうをまた1個見つけた。道路から見える所にあれば見つけられるのだ。
光源氏ポイントから先は雨が降っているので、今日はここまで。
午前10時。
いまだにシート網を張ろうとしないヒメグモの2ミリちゃんを撮影した。画像を拡大してみると、まるで黒い脚の生えたオレンジ色のだるまさんである。
クモをつつくような話2026 その3に続く




