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幽霊人間と殺人鬼  作者: 真知コまち


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13/26

13話 夜は踊る

~登場人物~

 主人公~~ベル

 貴族の息子~~ルイ

 ルイの父~~ジャック


_(〘ベル〙)「う~ん」

   壁に寄りかかって寝ていたベルが、目を覚ます。

_(〘ベル〙)「わたし…ルイを運んで…執事さんを…」

   村を出た後の、朧げな記憶を辿る。

   三日月が雲で見え隠れする空を見上げる。

    どれぐらい、寝てたんだろう?

    ルイの熱は、あの傷が原因…

_(〘ベル〙)「わたしのせい…よね」

   応急処置をした自分を責め、ルイを思い俯く、ベル。

_(〘ベル〙)「大丈夫よね!」

   ルイの無事を信じたいベルは、屋敷の扉を開け、ルイの寝室へと向かった。


_(〘ジャック〙)「医者は、何と言っている?」

 _(〘執事〙)「夜を越せるか怪しいと…」

_(〘ベル〙)「そんな…」

   部屋に向かっていたベルは、廊下で話す父親と執事の会話を、偶然きいてしまう。

_(〘ジャック〙)「そうか。私は、仕事に戻る。看病あとは、任せたぞ」

 _(〘執事〙)「・・・よろしいのですか」

_(〘ジャック〙)そばに居たところで、傷が治る訳では無いだろ」

 _(〘執事〙)「…はい。かしこまりました」

   ルイの部屋に背を向け、自室へと戻る、ジャック。

_(〘ベル〙)「酷い…」

    何あれ!

    まるで、ルイが大事じゃないみたい!

   ジャックの部屋に置かれていた写真が、ベルの脳裏に蘇る。

_(〘ベル〙)「ルイは、本当の息子こどもじゃないの?」

   写真の記憶ことを考えながら、ルイの眠る部屋に入ろうとする、ベル。

_(〘ベル〙)「痛い!」

   壁をすり抜け様としたベルは、頭を壁にぶつけた。

_(〘ベル〙)「また、失敗した…」

   扉の前には、ルイを心配する侍女達が、集まっている。

    じじょの前で、開けるわけには…

    風も無く動く扉を想像する。

_(〘ベル〙)「騒ぎを起こすと、寝ているルイの体に、響くよね?」

   水を取りに行った執事が、扉を開けるまで、廊下に座り待つ、ベル。

   じっと座るベルは、人を殺していた時の、ルイを思い出す。

    ルイは、使命に沿って、人を殺していた。

    ルイが使命を失えば、わたしは消える。

    でも、今、消えるわけには…

_(〘ベル〙)「ルイを止めることが、わたしの使命だったはずなのに…」

   侍女たちが祈る廊下で、一人考え込む、ベル。

    そもそも、わたしに、ルイが助けられるの?

    幽霊に、傷を治す特殊能力ちからなんて無い。

_(〘ベル〙)「ルイに会えても、何も出来ないじゃん」

   ベルは、絶望的な状況に下を向く。

 _(〘執事〙)「皆さんは、部屋に戻りなさい。明日の仕事に響きますよ」

   水桶を持って来た執事が、侍女達を追い払う。

 _(〘執事〙)「・・・お会いになりますか」

   廊下に座るベルに、突然、執事が声を掛ける。

_(〘ベル〙)「…わたしの事が、見えているの⁉」

 _(〘執事〙)「申し訳ございません。声は、聞こえていないのです」

_(ベル)「そう…よね…」

 _(〘執事〙)「ですが、死神様が、ルイ様のお傍に居られたことは、ずっと見てまいりました」

_(〘ベル〙)「し、死神!」

 _(〘執事〙)「ルイ様は、悪い…良い人間なのです!どうか、ルイ様を救って頂けますんか。お願い致します」

_(〘ベル〙)「救うって…わたし、死神じゃないんだけど…」

 _(〘執事〙)「どうか、どうか…」

   ベルに頭を下げ、必死に懇願する執事。

_(〘ベル〙)「・・・」

   立ち上がったベルは、ルイの眠る部屋へと向かった。

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