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ピピン討伐隊、さらば

コンビニバイトリーダーのピピンは、突如現れた冷凍餃子王から店を守る戦いに巻き込まれる。しかし、その裏にはピピンを洗脳し戦わせるコンビニ専門医ドクター・フリーズの存在があった。バイトたちは「値引き弁当」でピピンの洗脳を解き、協力してドクター・フリーズを倒し、ついにコンビニに平穏を取り戻す。

冷凍マンモスの肉との激闘の末、コンビニバイトたちは辛くも勝利を収めた。しかし、戦いは終わらない。次々と現れる冷蔵庫の食品たち、そして冷凍庫の奥底から蘇る、かつて倒したはずの冷凍餃子王。混沌の極みに達したコンビニは、もはや日常とはかけ離れた異空間と化していた。


その中心で、バイトリーダーのピピンは、まるで何かに取り憑かれたかのように戦い続けていた。その目には、以前のような穏やかな光はなく、狂気に満ちた輝きが宿っていた。


班長「ピピン!もうやめろ!こんな戦いは意味がない!」


ピピン「意味がないだと?違う!これは俺たちの宿命だ!このコンビニを守り抜くことこそが、俺に与えられた使命なのだ!」


シャイガイ「ピピンさん、おかしいですよ!医者に見てもらった方が…」


その言葉に、ピピンの表情が歪んだ。


ピピン「医者?ああ、あの男か…」


突如、コンビニの自動ドアが開き、白衣を着た男が現れた。その男は、これまでピピンを治療してきたコンビニ専門医のドクター・フリーズだった。


ドクター・フリーズ「ククク…ピピン君、よく頑張ったね。だが、そろそろ潮時だよ」


彼は懐から、まるでリモコンのようなものを取り出した。それを操作すると、ピピンの体がガクンと揺れ、動きが止まった。


ピピン「な…なにをする!ドクター・フリーズ!」


ドクター・フリーズ「残念だよ、ピピン君。君の**「宿命」**という洗脳は、私が仕込んだものだからね。このコンビニを永遠に戦場とし、私の研究の糧とすることが目的だったのだよ!」


ホットコーヒー「まさか…あんたが黒幕だったのか!」


班長「卑怯な真似を!許さないぞ、ドクター・フリーズ!」


ドクター・フリーズ「さあ、見せてもらおうか。このピピン君を倒すことができるかな?彼は私の手によって、**「宿命の番人」**として強化されている。彼を倒すことができれば、この洗脳は解けるだろう。ただし、彼を傷つけることはできないぞ?私の研究の貴重なサンプルだからな!」


コンビニバイトたちに戦慄が走る。強化されたピピンを傷つけずに倒すなど、あまりにも無謀な要求だった。


「ピピン討伐隊」結成!

しかし、班長は諦めなかった。


班長「みんな!ピピンを救うぞ!奴の洗脳を解くんだ!」


シャイガイ「でも、どうやって…」


その時、レジの奥から、かつてないほどの輝きを放つ物体が飛び出した。それは、割引シールが大量に貼られ、もはや原型を留めていない**「最終兵器・値引き弁当」**だった。


値引き弁当「俺を…食え!俺の成分には、精神を安定させる効果がある!」


全員「えええええ!?」


ドクター・フリーズ「な、なんだと!?そんな効果は聞いたことがないぞ!」


値引き弁当は、ピピンの額に吸い付くように貼り付いた。すると、ピピンの目が次第に落ち着きを取り戻していく。


ピピン「う…うぅ…俺は…何を…」


ドクター・フリーズ「馬鹿な!私の洗脳が…こんなB級グルメに…!」


ドクター・フリーズの末路、そして本当の終わり

洗脳が解けたピピンは、ドクター・フリーズに鋭い視線を向けた。


ピピン「貴様…俺を弄んだな!」


ドクター・フリーズは怯んだ。しかし、彼は最後の切り札を出した。


ドクター・フリーズ「フフフ…これで終わりだと思うな!私の研究はまだ終わっていない!このコンビニには、**「時を戻すレジ」**がある!これを使えば、何度でも実験をやり直せるのだ!」


ドクター・フリーズはレジに飛びつき、数字を打ち込み始めた。


ドクター・フリーズ「さあ、時は遡る!そして私は、更なる進化を遂げたピピン君を…」


その時、棚から**「賞味期限切れの牛乳」**が飛び出し、ドクター・フリーズの顔に思いっきりぶつかった。


賞味期限切れの牛乳「フン!時間の流れに逆らうなど、許さん!」


ドクター・フリーズ「ぎゃあああああ!腐った臭いが!目が!目がぁぁぁ!」


ドクター・フリーズは悶え苦しみ、そのまま意識を失い、床に倒れ込んだ。その瞬間、コンビニ全体を覆っていた異様な空気が霧散し、全てが元に戻っていく。


こうして、コンビニの平穏がようやく訪れた。冷凍食品たちは冷凍庫に戻り、冷蔵庫の食品たちも元の棚に収まった。レジはいつものように「チーン」と鳴り、ホットコーヒーマシンからは温かい蒸気が立ち上る。


班長「やっと終わったな…」


シャイガイ「もう戦いは嫌だ…」


ピピン「みんな…本当にすまなかった。俺は…」


ホットコーヒー「いいんだよ、ピピン。お前はよく頑張ったさ」


コンビニバイトたちは、肩を組み、互いの顔を見合わせた。長かった戦いは、今、本当に終わりを告げたのだ。彼らの「宿命」は、ドクター・フリーズという悪しき存在を打ち破ることで、遂に完結した。

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