最終ラウンドへ
私と熊さんは、互いに睨み合っていた。
だが、その睨み合いも直ぐに終わる。
「熊野郎!!!行くぞっ!!!!!」
私の叫び声と共に、死合のゴングが鳴った。
私は近くに落ちてる矢を拾い、それをクロスボウに再装填をする。
もちろん、その間に熊さんは私との距離を詰め襲いかかる。
私は咄嗟に矢を放つが当たらず、熊さんが直ぐそこまで迫ってきた。
私はナイフを取り出し、折れた金属バットを投げつける。
見事、金属バットは右頭に当たり、熊さんが一瞬怯む。その隙に、私は矢を拾い再装填しながら全力でそこから離れる。
熊さんは、私を追ってくる。
私は再装填した、クロスボウを熊さん目掛けて放つ。
しかし、熊さんはそれが当たってもそのまま駆けてくる。
ちょっ!?少しは怯めよ、熊さんよ!!
「グガァ.........ア゙ァァ!!!!!」
熊さんは叫びながら、私の目の前にまで来た。
再装填してる時間はない!!逃げる!!!!
熊さんが、 右手を振り降ろす。
私は素早く転がり、熊さんの攻撃を避ける。
危なっ!!!!掠ったぁ.............
熊さんの爪が頬をかすり、血が少し流れる。
私は気にせず、再装填した矢を後退しながら放つ。
熊さんの背中に刺さるが、熊さんは気にすることなく襲いかかって来る。
クソッ!!クロスボウは、もう駄目だ!!!
熊さんはまだ倒れないし、どうする...............
ナイフ一本だけじゃ、勝てない...........
じゃあ、逃げるか?いや、直ぐに追いつかれる。
なんとか、時間稼ぎを.............
私は矢を再装填。放つ!!
が、熊さんは気にもとめずに駆けてくる。
もう!!普通は気にするでしょ!!!!
血が排出されるんだよ?当たったらマズイでしょ!!!!!!
それなのに、なんでコイツは無視して来るのよ!!!!!!
クソッ!!せめて、リーチが長くて強い武器があれば............
「グガァァ!!!!!!!」
そうだ!!『ランダムスキル』!!!!
これで..........
「グッ.........オエッ.............グ、グッバァァ!!」
熊さんが右前足を振り降ろす。
私は、また避けるために素早く転がろうとして失敗した。
転がる態勢に入った私に、熊さんはある物を吐き出した。
それが、私の頭に当たり視界がふらつく..........
それを見逃さず、熊さんは体当たりをかましてきた。私は直撃、鈍い音と共に私は吹き飛ばされた。
「..............ゴッ...........ガッ!?」
あ、ヤバい...........
これは、ヤバい...............
命の危機を感じる.............
肋骨が何本か逝った..........
頭からドロっとした赤い液体が流れてくる.........
あぁ、これはヤバい..........
私が体当たりされた場所の近くには、釘バットが落ちていた。
なるほど、あの金属バットを吐き出して頭をやられたのか..........
そりゃ、痛いわな............
ガツンッて、きたもん............
ヤバ........、立ち上がれない............
体に力が入らないや.............
手に持ってたナイフとクロスボウはどっか飛んでいったし..............
あ、ナイフは熊さんの体に刺さってるわ。
クロスボウは分からない。どっか、遠くの方に飛んでいったかな?
どうしよう、何か...........何かないか............
「グフゥゥゥ..........」
熊さんが近づいて来て、私の目の前にまで来た。
唯一動く、右頭を私の顔の近くに寄せて匂いを嗅いでる。
ヤバい........、何か.........本当に何か無いのか.......
死ぬ........食われる...........
ふと、私の左手に冷たいナニかが触れて、切れる。
「グオォォォォォォォォォォォォォ!!!!!」
熊さんが勝利の雄叫びを上げ、私を煽る。
熊さんは私が動けない事を確認すると、大きく口を開く。
私を食べる気か.........
私の顔によだれがかかり、牙が私に触れようとした..............
「ハァ..........ハァ...........」
まだ、食われてたまるものか.............
コレに、私の全てを賭ける!!!!!
私は左手にある冷たいモノを握る。
私の左手の皮膚や肉が切れるが、私はソレをしっかり握り勝ち誇った熊さんの右頭に突き刺す。
ソレは、見事に熊さんの皮を、肉を、骨を突き破り、脳も突き破り頭を貫通させた。
「グッ.............ガァッ?」
熊さんは何が起こったかもわからずに、事切れた............
熊さんが倒れ、私の上に落ちてきた。
「うっ..........重い............」
私はモゾモゾと動いて、熊さんから脱出する。
「つ、疲れたぁ〜」
熊さんの右頭に刺さっていたのは、私が一番最初に『武器作成』で作った、柄も鍔もない刃だけの刀。
私がそこら辺に捨てた、一番初めに作った刃。それが、落ちていたのだ。




