ある日のくじ引き
こんばんは~
「はい、くじ引いてー」
教卓の横にパイプ椅子を用意し、ドカッと腰掛けた担当の先生がそう声をかけた。背もたれに少し体重を預けただけでミシミシ音を立てている様子を横目で観察しながら言われた通りに前に用意してある箱に手をいれる。
「全員引いたな。じゃぁ紙に書いてあるのが担当学年だから同じ人と相談して指導に当たるように。」
「紗菜、何年生?」
「んとね〜1年生だ!翠は?」
「2年。一緒が良かったのにー!」
「まぁ、そんな落ち込むなって」
「うぇーん」
泣くフリをしながら紗菜に後ろから抱きつく。肩に回された手を紗菜は優しく叩いた。そうやってじゃれついていると正面から背の高い可愛らしい女の子が近づいてきた。
「あの...さっき紗菜先輩が1年のくじを引いたって聞こえたのですが...」
「うん。そうだよ!もしかして_」
「私もそうなんです。よろしくお願いします!」
「そうなの〜!!こちらこそよろしく。」
おずおずと話しかけてきた後輩と、紗菜は会話を弾ませ、いとも簡単に翠の手を払い除けて向こうに行ってしまった。
(ひどい!淋しい私をおいて行かないでよ〜。)
一人取り残され、ポツンとほぼ無気力状態で突っ立っていると後ろから話しかけられた。
「あの、翠先輩はもしかして_」
「はい。もしかしなくても2学年担当です。」
相手の言葉を遮って早口に言い切る。そして言い終わってから勢いよく後ろを振り向き相手の顔を見る。
「よろしくお願いします!」
「えっ、流星もソーランやるの!?」
「ここに居るのでそういうことです。友だちに誘われて仕方なくっていうか去年見て憧れたっていうか...」
「そうだったんだー。良かった〜ペアが流星で!」
「それってどういう_」
「流星なら気負いせずに話せるじゃない?」
「あぁ、そういう...」
なぜか知らないけど少し表情に陰りができたように感じたがまぁ、大丈夫だろう。だって流星だから。