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幽霊人間と殺人鬼  作者: 真知コまち


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12/26

12話 傷は踊る

~登場人物~

 主人公~~ベル

 貴族の息子~~ルイ


 

 _(〘ルイ〙)「誰?僕は、ルイだけど…」

   毅然とした態度で答える、ルイ。

_(〘ベル〙)「ルイは、自分を”僕”なんて言わない」

 _(〘ルイ〙)「そう?無意識に変わっていたかな?」

   平然を装い、馬足を速める、ルイ。

_(〘ベル〙)「嘘ね。納屋に現れた時、口調を隠そうとしてた!」

 _(〘ルイ〙)「上手く騙せていると思っていたが、見抜かれていたとは…」

_(〘ベル〙)「疑いがあったから、違和感に気づいたの。ルイが、二人いるって」

   天を仰いだルイは、馬の脚を止めた。

 _(〘ルイ〙)「そうですね。僕は、二人います。ここに。ね」

   自分の胸に手を当て、ベルを見つめる、ルイ。

_(〘ベル〙)「どうして…いえ、何時から二人に?」

 _(〘ルイ〙)「その質問には、答えない。隠し事の一つぐらい、ベルにもあるよね?」

_(〘ベル〙)「隠していたわけでは…」

   顔を背けたベルは、気まずい表情で、話しを続ける。

_(〘ベル〙)「確かに!物に触れられる様になった事を、ルイには話していなかったけど、私の体が変化しているが事は、ルイも知っていた事でしょ!」

 _(〘ルイ〙)「無駄な会話は、止めよう。僕達には、使命がある。これ以上、詮索しないでほしい」

_(〘ベル〙)「使命?その使命が、ルイが、人を殺し続ける理由なの?」

 _(〘ルイ〙)「僕達を知れば、ベルも、ルインの様に、消えてしまうかもしれませんよ」

_(〘ベル〙)「わたしが?どうして…」

 _(〘ルイ〙)「それは・・・」

_(〘ベル〙)「ルイ?」

   会話の最中、突然、意識を失った、ルイ。

_(〘ベル〙)「危ない!」

  バタ。

   頭から落馬したルイを、地面に当たるぎりぎりで、受け止めた、ベル。

   手に触れたルイの体は、高熱を帯びていた。

_(〘ベル〙)「ルイ。いつから熱が…」

   呼吸が荒くなり、ベルの呼びかけにも、反応が無い。

_(〘ベル〙)「ルイ、ルイ。急いで、お医者様に見せないと!」

   意識が無いルイを、無理矢理、馬に乗せる。

   ルイを抱えながら馬に跨るベルは、ルイの屋敷へと、急ぎ馬を走らせた。


_(〘ベル〙)「誰か!」 

   ルイの屋敷に着き、馬に乗るベルが叫ぶ。

   当然、ベルの声は、誰にも届かない。

_(〘ベル〙)「ルイを置いては行けない。でも…」

   苦しむルイを見つめる。

_(〘ベル〙)「ごめんなさい…」

   ルイを馬から降ろし、地面に寝かせ、門をすり抜け様とした。

  カンッ。

_(〘ベル〙)「痛い!」

   門に頭をぶつけた、ベル。

_(〘ベル〙)「この体…もう自由には、動けないんだ…」

   ベルは、ルイが使っていた裏口から、中へ入る。

_(〘ベル〙)「声を使わず、人を呼ぶ…」

   辺りを見回し、人が通るところを待つ。

_(〘ベル〙)「・・・来ない」

_(〘ベル〙)「早く、早く、誰か来てよ!」

   焦りを露にするベルは、頭を抱え座り込む。

_(〘ベル〙)「・・・そうだ!」

   何かを思いつき、屋敷の扉へと近づく。

_(〘ベル〙)「お願い…届いて…」

  コンコンコンコンコン。

   何度も、何度も、必死に扉を叩く。

 _(〘執事〙)「はい?」

_(〘ベル〙)「来た!」

   屋敷の執事が、扉を開ける。

 _(〘執事〙)「誰も居ませんね…」

   顔を出し、辺りを見回す、執事。

_(〘ベル〙)「門の前に、ルイが居るの!気づいて!」

   誰も居ないことを確認した執事が、扉が閉める。

_(〘ベル〙)「そんな…」

   希望がついえたベルは、その場で崩れ落ちる。

  バタバタ。

   突然、足音と共に扉が開き、慌てた執事が飛び出して来た。

   何かを見渡さがし、門まで走る、執事。

 _(〘執事〙)「ルイ様?居ませんか・・・ルイ様!」

   執事は、門の前の地面に伏せたルイを見つけ、慌てて駆け寄る。

 _(〘執事〙)「意識が無い。医者、医者を!誰か、来なさい」

_(〘ベル〙)「良かった。これで…」

   ルイが運ばれるところを見届けたベルは、力尽き気を失った。

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