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ある日の朝の光景

おはようございます!

「おはよー」


昇降口に着いた時、後から来て隣に立った少女に声を掛ける。


「お〜翠!おはよー!!」


「朝から元気だね〜紗菜は。」


「それ褒めてるの?私が元気を翠にあげなかったら誰が分け与えるのよ!」


いないでしょ!ほら私に感謝しなさい!と、保育園時代からの親友である島田紗菜(しまださな)は自信満々に答えた。


「たしかに...!いつもありがとうございます。紗菜様〜。」


「うむ。苦しゅうない。」


「「......フッ、アハハ」」


二人して同時に吹き出した。この一連の流れも翠にとって毎朝のお決まりの光景だ。そしてひとしきり笑った後、教室に向かって歩き出す。


「紗菜、今日の1時間目の科目何だっけ?」


「あーたしか数学じゃない?」


「げっ、宿題あったよね」


「あったね。」


「一問だけ出来てないかも」


「任せな!教えてやるさ」


「ありがとー!!」


そんな話をしていると教室についたらしい。


「今日も賑やかだね〜」


教室の外まで響き渡る笑い声が耳に届く。もちろん翠には、この笑い声が誰によって引き起こされており、誰が原因なのかはわかりきっている。


「ホント毎朝飽きないねー」


(ほんとそれな)


紗菜の感想に心のなかで激しく同意しながら教室に入り自席に向かう。紗菜とは席が少し離れた位置にあるため入口でお別れする。


「ごめん!ちょっといい?」


「え?あぁ、湯河原さん!おはよう〜ごめんごめん。今どくね!」


そう言って私の席を阻んでいたクラスのムードメーカーは快く席を空けてくれた。


「ありがとう!」


なるべく後ろの人の迷惑にならないように静かに席に座り、準備を始める。

入学してから毎朝のことだから今ではなんとも思わないが何故に私が開口一番謝らなければならないのか、といつも思っている。でもソレを言うつもりはない。理由は単純。いう必要がないから。


「みんな席につけー」


担任が入ってきて生徒に声を掛ける。すると先程までの喧騒が嘘のように静かになり立っている人はいなくなった。


「はい、号令お願いします。」


「起立、礼」


「着席」


こうして中学3年のその日が始まった。

いかがでした?まだ恋愛要素が...

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